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妊活は何から始めたらいい?妊娠しやすいタイミングや体づくりのポイントを解説

妊活を始めたいけど、何から始めたらいいかわからない人も多いのではないでしょうか。夫婦で妊活をしようと決めたら、まず行なうべきことや、妊娠に向けてどのような工夫を取り入れていけばいいのかを確認しましょう。

この記事では、妊活の始め方や妊娠しやすいタイミング、妊活中の体づくりのポイントを解説します。正しい方法を知り、夫婦ともに穏やかな気持ちで妊活に取り組んでいきましょう。

妊活とは?

妊活とは、妊娠に向けた活動のことです。夫婦で体調や生活習慣を整えて妊娠しやすい環境をつくり、妊娠のための準備をしていきます。

具体的な活動としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 夫婦で子どもについて話し合う
  • 妊娠しやすいように食事や生活習慣を改善する
  • 妊娠しやすいタイミングで性交渉をする
  • 婦人科を受診する(できれば不妊治療専門施設)

妊活において医療機関を受診するのは、夫婦の健康状態をチェックすることが目的のためです。不妊原因は男女どちらにも考えられることですので、女性側の検査(採血・超音波等)と男性側の検査(精子検査等)を同時に受けられる不妊治療専門施設を受診することをおすすめします。検査では、そもそも自然妊娠が可能かどうか、妊娠に影響をおよぼす病気にかかっていないかなどを調べることができます。

また、日本産科婦人科学会によると、妊娠を希望している健康な男女が避妊しないで性交しているにも関わらず、1年以上妊娠が見られない場合、不妊に当てはまります。

「不妊かもしれない」と感じたときは不妊治療専門施設を受診し、必要であれば不妊治療を行ないましょう。不妊治療の検査内容や検査の流れを詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。

関連記事:不妊治療の検査の流れや費用や検査項目について

なかには自然な流れで赤ちゃんを授かるケースもあるため、妊活が必要ない方もいるでしょう。

一般的に、健康状態に問題がない20代の男女が妊娠を希望して避妊なしの性交渉をした場合、妊娠の確率は3050%といわれています。ただし、女性は30代になると妊娠の可能性が低下していき、近年は男性側の不妊症なども知られています。

夫婦で赤ちゃんを希望する際は妊活を始めることでお互いの健康状態を知り、生活習慣を見直すことにもつながります。加齢によるリスクを増大させないためにも、「赤ちゃんが欲しい」と思ったタイミングで妊活を始めるとよいでしょう。

妊活したい……何から始めたらいい?

妊活について夫婦間で認識の差が生じていたり、正しい方法を把握できていなかったりすると希望するタイミングでの妊娠を望めません。これから妊活を行なう方は、何から始めればいいのかを知っておきましょう。

以下では、妊活の基本的な流れを紹介します。

1.夫婦で妊娠に向けて話し合う

妊活は夫婦どちらかが頑張るのではなく、二人で取り組むものです。まずは夫婦で妊娠に向けて話し合いましょう。妊娠前から夫婦間の意識を共有することで団結感や責任感が生まれ、二人で協力していく姿勢を保てます。

以下を参考に、お互いの気になる点や将来に向けた気持ちを共有しておきましょう。

  • いつ頃子どもが欲しいのか
  • 子どもは何人欲しいのか
  • 不妊治療をする場合は何歳まで続けるか
  • 出産後のプラン(仕事、育休、マイホームの購入など)

2.生理周期と基礎体温をチェック

妊活するには、妊娠しやすいタイミングの指標となる生理周期と基礎体温のチェックが欠かせません。

生理周期とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数のことです。一般的な生理周期は2538日で、この期間に「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」のサイクルがあります。

基礎体温とは安静時の体温を指し、自分で測る場合は起床後すぐに測る方法が基本です。基礎体温を記録していくと、体の変化や排卵日など妊活に重要な要素を知ることができます。基礎体温は毎日決まった時間に測り、続けやすい方法で記録をつけましょう。手書きで記入できる基礎体温表のほか、近年は基礎体温を記録・管理できるスマートフォンアプリなども活用できます。

3.不妊治療専門施設で子宮や卵巣の状態を確認

妊活を行なう際は、医療機関で検査を受けましょう。不妊治療専門施設で検査を受けると、妊活に欠かせない以下のようなことを確認できます。

  • 女性側(子宮、卵巣、卵管、感染症、甲状腺)の状態
  • 男性側(精子、感染症)の状態
  • 疾患の有無
  • その他不妊の原因(セックスレス、射精障害など)

