AIDの対象者識別
皆さんの本日現在(7/16)の状況はA~Eのどれに該当しますか? A~Eによって、お読みいただきたい目次の番号が異なります。該当する目次番号の記事を最初にお読みください。その後、余裕があるようであれば他の目次番号の記事についてもご確認ください。識別 | 状況 | 該当目次番号 |
A | 初診予約前の夫婦 | 1.2.3 |
B | 初診予約後・初診来院後で倫理委員会申請前の夫婦 | 1.2.4 |
C | AIDを実施している夫がB型とO型の夫婦 | 1.2.5 |
D | AIDを実施している夫がA型とAB型の夫婦 | 1.2.6 |
E | AIDで第二子第三子の治療をしている夫婦 | 1.2.7 |
目次
1.男性も年齢制限ができます [対象:全員]
ガイドラインの改訂に伴い、男性も年齢制限ができます。ガイドラインの改定内容は9月23日(土)の説明会でお伝えする予定ですが、男性の年齢制限についてはAID・IVF-D勉強会の申込フォームに記載されているため、情報の混乱が起こらないように先にお知らせします。今後、精子提供の生殖補助医療を受ける事ができる夫婦の年齢は、初診来院日時点で女性:41歳(42歳誕生日の前日まで)、男性:44歳(45歳誕生日の前日まで)とし、初回AID実施日または初回IVF-D採卵日当日の年齢が女性:42歳、男性:45歳までであることを条件とします。また、AID・IVF-D開始後は、女性:44歳、男性:47歳までにすべての治療を終了することが必要です。 ただし、2023年7月13日までに、当院に通院している夫婦や倫理委員会申請用書類が当院に届いた夫婦は、経過措置として2026年末までは女性の年齢制限のみを適用し男性の年齢制限は適用しません。2027年以降は精子提供の生殖補助医療をうける全ての夫婦に年齢制限が適用されます。年齢制限を設ける理由については説明会でお話しします。
2.10月よりAID料金を1万円値上げ [対象:全員]
現状、AIDに使用する匿名ドナー精子の確保が一段と困難となっており、それに伴いコストが増加しております。具体的には、ドナーが匿名を選択する割合は、2022年は30%ありましたが、2023年は18%まで減少しています。多くのドナーが非匿名を希望していることから、匿名ドナーの確保が難しくなっています。AIDは国と学会が認める治療法であるため、ルールが確立されており、長い歴史を持っています。したがって、当院の判断でAIDを非匿名ドナーで行うことはできず、法整備が進むまでは匿名ドナーの確保が必要です。また、AIDはIVF-Dに比べて必要とする精子量が約4倍もあり、一方で一回あたりの妊娠成功率から計算すると、匿名ドナー精子の消費量はとても多いです。これらの状況から、現行のコスト構造ではAIDの維持が困難となってきております。それゆえ、本年10月よりAIDの料金を1万円値上げし、82,500円(税込)から92,500円(税込)とさせていただくことになりました。ご理解を賜りますようお願い申し上げます。3.AID・IVF-D勉強会の参加が必須[対象:A]
識別Aの初診予約前の夫婦は、最初に「AID・IVF-D勉強会」に参加してください。倫理委員会への申請書類はAID・IVF-D勉強会の後にご提出いただきます。勉強会は以下のリンクよりお申込みください。定員は各回15組(30名)で申込は先着順です。なお、A以外の夫婦が勉強会に参加することはできませんのでご注意ください。 9月28日(木)12:30~16:30*キャンセル待ちのみ受付 10月19日(木)12:30~16:30 11月30日(木)12:30~16:30 12月21日(木)12:30~16:304.AID・IVF-D勉強会の視聴が必須[対象:B]
識別Bの初診来院の後で倫理委員会申請前の夫婦は、「AID・IVF-D勉強会」の視聴と、勉強会の内容に沿った新規ワークシート等の書類提出が必要となります。Bの方の勉強会の視聴方法は2通りあります。- 9月28日(木)12:30~16:00の勉強会をZoomで視聴する方法(途中、休憩時間30分を含む)
- 10月6日(金)~10日(火)の5日間で勉強会動画を視聴する方法
5.7月19日からドナー切り替え [対象:C]
