終結の会を終えて【心理士より】
少し前ですが、昨年12月16日に、不任で悩む方々のサポートをされているMoliveの永森咲希さんをゲストにお迎えして「不妊終結を考える会」を行いましたので、報告したいと思います。
会には、50名ほどの参加があり、ご夫婦でも10組ほどご参加いただきました。
はじめに、今回ゲストとしてお招きした永森さんから、治療の終結に向けてどんなイメージを持ったらいいのか、また終結をどのようにとらえたらいいのかについてのお話をいただき、ご自身の体験談をお話しいただきました。また、もう一人のゲストとして、当院で治療を終結をされた卒業生の方から、治療の経験や終結を迎えたときの思い、今「終結」について考えていることをお話ししていただきました。
その後は、3つのグループに分かれ、皆さんの体験を共有する「お話会」の時間を30分ほど持ちました。参加された皆さんは、初めて会う方同士でしたが、「終結」について考えていることや思いだけでなく、ご夫婦間でのやり取り、そして、周りの方たちへの対応の工夫など、たくさんの話題を共有されていました。
皆さんのお話を伺いながら、終結を迎える理由はそれぞれであり、また、終結をどうとらえるかもそれぞれだと改めて感じました。しかし、治療をやめることは、治療を始めることや続けること以上に大変、ということは共通しているように思います。なぜなら、終結を考えることは、治療の終了について考えるだけでなく、今までのそしてこれからの人生に向き合ったり、女性としての生き方を考えたり、また、ご夫婦のあり方にも向き合っていく必要性に迫られるからではないかと思います。
永森さんのお話からの引用ですが、一生懸命治療を続け、突然エネルギー切れになってしまうと、飛行機でいう「硬着陸」となり、機体のダメージが大きいように心の負担が大きくなります。治療の途上で、他の方の体験を聴いたり、少し歩みを止めて「終結」について考えてみることで、機体にダメージが少ない「軟着陸」ができるかもしれません。
次回の「不妊治療の終結を考える会」は、6月8日、18時45分からです。
同じ悩みを持った方々とお話ししてみたいと思われたら、どうぞご参加ください。