受診の際は、複数回の通院で医師による問診と検査が行なわれます。

初診の問診時は妊娠を望んでからの不妊期間、月経周期、生理痛の有無、既往歴など、今後の治療で留意しておくべき情報を確認します。問診後の検査では超音波検査や内診、血液検査などから体の状態を確認しましょう。

【(例)当院の初診の流れ】]
1.Web問診で必要事項を入力・送信
2.初診日、事前に答えた問診内容と今後希望する治療の流れを確認
3.その後、超音波検査による内診で子宮と卵巣の状態を確認
4.診察後、採血と精子検査を実施

不妊治療専門施設では、検査だけでなく妊活の相談も可能です。妊活や妊娠に関する悩み、性交渉のタイミングなどについて具体的なアドバイスを受け、夫婦に合った妊活プランを計画していきましょう。

一口に妊活といっても、自然に任せるものもあれば、医師の指示を仰ぐものまでさまざまです。「早く子どもが欲しい」「自分たちに合った方法が知りたい」という方は、一度不妊治療専門施設へ来院することをおすすめします。

女性側だけでなく男性側も検査を忘れずに

妊活を始める際は女性だけでなく男性も検査を受け、男性不妊でないことを確認しましょう。

女性側で基礎体温や生理周期の管理を行ない、妊娠にベストなタイミングを計っていても、精子や精巣機能に問題があれば妊娠の確率は低くなります。

男性側の検査を行なっている医療機関では精子の数や運動量を検査し、自然妊娠が可能な精子か、又は人工授精や体外受精を必要とするのかどうかを調べることができます。

医療機関によっては男性側の精密な検査がない場合もあるため、妊活に向けた検査は生殖医療専門医がいる不妊治療専門施設がおすすめです。

関連記事:【不妊治療】病院の選び方のポイント7つ|治療を始めるタイミングは?

妊娠しやすいタイミングについて

妊活をするうえで大切となるのが、妊娠しやすいタイミングで性交渉の機会をもつことです。妊娠の可能性が高まる時期になるべく多くトライできるように、ベストなタイミングを夫婦で把握しておきましょう。

妊娠の確率が高くなるのは排卵の1~2日前

妊娠の確率が高くなるのは、排卵日4日前~排卵日当日までの5日間といわれています。なかでも排卵日2日前と排卵日前日の2日間は妊娠の可能性が高いです。

自己流でタイミングを取るときは、排卵日が予想よりズレる可能性がありますので、排卵予想の2日前に性交渉をもってください。あるいは、医療機関でタイミング法をする場合は、超音波検査で排卵日を予想しているためズレは起こりにくいことから、ベストなタイミングとして「排卵日前日」をお伝えしています。

<妊娠の確率が高くなる時期>

排卵期
排卵日3日前 排卵日2日前 排卵日前日 排卵日 排卵日翌日
×

自己流でタイミングを取るとき、排卵日の予想として最も信頼性が高いのは「排卵検査薬」の使用です。薬局で販売しているのでこれを上手に取り入れましょう。

最近はスマートフォンアプリで排卵日予想をしている方も多いです。アプリの排卵日予想は多くの他人のデータから割り出した平均値のようなものです。月経周期が30日前後の方であれば、ある程度は信頼できるデータです。

しかし、月経周期が26日以下、35日以上の場合は信頼性が低いため、あまりあてになりらない可能性があります。

また、排卵日が訪れると以下のような体の変化が見られる場合があります。性交渉のタイミングを計る際の参考にしてみましょう。

  • 基礎体温が低温期から高温期に移行してくる
  • おりものの質感が滑らかになり、量が増える
  • 排卵痛による腹痛や腰痛がある
  • 排卵日前後に排卵出血や卵巣出血が見られる

女性に排卵日が訪れるのは、基礎体温が低温期から高温期へ変わる頃です。低温期は月経開始から卵胞期まで続き、排卵日が訪れると高温期に入って基礎体温に上昇が見られるでしょう。

基礎体温を数カ月分記録しておくと低温期と高温期の切り替わり時期(排卵日)を把握でき、性交渉のタイミングを狙いやすくなります。

男性側で女性の生理周期を把握するのが難しい場合は、女性側で生理周期や基礎体温を管理し、妊娠しやすいタイミングを夫婦間で伝えるようにしましょう。

また、性交渉により卵子が精子と受精できる時間はのため、妊娠しやすいタイミングでできる限り多くの回数にトライすると妊娠の確率が高まります。

関連記事:セックスレスが不妊治療にもたらす影響|原因や対処方法を紹介

タイミング法も視野に

生理周期や基礎体温をもとにした排卵日の予測はあくまで目安であり、狙ったタイミングに必ず排卵日が来るとはかぎりません。排卵日をより正確に狙うには、医療機関の検査をもとにしたタイミング法を検討しましょう。

