不妊症・男性不妊・人工授精・体外受精・胚移植・AID・精子バンク等の不妊治療・不妊専門クリニック。
スタッフコラム・ブログ

採卵後の説明と副作用

こんにちは。
朝と昼の温度差があり、体調管理が難しい季節になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
本日のコラムは培養部が担当させて頂きます。
体外受精の採卵後、午前中のお休みの間に私達培養部がみなさまのお部屋に伺い、卵や精子の状態についてお話させていただいております。
その時、採卵決定時のエストロゲン値が1500pg/ml以上の方、採卵数が6個以上の方には新鮮胚移植ではなく、全胚凍結をおすすめしています。それは、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という副作用の危険があるからです。
OHSSは排卵誘発剤にhCGを使うことによって複数個の卵が育つことにより起こります。最初の症状は下腹部痛及び腹部膨満感です。さらに様々な症状が出てきます。血管の透過性が大きくなり、血液中の水分が血管の外に出て、その水分が胸やお腹に溜まってしまうと、下腹部痛だけでなく腹部腫大や呼吸困難を引き起こします。重症化してしまうと、血液中の水分がないことによって尿が出にくくなり、腎不全になってしまったり、血液が濃縮することによって血栓ができて、それが脳や肺に詰まってしまうと脳血栓症・肺血栓症などを引き起こしてしまいます。
当院では、採卵後にOHSS予防のためのお注射をうつ方もいらっしゃいます。この方法は、院長が研究会で発表し、評価をいただいている方法です。
移植を1周期延期するのは遠回りに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、妊娠にベストな状態で移植をした方が妊娠率も上がります。
みなさまが安心・安全に妊娠できるように院長・スタッフ一同努力しておりますので、不安なことなどがございましたら、お気軽にお声かけください。
採卵および移植は体調が結果を左右いたしますので、くれぐれも風邪など引かぬようお体ご自愛ください。

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