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不妊治療におけるベストな禁欲期間とは?精子の質を高める方法も解説

不妊治療は女性に対して行なわれるものと思われがちですが不妊の原因は男女半々にあり、例えば男性の禁欲期間の長さによっても精子は影響を受けるため妊娠のしやすさは変わってくるといわれています。

この記事では不妊治療で最適な禁欲期間と、精子の質を高める方法を解説します。精子生成を促す栄養素の摂取や禁煙など、すぐにできる日常生活の改善を始めましょう。

精子はどのようにして作られるのか

精子はどのようにして作られるのか、作られる場所や仕組みについて解説します。

精子は、精巣(睾丸とも呼ばれる)の中にある「精細管(せいさいかん)」という細い管の中で作られます。

精細管(せいさいかん)の中には、精子のもとになる①精祖(せいそ)細胞があり、思春期以降になると精祖細胞の成熟が始まります。精祖細胞は②精母(せいぼ)細胞、精娘(せいじょう)細胞、③精子細胞の順に分裂し、精子細胞が成熟すると頭と尾がある④精子となるのです。

精子は精巣内で自動的に作られるのではなく、脳の視床下部と下垂体から分泌される性ホルモンによって生成を調節されています。視床下部から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(性腺刺激ホルモン放出ホルモン・GnRH)が下垂体を刺激すると、下垂体からLH(黄体形成ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモンが分泌されます。この2つのホルモンがそれぞれ精巣内の細胞を刺激して、精子形成が促進される流れです。

精祖細胞から精子が作られ受精可能な状態になるには、74日ほどかかります。そのため現在射精される精子は、3ヵ月ほど前に作られ始めた精子です。精巣内では毎日精子が生成され、一日に約1億個が作られています。

禁欲(オナ禁)期間が長すぎると精子の質は低下する

不妊治療において必要以上に禁欲期間を長く設ける人が意外と多いので注意が必要です。

精子は毎日精巣内で作られ、精巣の上にある精巣上体で蓄えられます。禁欲すると多くの精子が蓄えられるため、精液内の精子数が増えるので妊娠の可能性が高まります。一方で、禁欲期間が長すぎると精子は貯蔵されている間に状態が悪くなり死んでしまった精子からは活性酸素が発生し、正常な精子にダメージを与えてしまうといわれています。また、精子が作られてから時間が経過すると、DNAの断片化が起こることが報告されています。

精子の産生数は個人差があり、一概に何日間の禁欲が良いとは言い切れませんが、精子検査に問題がない場合は23日の禁欲期間がベストです。この期間があれば妊娠に必要な精子量が蓄えられ、かつ、状態が悪くなるほどの日数ではないからです。禁欲期間は長くても6日以内にしましょう。精子検査で精子数が少なかったり、運動率が低いなど問題が見つかった場合は適切な禁欲期間について医師に相談しましょう。

禁欲期間の数え方ですが、射精をした日を含めずに、その翌日から数えます。例えば、3/8が採卵や人工授精など治療に精子が必要な日だとします。禁欲期間を2日にする場合には、3/5に射精し、3/63/7は射精せず禁欲します。そして3/8に精子を採取すれば禁欲期間は2日間になります。

また、精子の質を上げるために、定期的に射精をしましょう。常に新しい精子を形成することが大切です。妊娠に関係がない時期でもスキンシップのために性交渉をもったり、あるいは自分で射精することを心がけてください。

精子の質を高める方法

精子の質を上げると自然妊娠の可能性が高まり、不妊治療がスムーズになるなどメリットがあります。質の良い精子を増やすためにどのような方法があるのか、詳しく解説します。

禁煙する

タバコには多くの有害物質が含まれていて、男性が喫煙するとペニスの血流を悪化させED(勃起不全)や精子数の減少、精子の変形、生殖能力を低下させる可能性があります。喫煙による酸化ストレスが精子のDNA構造を損傷させることも判明しており、傷付いた精子は受精しにくく、妊娠しても流産しやすくなるのが特徴です。

流産や奇形のリスクを減らすために、子作りに励む人はすぐに禁煙しましょう。パートナーへの受動喫煙の可能性もあるため、なるべく早く禁煙することが大切です。

長すぎる禁欲をしない

前述しましたが、重要なのでもう少し詳しく説明します。精子は毎日生成され、一日に約1億個が作られています。禁欲すればするほど精子が貯められて数は増加しますが、精子は古くなると活力がなくなり死んでいきます。禁欲を長くしすぎると古い精子から生成される活性酸素によって新しい精子がダメージを受けて、妊娠する可能性が低くなるでしょう。1週間に1度は射精して、新鮮で元気な精子を放出できる状態にしておくことが大切です。

