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D配信#37:【重要】今後のIVF-Dについて

■本メールは重要です。精子提供の生殖補助医療をうける【全てのご夫婦】がお読みください。また、本日はもう1通「D配信#38」も配信します。こちらは、新規IVF-Dに関するお知らせのため、必要な方だけお読みください。

【1】日本産科婦人科学会の回答
【2】ガイドライン違反
【3】ドナーの深刻な状況
【4】11月3日(金)から胚移植当日の夫の意思確認方法を変えます
【5】現在IVF-Dを受けている夫婦への再発防止策
【6】当院におけるIVF-Dの終了について

【1】日本産科婦人科学会の回答
当院は日本産科婦人科学会に対して、6月に重大なガイドラインの発生報告、9月に再発防止策の報告をしたことは、これまでにお伝えした通りです。学会は、ガイドライン違反に関する報告の受領はありました。しかし、IVF-Dに関しては、以前と同様に承認は出来ないという回答でした。また今回起きたガイドライン違反は学会にも重大な件として捉えられております。しかしながら、当院は本日より新規IVF-Dを再開いたします。今後も当院は、国や学会の後ろ盾のないまま独自のガイドラインに基づいてIVF-Dを実施することとなります。新規IVF-D再開に関するお知らせは、本日この後に配信する「D配信#38」をご覧ください。

【2】ガイドライン違反
これまでのガイドライン違反は、報道のあった夫死後の移植以外にも複数あります。
具体的には、
・妊娠卒業後面談の拒否
・精子提供者の周辺情報の受取拒否
・両親が告知に反対のため子どもに告知できないこと
・IVF-Dの3ヶ月ルール違反
がありました。当院は、表面化した問題そのものよりも、なぜそれが発生してしまうのかという要因について検討を重ねた上で、新ガイドラインを制定しました。

【3】ドナーの深刻な状況
現在、ガイドライン違反とは直接関係していないドナーの方々の不安がIVF-Dを進める上で一番の問題となっています。ドナー辞退の申し出が複数あり、既にIVF-Dに使用し凍結胚の状態にある場合には対処のしようがありません。ドナーが望まない状況で子どもが生まれることは避けたいことであり、ドナーの不安や不信感は、将来子どもが接触したいと願った時への対応にも関係してくるため、非常に重要な問題です。当院は、ドナーやドナー家族の訴えを理解し、少しでも不安を解消するために、「胚移植当日の夫の意思確認」の方法は、「eKYC(オンライン本人確認)」を導入することとし現在準備をしています。導入までに約1か月半かかるため、その間の胚移植当日の夫の意思確認は、以下の通りとします。

【4】11月3日(金)から胚移植当日の夫の意思確認方法を変えます
大変急なお願いになることは承知していますが、ドナーが少しでも安心でき、また、夫死後の胚移植や、夫が同意していない胚移植を絶対に防止するために、11月3日(金)の胚移植から約1か月半の間、胚移植当日の夫の意思確認方法は、現在の電話確認に加えて、「夫の来院」か「写真のメール送信」を追加します。詳しくは、以下のPDFをご覧ください。(現時点で胚移植が決定しているご夫婦にはご連絡済みです)

▼11月3日(金)以降の胚移植当日の夫意思確認方法
https://www.haramedical.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/12/ET_ishikakunin.pdf

【5】現在IVF-Dを受けている夫婦への再発防止策
新規でIVF-Dを開始するご夫婦は、ガイドラインのチェックポイントが増え、今後新規IVF-D審査基準は厳格化されます。しかし、治療段階が「現在IVF-Dを受けているご夫婦」においては、新ガイドラインのチェックポイントが機能しにくいため、これに代わる審査を別途設けさせていただきます。
①2023年11月1日現在、IVF-Dの治療をしている夫婦は、「IVF-D継続のための審査申請書」を提出してください。10月31日以前に当院で行ったhCG検査にて妊娠陽性判定済みの場合は対象ではありません。
②申請書は、「夫婦がそれぞれに1部ずつ」記入し、11月30日までに提出してください。提出方法は、来院か、配達記録が残る送付方法でお願いします。
③IVF-D継続のための審査結果は、本書提出から(書類到着日から)21日以内にメールにてお知らせします。結果までの間、治療が中断されることはありません。審査の結果、カウンセリングや面談が必要と判断した場合は、その時点で一度治療は中断します。審査の結果、IVF-Dは終了とする場合があります。精子提供による生殖補助医療の同意書44項の通りです。

▼IVF-D継続のための審査申請書
https://www.haramedical.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/12/ivfd_keizoku.pdf

【6】当院におけるIVF-Dの終了について
もし、今後、本治療の根幹を揺らがすようなガイドライン違反が生じた場合には、当院は新規IVF-Dだけでなく、進行中のIVF-Dも、凍結胚のある方のIVF-Dもすべて実施することはできません。これは、連帯責任をとらせるということではありません。当院は、ガイドライン違反を繰り返す治療を国や学会などの後ろ盾がない中で、続けることはできないからです。本治療は、夫婦・子ども・ドナー・医療機関を巻き込みます。すべての当事者がルールを守り、倫理観のもと実施することが出来ない治療を続けていくことはできません。

▼精子提供による生殖補助医療のガイドラインは以下の通り
https://www.haramedical.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/12/guidelines_d.pdf

ご不明点などございましたら、遠慮なくお電話にてお問合せください。

(2023年11月1日)

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