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タイムラプスエンブリオモニタリングシステム

こんにちは。培養部です。 今回のコラムは当院で新たに導入した培養器Embryo scopeについてお話させて頂きます。 Embryo scopeは、従来の培養器と異なり、受精卵の成長する様子を動画で撮影する事が出来る最新式の培養器です。 培養コラム画像.jpg 通常、皆様からお預かりした受精卵は、温度や酸素、二酸化炭素の濃度を体内の環境に近付けた培養器の中で育てます。その受精卵の発育状況を毎朝培養士がチェックし、受精卵の形態的な評価を行っています。しかし受精卵が外気に曝されるリスクを最小限にするため、基本的には24時間に一度だけしか観察を行っていません。そのため観察と観察の間に受精卵にどのような変化が起こっているか、従来の方法ではわかりませんでした。 Embryo scopeを使い、受精卵撮影専用のカメラで受精後~胚盤胞になるまでの過程を撮影する事によって、受精卵に起こっている変化を詳細に捉える事が出来るようになります。具体的には、前核と呼ばれる卵子と精子由来の核が消える時間、受精卵の分割が同時に起こっているか、受精卵の発育スピードが正常だったのか、フラグメンテーション(受精卵の発育過程で生じる細胞質が断片化したもの)がいつ発生したのかなどを知ることが出来ます。注意していただきたい点として、Embryo scopeでわかるのは形態的な変化のみで、染色体異常の有無などがわかるわけではありません。 初期胚や胚盤胞が複数ある場合、動画から得られる情報を利用して、いずれの胚が移植に適した良好胚なのかを絞り込む事が出来、妊娠への近道になる可能性があります。 当院ではEmbryo scopeでの培養を希望される患者様に、名称をタイムラプスエンブリオモニタリングシステムとして、近日中にご案内を開始いたします。 適応は、①Embryo scopeでの培養を希望される方、②2回以上連続して胚盤胞まで発育しなかった方、③良好胚を移植したが妊娠が成立しなかった方とさせていただきます。ただし受け入れられる数に限りがございますので、複数申込があった場合には、大変申し訳ありませんが、採卵手術をされる患者様、先着順でご案内させて頂きます。 申込方法などの詳細につきましては、近日中にメールまたはホームページにてご案内いたします。
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