精子の量と質は、無関係です。精液のなかには良い精子だけでなく、すぐに死んでしまう精子や傷付いた精子など「質の悪い精子」もあります。妊娠できる精子は生命力が高く動きが活発で「質の良い精子」です。元気な精子が多くなければ、妊娠能力の向上は難しいでしょう。

精巣を温めない

精巣(睾丸)は熱に弱く、精巣の熱を上げないために身体の外側に露出しています。精巣の機能を保つには、3235度が理想です。精巣の温度はたった1度上昇するだけでも機能が衰え、37度になると精子は全滅してしまいます。そのため、精巣を温める可能性がある長風呂やサウナは、精子を作る能力が低下する可能性があるため避けましょう。また、車などの運転を20分するだけで睾丸の温度は35度になり、2時間運転すると36度以上になるという報告もあります。ほかにも、膝の上でパソコンを使用すると睾丸の温度が上昇するため、注意が必要です。

衣服にも気を付けましょう。下着やズボンの締め付け感が強いと、下半身に熱がこもりやすくなります。風通しの良いトランクスなど締め付けすぎないデザインで、涼しい素材のものがおすすめです。

精子形成におすすめの栄養素を摂取する

精子生成に良いとされる栄養素を摂取して、元気な精子を作ることも大切です。おすすめの栄養素は大きく分けると2種類あります。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は精子形成を促進する栄養素です。ナッツや魚に多く含まれるため、魚介類や地中海料理などで摂るのがおすすめです。ただし、キンメダイやメバチマグロなど種類によっては精液に悪影響をおよぼすメチル水銀を多く含むため、特定の魚を食べるのではなく、多くの種類をまんべんなく食べるとよいでしょう。

葉酸やビタミンB12、亜鉛などの抗酸化剤やサプリメント

葉酸は精子数を増やすだけでなく、精子のDNAを損傷させない働きがあります。亜鉛は不足すると精巣や前立腺の発育が遅れるといわれているため、積極的に摂取しましょう。栄養の吸収率を高めるためには、ビタミンも必要です。葉酸、ビタミン、亜鉛を効率よく摂るために、サプリメントを利用してもよいでしょう。

不妊治療でお悩みの方は一度当院にご相談を

不妊治療を始めるか悩んでいる方は、はらメディカルクリニックがおすすめです。当院の不妊治療をおすすめする理由や特徴を、以下で紹介します。

患者様一人ひとりに適した治療を提供

はらメディカルクリニックは1993年に、都内で初めて日帰り体外受精ができる個人クリニックとして開業しました。現在は最新の学術論文とエビデンス(良い治療法といえる証拠)に基づき、患者様に必要な検査、治療をご用意しています。体外受精は11万通り以上の治療が選べますが、ご希望をその都度確認するため無駄のないオーダーメイド治療が可能です。

臨床件数が豊富

日本の不妊治療施設をみてみると、その90%以上の不妊治療施設が年間採卵数300件以下といわれています。はらメディカルクリニックは年間1,000件~1,800件の採卵実績を誇り、都内でも臨床数が多い施設です。豊富な臨床数により365日安定した培養体制を作り、高い技術力のある胚培養士が難しい症例にも対応します。

専門のスタッフに直接相談できる

当院では医師だけでなく、胚培養士や看護師、不妊カウンセラー、臨床心理士など専門分野を持つスタッフに直接相談できる体制を整えています。初めての不妊治療で不安がある方も、相談しやすく安心です。「体外受精説明会」や「不妊治療の終結を一緒に考える会」「おしゃべり会」などの勉強会・交流会を開催し、患者様が納得して治療を進められるようサポートしています。

まとめ

不妊治療は男性の禁欲も大切です。禁欲期間には個人差がありますが当院では26日を設定しています。ただし、禁欲期間を長くしすぎると逆効果になるため注意してください。

禁欲以外でも、禁煙や食事、下半身の温度に気を付けると、精子の質を高められます。禁欲などを行なってもなかなか赤ちゃんを授からない場合や悩みごとがある場合は、はらメディカルクリニックへご相談ください。

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