不妊症・男性不妊・人工授精・体外受精・胚移植・AID・精子バンク等の不妊治療・不妊専門クリニック。

培養室の環境について

こんにちは 培養部です。 梅雨も明けて暑い日が続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。 今回は皆様の胚をお預かりする培養室の環境についてお話しします。 体外受精は、卵巣刺激 ― 採卵 ― 媒精 ― 胚培養 ― 胚移植というステップで行います。培養室では、そのうち媒精、胚培養や胚凍結を行っております。そのため、卵子や精子に影響を与える可能性のあるものは徹底的に排除しなければなりません。卵子に影響を与えうる因子として、光、空気、気流、温度、湿度などがあります。これらの因子に対してどのような管理・対策をしているかご紹介します。 まず光についてです。培養室は細胞傷害性のある紫外線を避けるために、直射日光が入らないように遮光されています。また、紫外線を出す蛍光灯は使用せず、LEDライトを使用し、卵子にストレスを与えないようにしています。 次に空気ですが、培養室内の空気を清浄に保つために、入室する際には帽子とマスクを着用しエアシャワーを通り、外から埃などを持ち込まないようにしています。また、培養室内に外部からの細菌が侵入するのを防ぐために、高性能フィルター(HEPAフィルター)を通した換気を行い、培養室内を陽圧に保っています。 培養室では、空気清浄度の検査を行っています。その結果、クラス10,000 (米国連邦空気清浄度基準:1ft3 あたり0.5 μm以上の粒子が10,000個未満)であることが証明されています。これは手術室と同レベルの空気清浄度です。ちなみに、晴天時の外気はクラス1,000,000程度に相当するといわれているため、培養室がいかにきれいな環境であるかがお分かりいただけると思います。また、JISART (日本生殖補助医療標準化機関)の定める規定や東京都の特定不妊治療費助成指定医療機関の審査もクリアしています。 卵子に与える影響を少しでも減らすために、このような環境の中で皆様からお預かりしている卵子を培養しております。
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