不妊治療の終結を一緒に考える会 第9回開催レポート (6月8日(水)開催分)
【開催日時】2016年6月8日(水)18:45~20:15
【ゲスト】
♪ 一般社団法人MoLive(モリーヴ) 永森咲希 様(不妊カウンセラー/家族相談士/キャリア・コンサルタント)
♪ みちこさん(はらメディカルクリニック元患者様)
【ご参加頂いた方】
→ ご夫婦での参加・・・・・・・・・・・・14名(7組)
→ お一人での参加・・・・・・・・・・・・19名
====「司会」と「体験記」をお話しいただいた”一般社団法人MoLiveの永森咲希さん”からのレポート====
会の進行と共に、参加者のみなさんの緊張もほぐれ、お話し会の後半には「時間が足りない」「もっとお話ししたい」というご意見が出るほど、和やかな空気になりました。私のグループでは、「そんな風に思えていいですね。今私はそうは思えないんです」「今はそれでいいんじゃないですか。」「どうしたらそんな風に思えるんでしょう?」といったような患者さん同士のやりとりがあり、お互いの状況や考え方が異なったとしても、互いを尊重しながら、まさに”一緒に考える時間”を共有しました。帰り際に、「お話し会に参加してよかった」と仰ってくださる方が多く、この会の意義を改めて感じました。
今回はご夫婦の参加も目立ちました。不妊治療を始めることも終わりにすることも、パートナーと共に決断することになります。日頃は諸々の要因で夫婦間に温度差が生じたとしても、始めと終わりの節目については共に考え、その時間を共有するというプロセスが大事です。もっとご夫婦で気軽に参加いただけるといいなと思いました。
今回は、33名の方々がご参加くださいました。
プログラムの流れは下記の通りですが、体験談は、実際に「はらメディカルクリニック」に通院されながら終結を迎えられた方にもお願いし、2名の体験談を含みました。
1部
はじめに:終結をどんな風に捉えたらいいのか by 永森咲希
体験談-1: はらメディカルクリニックで終結を経験したみちこさん
体験談-2: 永森咲希
~休憩 レイアウト変更~
2部
3グループに別れてお話し会
おわりに
~会を振り返って~
当事者の体験談を聴く時間と、当事者同士が話しをする時間が一緒にプログラムされている会はなかなかありません。
こうした会に参加したことがない方は、「いったいどんな話を聴かされるの?」「はたして自分にとってためになる話なの?」とか、「初めての人となんて話せるかしら」「初対面の人と話して自分にどんなメリットがあるの?」等々、関心はお持ちだとしても、不安や懐疑心を持ちながら参加なさる方もいらっしゃるかもしれません。
とはいえ、9回目の開催となった今回の参加者は33名。これだけたくさんの方々が参加されたということは、「終わりにすることを考える」ことについて関心を持つ方々、また何らかのヒントを模索している方々が増えてきたように感じました。育ってきた環境も生き方も価値観も異なる他人同士ですが、不妊治療を受けながら親になることを目指している点では同じ当事者同士です。共感できることできないこと等、ご自身に重ねあわせながら考えてみることで何か見えてくるものがあるかもしれません。
次回の開催は12月14日(水)です。
また皆さまとお目にかかり、共に考える時間を持てたらと思います。
ありがとうございました。
(永森咲希)
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~事後アンケートのご紹介~
①これまでに終結に関して真剣に考えたことはありましたか?
考えたことは全くなかった(1)
頭をかすめる程度考えたことはがある(8)
あまり考えたくないが、自分なりに少し考えたことがある(8)
しばしば考える(13)
最近は真剣によく考える (2)
終結のことが頭から離れない(2)
無回答 (0)
②もしお子さんをあきらめなくてはならない状況になったとしたら、治療終結についてご自分なりに考え、そのことと向き合っていけそうですか?
はい(22)
いいえ(1)
無回答・わからない(3)
③終結に対する心の状態として、会に参加する前を3として、現在の不安や混乱の度合いを5段階で教えて下さい。
会に参加し不安や混乱は全く無くなった(0)
会に参加し不安や混乱はほとんど無くなった(1)
会に参加し不安や混乱は減った(10)
会に参加する前と不安や混乱の度合いは同じ(1)
参加する前よりも不安や混乱が増えた(1)
参加する前よりも不安や混乱がとても増えた(0)
④感想を聞かせてください。
<体験談について>
★ かんたんに終わらせられるものではないこと、きっと治療している人は少なからずみなさん同じなんだなと思いました。
★ 辛い経験をされた生の声が伺えて、自分と重ねて聞いていました。終結した方が周りにいないため、リアルに耳にひびきました。
★ とてもよい体験談を聞かせて頂き今後の自分のことに置きかえて考えてみようと思いました。
★ まだ具体的なイメージも出来ていない状況で聞かせていただいたのですが、経験されたお話はとても心にひびくものがありました。夫婦で孤独感にさいなまれないように、同じような経験をされている方がいるということをかみしめたいと思いました。
★ カウンセリングやおはなし会で気持ちを整理していかれたとのこと、とても参考になりました。自分も一人で悩まず色々な人に話してみるのも良いかもと思いました。
★ 似たような体験をしていて、みにつまされる思いでした。終結にむけた気持ちの変化、自身の気持ちにおりあいをつけていく過程がわかりやすかったです。
★ 段階をへてきていらっしゃるお話が私にとってアドバイスとなり、ためになりました。
★ やめた時の気持ちと今の気持ちの間の期間が聞けてよかったです。
★ 人生とこれからを考えさせられました。これからどう生きて、楽しむか考えていこうと思います。
★ 治療を終結させたあとでも欲しかったという思いは消えるものではないことを包み隠さずお話し頂けたことがよかったです。
★ 死生感のお話や治療をやめた後のすごし方など考えさせられる話が多く、大変ためになりました。
★ 心の底にある子供が欲しいという気持ちと、どう折り合いをつけていけばいいのか、実際に経験した方の話が聞けて、その時が来たら自分がどうすればいいのか思い描くことが出来ました。
<お話し会&全体を通して>
★ 終結を向かえる(考える)グループがあることがとても収穫となりました。
★ もっと終結を考える会の回数を増やしてほしいです。
★ 徐々に向き合うしかないという事が分かったことで安心しました。
★ 主人と2人きりでも十分幸せだと今でも思えているので、そのことをしっかり主人に伝えて、残りの人生をより濃いものにするべく新しいことにチャレンジしたいと思います。向き合うしかないんだと割り切ろうと思います。辛かったのは自分だけじゃないんだと。
★ 答えを出していかなければならないなと思いました。
★ 現段階では「わからない」としか言えないですね。
★ 以前より向き合える自分になってきました。
★ 二人の第二の人生を歩んでいけたらいいと思いました。
★ 限りある人生、二人の人生を考えないと思う。
★ どこかで区切りをつけることは大事だと思いました。夫婦で頑張っていきたいと思います。