不妊治療の終結を一緒に考える会 第11回開催レポート (6月7日(水)開催分)
【開催日時】2017年6月7日(水)18:45~20:15
【ゲスト】
一般社団法人MoLive(モリーヴ) 永森咲希 様(不妊カウンセラー/家族相談士/キャリア・コンサルタント)
みちこさん(はらメディカルクリニック元患者様)
【ご参加頂いた方】
→ ご夫婦での参加・・・・・・・・・・・・8名(4組)
→ お一人での参加・・・・・・・・・・・・16名
====「司会」と「体験記」をお話しいただいた”一般社団法人MoLiveの永森咲希さん”からのレポート====
子どもを願うすべてのご夫婦の望みが叶えられたらこんなに幸せなことはないですが、妊娠希望年齢が高齢化している現代では、いくら不妊治療をがんばったとしても、子どもをあきらめざるを得ない方々も多くいらっしゃいます。
なかなかできないからといってすぐにあきらめられる?あきらめたからといって、すぐ新しい人生に向けてリセットできる?
「どんなタイミングであきらめる決心をしたらいいかわからない」
「子どもがいない人生を受け入れられず、やめられない」
「他の人はあきらめることをどんな風に思っているんだろう?」
「あきらめた後、自分がどんな風に生きるのか、生きたらいいのかイメージが湧かない」
「他人の家族を羨んでしまいそう」
等々、あきらめることを考える際に、大きな葛藤や心理的負担を感じる患者さんが多いことがわかっています。
はらメディカルクリニックでは、どのような結果になっても、患者の皆さんには幸せな人生を歩んでもらいたいという願いがあります。そして、なかなかひとりでは考えられない終結について、どんな風に考えたらいいのか、まずはみなさんと共に考える場を提供しようということでこの会を開催しています。
今回も当院の臨床心理士の脇梨沙さんのソフトな司会のもと、下記のとおり進められました。
◆ 第1部:体験談発表
はじめに: by 脇梨沙さん
体験談-1: 「新しい日々のための最終章」 by 永森咲希
体験談-2: はらメディカルクリニックで終結を経験したみちこさんのお話し
不妊治療が成功し、妊娠・出産された方の話はしばしば耳にすることがありますが、不妊治療を終わりにして、子どもをあきらめた人の話というのはなかなか身近に聞ける場所がないということもあり、あきらめた人の体験談をプログラムしています。今回も、長年はらメディカルクリニックに通われ治療を終わりにされたみちこさんのお話しと、私、永森の話をお聴きいただいました。
お仕事帰りでお疲れの方もいらっしゃったと思いますが、小さく何度も頷かれた方、涙を流された方、暫し上を見上げた方、パートナーを気遣う方…etc. その様子はまちまちでしたが、みなさんの眼差しが痛く感じるほど、おひとりおひとり真剣にお聴きになっていらっしゃいました。
話しを聴いて自分なりにイメージすることができるようになったり、今後何を大事にしたらいいか気づいたり、自分を見つめ直すきかっけとして捉えたりと、それぞれの方が、自分自身に優しく問いかける有意義な時間になったようです。
~休憩 レイアウト変更~
◆ 第2部:お話し会
3グループに別れてお話し会
ちょうど6~7名のグループ3つでお話し会を進めましたが、今回は4組のご夫婦同士のグループもできました。ご夫婦でお話し会に参加される場合、ご夫婦揃って一緒に参加される場合と、別々のグループに入られる場合と2通りの参加の仕方がありますが、そのどちらの参加の形態でもみなさん「よかった」とおっしゃいます。共に参加される場合は、パートナーが日頃どんなことをどんな風に感じているのかがわかるという利点がありますし、別々のグループに参加される場合は、夫には(妻には)面と向かって聞けないことを聞いてみることができるという利点があります。
本来こうしたお話し会は1時間半から2時間という時間を使い、それぞれの方がじっくり話をしたり聞いたりするのですが、クリニック主催のこの会では、グループを体験したことのない方々に向けて、まずは体験していただくといったトライアル的な短い時間になっています。短い時間でありながらも、知らない方々同士だからこそ話せることがあるという雰囲気や、同じ体験をしている人たち同士の高い共感度などを感じていただけたようで、また参加したいという多くの声をいただきました。
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