タイミング法とは、超音波検査やホルモン検査の結果から排卵日の予測を行ない、医師の指示で性交渉のタイミングを持つ不妊治療の方法です。

タイミング法の具体的な流れや費用など詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。

関連記事:【不妊治療】タイミング療法について|全体の流れや費用、成功率を少しでも上げる方法を紹介

妊活中は妊娠に向けた健康な体づくりが大切

 妊活中は規則正しく穏やかに過ごし、心と体のバランスを整えることが大切です。ストレスや疲労が溜まっていたり、乱れた食生活で栄養に偏りがあったりすると、妊娠しやすい環境とはいえません。

妊活中にどのような生活を送ると良いのか、妊娠するうえで大切な健康な体づくりの方法を解説します。

ストレスを溜め込まないように心がける

ストレスは女性ホルモンの天敵のため、できるかぎりリラックスした生活を送りましょう。ストレスが増えると体内に活性酸素が増え、卵子や精子の酸化を招くといわれています。

男性の場合、慢性疲労によるストレスが精子をつくる能力に悪影響を与えることがわかっているため、疲労を溜めこまないように心がけましょう。

趣味や運動、人と話すなど、自分に合った方法でストレスを発散する時間を作ることが大切です。

冷え対策をする

冷えは万病の元といわれるように、妊活中も避けたいものの一つです。冷えにより体の血行が悪くなると卵巣に栄養や酸素が十分に行き届かず、卵巣機能が低下してしまいます。冷たい飲み物をよく飲む方や冷え性の方は、体を温める工夫を取り入れて冷え対策を行ないましょう。日常生活や食事では、以下のものを取り入れるとよいでしょう。

  • 入浴はシャワーで済まさず、ぬるま湯の湯船に半身浴で30分以上浸かる
  • 体を冷やさないグッズ(腹巻き、靴下、カイロなど)を活用する
  • 体を温める食材や飲み物(ごぼう、黒ごま、ショウガ、ハーブティーなど)を選ぶ

食生活の見直しをする

女性が一日に必要なカロリーは、20代で2,000kcal、です。健康な体づくりに欠かせないビタミンやミネラル、たんぱく質をバランス良く摂るように心がけましょう。朝食を抜いていたり外食が多かったりすると、体づくりに必要な栄養が不足しやすくなります。特に女性は葉酸やカルシウム、鉄分が不足しやすいため、積極的に摂取しましょう。

葉酸は赤ちゃんの脳や神経の発育にも関わる大切な栄養素です。大豆やホウレンソウ、レバーなどに多く含まれるため、これらの食材を妊娠前から意識して摂るとよいでしょう。

また、男性の生殖機能を健康に保つために亜鉛が良いことはよく知られていますが、亜鉛は男性だけでなく女性の生殖機能にも欠かせない栄養素です。

禁煙

喫煙すると男女ともに生殖機能が低下し、不妊の要因となります。妊娠後の喫煙は流産や早産のリスクを高め、出産後は赤ちゃんに受動喫煙の影響があります。妊活をする場合、男女ともにタバコの喫煙は避けましょう。

適度に運動をする

適度な運動を行なうと全身の血行が良くなり、肥満や生活習慣病の予防につながります。肥満や生活習慣病はホルモンバランスを乱すため、不妊の要因となります。

妊娠後は母体に負担がかかるため、運動で筋肉と体力をつけ、健康な体づくりを目指しましょう。運動はストレスの発散や気分のリフレッシュにも効果的です。
ウォーキングやストレッチ、家事の合間のスクワットなど、無理なく続けられる簡単な運動から始めてみましょう。

まとめ

妊活は夫婦二人で取り組むもので、「赤ちゃんが欲しい」と思ったときが始めるタイミングです。
自然な妊娠を望む妊活や不妊治療を行なう妊活などさまざまな形がありますが、何から始めたらいいのか迷ったときは将来について夫婦で話し合うことから始めましょう。

健康な体づくりは、妊活のベースとなる部分のため、お互いの協力が欠かせません。妊娠しやすいタイミングを正確に把握したい方、より成功しやすい妊活をしたい方は、夫婦で不妊治療専門施設へ相談することをおすすめします。

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