1年で一番暑いこの季節。真夏の日差しがぎらぎらと照りつける日が続いております。
お暑い中、クリニック・サロンにお越し頂きありがとうございます。
サロンにお越し頂いている患者様の中でも”夏バテ”の方が多く今回のコラムは夏バテを東洋医学からの視点で書かせて頂きたいと思います。
自律神経
夏バテはどうして起こるのでしょうか。
人間の体は自律神経によってさまざまな環境の変化にも体を一定に保たれています。
しかし、私たちの生活環境は自律神経の働きをにぶくさせていることが多いといえます。例えば、夏は冷房、冬は暖房といったような快適な生活は自律神経の働きを悪くさせます。その結果暑い夏に体が適応できず、夏バテになりやすいといえます。
冷房は快適だけど・・・
冷房のあたりすぎは、体温が下がり血管を収縮させます。その結果全身の血行が悪くなります。このような状態を冷房病といいます。特に温度差の激しい場所の出入りは自律神経失調を引き起こすこともあるので注意が必要です。オフィスで働く女性や乳幼児、高齢者はなりやすいので気をつけましょう。
(対策)
*外気との温度差を7度以内にする。
*冷房の際は室温を27~28度にする。
*冷気を直接肌にあてない。
また予防策としてぬるめのお風呂に入ってマッサージなどをして血行を良くするとよいでしょう。
暑い夏の食事
*汗を出すにはエネルギーが必要*
暑さで体温が上がると汗を出すことで、体温を下げよとするのです。
こうして血管が広がり血液が多く流れるようになると心臓は心拍数を増やして対応します。心臓は普段よりも働かなければならず、エネルギーを余計に使います。エネルギーは汗を出すのに欠かせないのです。
*エネルギーを消費するためにはビタミンB*
人間のからだは糖質や脂肪を燃やしてエネルギーをつくります。エネルギーを燃焼させるときに必要なのがビタミンB群です。
暑すぎると食欲が落ちてそうめんや果物などの糖質ばかり摂ってしまいがちです。そのためにビタミンB群が不足し、エネルギーが作りづらくなります。普段よりも多くエネルギーが必要なのにそれがまかなえない為にバテるというわけです。
*旬の食材を食卓へ*
その季節に出回る旬の食材は、その時期に身体に合った食材食材が豊富です。
例えばきゅうり・トマトなどの野菜は体の熱さを下げる効果があります。
夏バテ解消の食材の代表といえばなんといってもうなぎです。うなぎはビタミンA・Bやタンパク質・カリウム・リン・ナトリウムのどをバランスよく含んでいます。ある時はうな丼ある時はうなぎ寿司といったように夏は3日に1度はうなぎを食べると理想的です。
*温かいスープ*
食欲がないからといって、冷たい飲み物やおかずなしの麺類ばかりを摂っていると胃液が薄くなりますます食欲が落ちます。
しかし体がだるい時、あれこれ料理を作るのも面倒なものです。そんな時は、温かいスープの献立はいかがでしょうか。
一つの鍋に、いくつかの野菜と、肉、魚、豆腐のなど、タンパク質の食材と組み合わせて入れ、一緒に煮てしまいます。
温かいスープは疲れた胃にやさしく働き、柔らかく煮込むと消化力の落ちた人でも勧められます。
*冷たい物ばかり摂らない
*ビタミンB群(うなぎ・豚肉・レバー・ライ麦パンなど)をとって疲れにくくする
*バランスのよい食事を心がける
東洋医学的診方
冷房や冷たい飲み物・食べ物の摂り過ぎによる体の冷え、汗をかかないなどの不自然な生活は、体内の自然のリズムを狂わせ、夏バテの原因になります。症状はさまざまですが、夏バテのタイプは3つあります。
①気虚(ききょ)
暑さによって体力が消耗したために、力が出ない状態。
主な症状―食欲低下・元気がでない・だるい・めまいなど。夏風邪を引きやすいのもこのタイプです。
撃退法―高タンパク質で栄養バランスの取れた食事を1日3回きちんと摂って、十分睡眠を取りましょう。
②陰虚(いんきょ)
汗など体内の水分を失い脱水症状に近い状態。
主な症状―口が渇く・手足がほてる・のぼせなどの症状があり、イライラ、食欲不振、頭痛などが起こります。
撃退法―炎天下での運動は避け、運動前と後に十分に水分を補いましょう。そして栄養価の高いスープなどで水分と栄養を補給しましょう。
③湿邪(しつじゃ)
冷たい飲み物や食べ物をとりすぎて胃腸の消化吸収や水分代謝が悪いことが原因です。また冷房によって新陳代謝が悪くなり、体内に悪い水分がたまり、夏太りの大きな要因となります。
主な症状―だるい・むくみ・下痢などがあります。
撃退法―適度な運動で汗をかき、体を温めましょう。
ツボのご紹介:お灸で刺激するとより効果的です。指圧は、1押7~10回程度行うとよいです。
陰陵泉(いんりょうせん)
場所・・・すねの骨の内側を指で膝に向けて触ってゆきます。膝の下で指の止まるところ。
効果・・・胃腸疾患・食欲不振など
今年の暑い夏もなんとか工夫して乗り切りましょう!