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D配信#31:【重要】ガイドラインの改定

本年10月1日より、精子提供の生殖補助医療は新ガイドラインにて実施します。対象者条件やAID、IVF-Dまでのフローなど、ガイドラインの改定は多岐に渡ります。以下をご確認ください。

【1】ガイドライン改定の理由
【2】新ガイドラインの開示:9/17
【3】ガイドライン改定の通知同意フォーム入力期限:9/25
【4】新ガイドライン説明会:9/23(希望制)
【5】ガイドライン違反内容ついて
【6】当院の精子提供による生殖補助医療について
【7】新規AIDに関するお知らせ
【8】新規IVF-Dに関するお知らせ

【1】ガイドライン改定の理由
精子提供による体外受精(IVF-D)の妊娠が今年増加している中、妊娠が確認された後でガイドライン違反と判明するケースが複数発生しました。特に5月には、重大な違反が確認されました。これを受け、再発防止のためガイドラインの改定を決定しました。また、新規AID・IVF-Dの手続きについては、ガイドラインの変更による同意内容の曖昧さを防ぐため、一時的に停止しました。

【2】新ガイドラインの開示:9/17
9月17日(日)に新ガイドラインの改定箇所を説明する動画を配信します。治療のフローなどについても合わせてご説明します。

【3】ガイドライン改定の通知同意フォーム入力期限:9/25
9月17日に送信するメールには、「ガイドライン改定の通知同意フォーム」へのリンクを掲載します。このフォームは10月1日からのガイドライン改定への理解と同意を確認するためのものです(新ガイドラインの内容へ直接的な同意を求めるものではありません)。9月25日までに、夫婦それぞれがフォームに入力してください。この同意を頂けた方々は、10月1日以降の診療、手続き、および同意書の提出が可能です。期日内に確認や入力ができなかった場合は、どうぞクリニックへお知らせください。

【4】新ガイドライン説明会:9/23(希望制)
9月17日に新ガイドラインを公開いたしますが、詳細を理解したい方向けに9月23日(祝土)に説明会を開催します。参加は任意です。説明会に参加しなくても治療の進行に差し支えはありません。説明会では、ガイドライン変更の詳細をお伝えし、質問の時間も用意しています。

▼説明会の詳細
開催日:9月23日(祝土)、zoom
開始時間:17時~終了は未定
申込方法:9月22日(金)12時までに、診療予約システム内の「説明会・勉強会」→「AID・IVF-D新ガイドライン説明会」を予約してください。

*なお、説明会の内容は後日アーカイブとして公開します。日程が合わない方や、途中で退室した方はアーカイブをご覧ください。

【5】ガイドライン違反内容ついて
「ガイドライン違反の具体的内容を知りたい」とのご要望を多数頂戴しております。当院としても再発防止のために詳細をお伝えしたいとの考えがあります。しかしながら、5月に確認された重大なガイドライン違反については、当初の契約に反して、夫婦以外の当事者の権利が侵害されている状況であり、現在も解決への取り組みを続けているため詳細な情報の公開はできません。現時点で共有できる内容は以下となります。
・該当する違反は、生命倫理に関連する深刻な問題を含んでいます。
・この違反は意図的なものであったと判明しています。
・問題が発生したのは、IVF-Dの胚移植周期中で、妊娠が判明した後に違反が確認されました。
・IVF-Dは法整備がなく、現時点で国や学会から認められていない治療法であることから、法的枠組みがなく、問題の解決には相応の時間と協議が必要となっております。

本件を通して、子どもを望むという患者様の強い思いは、契約事項・子どもの福祉・他者の権利をも越えることがあるという事実を痛感しています。当院は今後、再発を防止するための施策を強化します。

【6】当院の精子提供による生殖補助医療について
「夫婦」「生まれる子ども」「ドナー」という異なる3つの当事者がいるということが、精子提供による生殖補助医療の構造を複雑にしています。3つの立場ごとの権利はしばしば相反し、3つの当事者の中の誰の権利をどのくらい優先するのかというバランスの決定は本来であれば法律の役割です。しかし、日本では、この課題に対する明確なバランスを21年にわたって確立できていないため、法律はなく、法案すら国会に提出されていません。

国が21年もこの難問を解決できない中、当院は自らの責任においてこの難問に対して「子どもの福祉を最優先する」というバランスを決定しガイドラインを作成して実施しました。しかし、重大なガイドライン違反が発生してしまいました。

再発防止を目的とする新しいガイドラインは、前回よりも厳格になっています。この定義は、「当院が考える子どもの福祉を最も重視した、当院の規模で実施可能なガイドライン」です。決して、これが唯一の正しいやり方だとは考えていません。

皆様へのお願いです。9月17日に開示される新ガイドラインをご確認の上、「当院のオープンな精子提供」にご賛同いただける夫婦のみ、治療にお進みください。ご賛同できないのに、手続きや治療へ進んでしまうと、必ずどこかで夫婦と当院の間に考え方のギャップが生まれ、夫婦は自分たちの考えが当院から否定されたと感じる可能性が高まります。当院としては、患者様の考えや価値観を否定する意図は一切ございません。各夫婦が持つ生殖医療に対する独自の考えや価値観は、十分に尊重されるべきだと考えております。

【7】新規AIDに関するお知らせ
①初診来院前の方は、最初に、AID・IVF-D勉強会にお申込みください。現在、9月、10月の勉強会は満席のため、11月の勉強会を受付中です。勉強会の参加は有料です。
https://aid11.peatix.com/view

②初診来院済みで、倫理委員会の承認前の方は、以下の2つの方法のいずれかで勉強会の視聴をしてください。
・9月28日(木)12:30~16:00のZoom視聴
・10月6日(金)から10日(火)までの5日間、アーカイブ動画での視聴
申し込みは、当院の診療予約システムの【説明会・勉強会】→【AID・IVF-D勉強会の視聴】をご予約ください。勉強会の視聴は無料です。

【8】新規IVF-Dに関するお知らせ
IVF-Dは、国や学会から認められていない治療です。当院は、再発防止を目的とした新ガイドラインを制定しますが、新しいガイドラインのもとでの新規IVF-Dの再開ができるのかどうかについては、現段階では未定です。学会からの意見を受け取った上で、IVF-Dの今後の方針について改めてお知らせいたします。10月中には一定の方向性はわかるのではないかと考えています。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

(2023年9月10日)

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