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「何歳までに不妊治療をはじめれば妊娠できますか」というご相談【治療相談室より】

マネージャーの関口です。「治療相談室」を担当しています。
治療相談室は、まだ当院には通っていない方が医師の初診を受ける前の段階で不明点を解消されたい場合の相談窓口です。

本日は「何歳までに不妊治療をはじめれば妊娠できますか」というご相談についてです。

これから不妊治療をはじめるのか、それとも、もう少し自分たちなりの妊活を続けてみるのか。
これについて悩んでいるカップルに多い背景としては、ご自分たちなりに排卵日に合わせて性交渉をしているが半年以上経っても妊娠しないので相談にいらしゃる方が多いです。

ご相談に際して、お二人それぞれの状態を検査してから来てくださる方が多く、そのお陰で具体的なお話ができます。不妊治療はまだ先でも検査は早めにしておいた方がよいので、検査がまだの方は「男性側の検査」「女性側の検査」を受けてみてください。東京都の方は最大5万円の助成を受けられますので実質0円で検査ができます。

さて、この検査結果。すべて正常であることも多いです。
これは、不妊原因がないのではなく、なんらかの不妊原因はあるのですが、それを特定できるほど細かい検査がまだ今の医学でもできないため原因不明不妊として診断されてしまうからです。

そのようなケースでの患者様の反応としては、ひとまず大きな原因がないことには安心される方が多いです。そして、原因不明となるといよいよ自分たちは不妊治療をした方がいいのか、しなくてもよいのかという判断が難しくなるようです。

そして「何歳までに不妊治療をはじめれば妊娠できますか?」という展開になります。

ご相談者様が何歳までに不妊治療をはじめれば妊娠できるのかについては、正直誰にもわかりません。ただし、不妊治療をした方の累積妊娠率(最終的に治療者のどのくらいの人が妊娠・出産できるのか)から算出された、不妊治療のはじめ時の参考データをお示しすることはできます。それがこちらです。

これは、元国立生育医療研究センター、現梅が丘産婦人科ARTセンター長の齊藤英和先生が発表された論文を患者様にわかりやすくされたものです。(齊藤先生は学会でのご講演も多く、いつも大変勉強させていただいております。ありがとうございます。)

この資料では、不妊治療のはじめ時を、「どのくらいお子様がほしい気持ちが強いのか」と「何人のお子様を希望されているか」によって知ることができます。

◎子供1人はどうしても欲しい場合、自然妊娠にこだわるのであれば32歳までにはじめましょう。体外受精であれば36歳からはじめても授かる可能性は高いとという理解になります。

◎できれば、子供は2人いればよいなと思っているのであれば、自然妊娠であれば34歳までに、体外受精であれば35歳までにはじめましょう。となります。

これを見ると、一般的に考えられている年齢よりも少し早めにはじめることが大切に感じます。

ご夫婦でこちらの資料を参考に、今後についてお話をされてみてください。

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