体外受精の妊娠確認後は自由診療、助成金書類の作成依頼、PGT-A(着床前診断)No.189
目次
【1】体外受精の妊娠確認後は自由診療となります
【2】助成金書類の作成依頼について
【3】PGT-A(着床前診断)について
【1】体外受精の妊娠確認後は自由診療となります
厚生労働省の指導により、体外受精で妊娠が確認された後の診察やお薬は、今後すべて自由診療となります。保険診療から自由診療への移行日は、「胎嚢(赤ちゃんの袋)が超音波で確認された日」です。
<具体的な内容>
●胚移植後1回目のhCG採血:保険診療(変更なし)
●2回目のhCG採血:変更あり
・この日に胎嚢が確認された場合はこの日の診察・投薬を含めてすべて自由診療となります。
・胎嚢が確認されなかった場合は保険診療が続きます。
●妊娠確認日以降はご卒業までの診察・投薬は自由診療です。
●妊娠後でも不妊治療以外の病気に関するお薬は保険適用となる場合があります。
●妊娠後のご流産は診察・処置など保険診療になります。
<実施日>
この変更は、3月1日から適用されます。
ご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
【2】助成金書類の作成依頼について
(締切日:2月28日)
治療終了日が令和6年4月1日から令和6年12月31日に該当する助成金の申請期限は、令和7年3月31日までです。
この時期は助成金書類の作成依頼が集中するため、当院への書類作成依頼の締切日は令和7年2月28日(金)までです。
●助成金書類の作成について
作成期間は通常3週間ですが、申し込みが集中すると最大4週間かかる場合があります。余裕をもって早めの申請をお願いいたします。
●自治体ごとの申請期限について
助成金の申請期限や規定は自治体ごとに異なります。自治体によっては、年度内(令和6年4月1日から令和6年3月31日)の治療分すべての締切を令和7年3月31日と設定している場合もあります。必ずご自身の自治体の締切日を確認し、余裕をもってお手続きください。
※助成金の内容やルールは自治体により異なります。不明な点がある場合は、ご自身で各自治体にお問い合わせください。
↓助成金書類作成依頼はこちらの目次3https://www.haramedical.or.jp/price/treatment-subsidy
【3】PGT-A(着床前診断)について
胚移植がうまくいかない原因の多くは、胚(受精卵)の染色体異常にあると考えられています。
ヒトの胚は、精子と卵子からそれぞれ23本ずつ染色体を受け取り、合計46本の染色体を持つことで妊娠・出産に至ります。
しかし、女性の年齢などの影響で、卵子の染色体の本数が22本以下または24本以上になることがあり、その結果、受精後の胚の染色体数が46本ではない異常が生じることがあります。精子に要因がある場合もあります。
染色体異常がある胚は、受精しなかったり、胚盤胞まで成長しないことが多いですが、一部は胚盤胞になります。しかし、染色体数が46本ではない胚は、着床しないか、妊娠しても流産するといった可能性が高くなり、健康な赤ちゃんの出産にはつながりません。
●PGT-Aとは
PGT-A(着床前診断)は、移植前に胚の染色体の数を調べる検査です。
胚盤胞の一部の細胞を取り出して染色体を調べる自由診療の検査で、以下の方が対象になります。
・2回以上の胚移植不成功
・2回以上の流産
●費用と適用について
・PGT-Aは保険適用外のため、検査費用や、PGT-Aを行うための採卵から胚移植まで、すべてが自由診療になります。
・保険診療可能な胚移植回数が終了し、余剰胚に対してPGT-Aをする場合は、採卵や胚凍結までは保険適用でしたが、凍結胚へのPGT-A以降は自由診療となります。
●PGT-Aのメリットとリスク
・染色体異常のない胚を優先的に移植できるため、妊娠までの時間短縮や流産の防止につながる可能性があります。
・一方で、PGT-Aには検査の限界があり、すべての方に有効なわけではありません。また、検査を行うことでリスクを伴う場合もあります。
以下に、PGT-Aに関する院長:宮崎の記事を掲載します。PGT-Aについて詳しく知りたい方はご参照ください。
↓①PGT-Aの適応と有効性https://note.com/haramedical/n/n99f65f29ee14
↓②35歳以上におけるPGT-Aの意義https://note.com/haramedical/n/ne656978e0c21
↓③35歳未満におけるPGT-Aのメリット・デメリットhttps://note.com/haramedical/n/n0e381beb361a
↓④PGT-Aのリスクhttps://note.com/haramedical/n/nfe5d15ef36f1
寒い日もありますが、暖かい日には花粉が飛び始めました。
花粉症の薬ですが、点眼薬、点鼻薬は妊娠の可能性がある期間でも安心してお使いいただけます。点眼薬や点鼻薬で症状改善がなければ内服薬の使用も可能です。内服薬については、特にクラリチン、デザレックスが安心です。他には、ザイザル、ジルテック、ポララミンも使用可能です。それ以外の内服薬を使用する場合は、診察にて医師にご確認ください。
(2025年2月23日)