D配信#54:法案について、現時点での変更はない、IVF-Dの要件変更について、日本生殖心理学会の講演
2月5日、特定生殖補助医療法案が参議院に提出されました。今国会で審議される予定です。議員立法のため、成立の可能性が高いと考えられますが、一部の政党は慎重な議論を求めており、今後の国会での審議が重要となります。
(目次)
【1】法案について
【2】現時点での変更はない
【3】IVF-Dの要件変更について
【4】日本生殖心理学会の講演
【1】法案について
法案が成立すると、夫婦・子ども・ドナー・医療機関にどのような影響があるのか?、法律成立後に内閣府令によって決まる内容について、以下の記事に詳しい解説を記載しましたのでご覧ください。
↓法律のポイントを徹底解説
https://www.haramedical.or.jp/column/staff/houan.html
【2】現時点での変更はない
法案が国会に提出された現段階では、AID・IVF-Dともに当院の治療に影響はなく、運用に変更はありません。 これまで通りの対応となります。
【3】IVF-Dの要件変更について
法律が成立すると、当院が実施している「非匿名ドナーによる治療」は法的に継続できなくなるため、18歳になった子とドナーの接触要件はなくなります。
適用基準は、「子の権利が確立された日」によって変わります。
「子の権利が確立された日」とは、胚移植後の、①胎嚢確認日(臨床妊娠)または②出産日のいずれかになる可能性が高いです。(第二子治療の場合は、第二子における胚移植後の①または②)
例えば、要件変更がX年X月X日から実施される場合、X年X月X日前日の23時59分までに、①または②が確認された場合には、現行のガイドラインが適用されるため、子とドナーの接触要件は担保されます。
この要件変更の実施時期は、法律成立後に決まる細かい規則を確認した上で、法律の専門家と慎重に検討して決定します。詳細が決まり次第、メールでお知らせしますので、ご理解をお願いいたします。
【4】日本生殖心理学会の講演
本日、第22回日本生殖心理学会が開催され、臨床心理士・公認心理師の戸田さやかが発表した「精子ドナー分析」が優秀賞を受賞しました。
法案が施行されれば、精子ドナーの募集が法律のもとで行われ、統一されたスクリーニング基準が必要となると考えられます。 そのため、当院で行っているドナーのスクリーニングについて、方法やドナー希望者にはどのような特徴があるかを発表しました。
(2025年2月16日)