不妊症・男性不妊・人工授精・体外受精・胚移植・AID・精子バンク等の不妊治療・不妊専門クリニック。
プレスリリース

子どもの出自を知る権利を保障した第三者提供精子による 体外受精(IVF)の実施をはらメディカルクリニックが開始

生殖補助医療を提供している、はらメディカルクリニック(東京都渋谷区、院長:宮崎 薫、以下 同院)は、同院の精子バンクを利用し、生まれてくる子どもが自分の出自を知る権利を保障した、提供精子による体外受精(IVF-D)を2022年9月28日に実施したことを公表します。同じ提供精子を用いていながら、低い妊娠成功率の人工授精(AID)を何度も繰り返すほかなかった妊娠希望者へ、より合理的な治療が提供できることになります。

無精子症などの理由により妊娠にいたらない場合、第三者の提供精子を用いて妊娠を目指すこととなりますが、これまでは妊娠成功率が低い人工授精(AID)のみが行われており、体外受精(IVF-D)は提供されていませんでした。また、生まれてくる子どもが遺伝子上の父親のことを知ることができない、いわゆる「アイデンティティの崩壊」が発生する構造的な問題も未だ改善されておらず、近くの国会で審議が予定されています。その一方で、国の整備を待っていられない患者によるさまざまなリスクが想定されるSNSなどによるアンダーグラウンドな精子取引などが行われている現状を鑑み、同院としては政府への請願なども行いながら、同治療の提供を開始します。

今回の実施には、生まれてくる子どもが18歳以上になった時に、子どもとの接触に同意する非匿名の精子ドナーが必要になります。治療に使用する精子は繊密な審査が必要となるため、治療の安定的運用には母数となる一定数のドナー志願者が必要となります。これがボトルネックとなる可能性もありましたが、状況を理解した上で、同院の考えに賛同したドナーが多数集まり、今回の実施となりました。

■院長、宮崎 薫のコメント
2018年から準備し5年目、ようやくこの日を迎えることができました。第一号のご夫婦は、提供精子の人工授精(AID)を66回も行われた方でした。そのためにさまざまなものを犠牲にされてきたことは想像に難しくなく、今回の実施に至れたことに対し、医療提供者として一定の達成感を覚える面もあります。

提供精子を使用した治療において人工授精(AID)のみが提供され、体外受精(IVF-D)が提供されなかった期間はすでに21年を数えます。両治療の妊娠成功率は約7倍もの違いがありますので、この21年とは、体外受精(IVF-D)が提供されないばかりに、今回のご夫婦のように何回も人工授精(AID)を繰り返すほかなかった方々、さらにはそれでも妊娠ができず年齢的なリミットで治療をあきらめた方々が多数いらっしゃったことを意味します。大変な金額となる費用負担ももちろん、その方々の一度しかない人生の時間が失われたことになります。タイムマシーンに乗って過去に戻り、その方々を治療することはできません。私たちができることは、今より先の未来しかありません。こうしている今も、SNSなどによるアンダーグラウンドな精子取引をしている方々もいらっしゃいます。赤ちゃんの誕生を望む方々に、正しい治療が提供できることを、一介の医療従事者として強く希望します。

商号  : 医療法人社団暁慶会 はらメディカルクリニック
代表者 : 院長 宮崎 薫
所在地 : 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-8-10 巌ビル2F
設立  : 1993年6月
事業内容: 不妊治療専門クリニック
URL   : https://www.haramedical.or.jp/

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