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体外受精における受精方法④【培養部より】

こんにちは培養部です。
昨年からご紹介してきました「体外受精における受精方法」ですが今回で5回目!
シリーズ最後のコラムとなります。

最後は「スプリットICSI」についてご紹介いたします。

※過去コラムは以下よりご覧ください。
シリーズ1 「コンベンショナルIVF」は ☞こちら
シリーズ2 「顕微授精(ICSI)」は ☞こちら
シリーズ3 「Piezo-ICSI」は ☞こちら
シリーズ4 「レスキュー-ICSI」は ☞こちら

~当院の受精方法~

  • コンベンショナルIVF(体外受精)
  • 顕微授精(ICSI
  • Piezo-ICSI
  • レスキューICSI
  • スプリットICSI 👈

<スプリットICSIとは>
スプリットICSIは採取卵子を2つのグループに分けて、コンベンショナルIVFとICSIの両方を同時に実施する方法です。

 

<メリット・デメリット>

メリット

・コンベンショナルIVFとICSIの両方を試し、最適の受精方法を検討することができる。
初めて体外受精を行う場合、どの受精方法が自分に合っているのか判断が難しいと思います。より自然に近いIVFを行ってみたいが「もし受精障害があったら…」「多精子受精がたくさん出てしまったら…」といった不安が出てくると思います。
そういった場合に、ICSIで受精卵の獲得率を高めつつ、コンベンショナルIVFを試すことができます。

デメリット

・十分にコンベンショナルIVFで受精できる卵子に対してICSIを行ってしまう。
本来顕微授精は、コンベンショナルIVFで受精が難しい場合に適応となります。
スプリットICSIでは本来必要ではない、コンベンショナルIVFで十分に受精する卵子にも顕微授精を行ってしまう可能性があります。

・費用が高くなる

・レスキューICSIは併用不可


スプリットICSIの最も重要な役割としては完全受精障害の回避です。
完全受精障害は1%の方に見られ、卵子・精子所見共に良好に見受けられるのに、全く受精の反応が起きず、受精卵が獲得できないというのが完全受精障害です。
いくつかある理由の一つとして、精子が透明帯を通過できず、卵細胞質まで到達できない、というものがあります。この場合には顕微授精を実施することで改善できます。
また、完全受精障害の回避としてはレスキューICSIも挙げられます。
スプリットICSIとレスキューICSI、それぞれのメリット・デメリットを考慮してご選択いただきたいと思います。

ここまで体外受精の受精方法についてご紹介いたしましたが、これだけでは分からないことも多いと思います。
採卵当日の手術後、各患者様の個室に培養士が説明に参ります。その際、過去の情報や、当日の卵子と精子の状態を交えて、受精方法についてご説明・ご相談させていただきますのでご安心ください。

また、当院では「培養士振り返り相談」(1採卵につき1回無料)というサポートもあります。採卵・培養を行ってみて、受精方法は自分に合っていたのか、培養中の胚の状態はどうだったのか、他にも凍結胚をどのように戻したらいいのか、など相談できますのでこちらも活用していただければと思います。

これにてシリーズ終了となります。また新しいコラムをお届けいたしますので、少しでも皆様のお力になれればと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

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