識別Cの夫がB型とO型の夫婦は、7月19日(水)に実施するAIDから、2022年2月以降登録の匿名ドナーに切り替えます。 ①提供精子使用における同意書【AID】の提出 7月19日(水)以降のAIDを予定しているB型とO型の夫婦は、提供精子使用に関する同意書【AID】の提出が必要となります。切り替わる精子ドナーについて詳しい説明が記載された書類です。当院の診療でAIDの実施日が確定した際には、AIDに関する同意書と共に本同意書をお渡ししますのですべての書類を一緒にご提出ください。他の医療機関で治療を受けており、AIDのみ当院で実施される方々は、書類を印刷していただき、夫婦で署名をしてからAIDの当日にご提出ください。7月19日(水)以降のAIDは、本同意書がAIDを実施する度に必要です。 ②2022年2月以降登録ドナーの採用率・平均年齢 ドナーは採用に際して多くの検査を行います。具体的には、精液検査/DFI断片化率検査/ B型肝炎/C型肝炎/エイズ検査(HIV1/2)/梅毒/HTLV1/クラミジア検査/心理検査(MMPI3)/面談です。全ての検査・面談をクリアーしドナーとして採用される確率は現在26%です。ドナーの平均年齢は32歳です。大部分のドナーが独身ですが、一部既婚者もいます。既婚の場合は妻の同意も得ています。 ③現時点で不確定な要素 2022年2月以降に登録したドナーへの切り替えが7月19日(水)から始まります。この切り替えに当たり、当初に予定していた対応は、AIDて妊娠し卒業した夫婦と子どもに対して以下の3つを実施することでした。- 精子提供者の周辺情報の開示(ドナーの身長・体重・体の特徴・人種的背景・趣味や得意なこと・職業・精子を提供する理由)
- 精子提供者と3親等以内の病歴の開示
- 18歳以上になった子どもを対象とした近親婚の確認
6.夫がA型とAB型の夫婦へ [対象:D]
識別Dの夫がA型とAB型の夫婦の中には、ドナー精子が切り替わる時期について事前に知りたいとのご要望があるかと思います。その時期はドナー精子の在庫状況によりますので、当院でも具体的な時期をお知らせすることはできません。昨年からIVF-Dへの移行が可能になり徐々にAIDの回数は減少しましたが、最近では新規IVF-Dの中断の影響なのか、AIDの回数がまた増えています。それぞれの血液型の患者様が月ごとにどの程度AIDを必要とするかを予測することは非常に難しいため、この点につきましてはご理解をいただけますと幸いです。7.AIDで第二子第三子の治療をしている夫婦へ[対象:E]
ガイドラインの改訂では、親から子どもへの告知に関する条文が変わります。ガイドラインの改定内容については9月23日(土)の説明会でお伝えする予定ですが、本件は事前に夫婦や家族の準備が必要となるため、早めに情報をお伝えします。新ガイドラインでは、告知に関する項目は次のように改訂され、「生まれてからすぐに告知を開始すること」を目指します。
- 改訂前:子どもが1~2歳頃からその子が生まれたストーリーを語りはじめ、6歳になるまでには真実告知を行うことを約束できること。また、定期的に開催する「当事者家族の会」に子どもが6歳になるまでに最低1回以上は参加できること。
- 改訂後:妊娠中から告知の準備や練習をはじめ、子どもが生まれたらすぐに告知を開始しましょう。子どもは3~4歳頃には一定の理解を持つことができで、6歳までには自覚できるように告知を進める約束ができること。
- 子どもが夫婦の大切な宝物であるという愛情を何度でも伝えること。
- 家族が出会った物語を子どもに語ること。この物語を愛情溢れる言葉で伝えられるのは夫婦だけです。
- 家族の出会いの物語をオリジナルの絵本を通して子どもに伝える方法 8月20日(日)に開催する第一回当事者家族の会では、告知に使えるオリジナルの絵本を作ります。概要はこちらをご覧ください。本会は現在キャンセル待ちですが、今後一定数のキャンセルがでる見込みのため、必要な方はキャンセル待ちフォームにご登録ください。キャンセル待ちの方が本会にご参加いただけるかどうかについては7月22日頃状況をお知らせいたします。
- 市販されている絵本を使って告知を開始する方法 告知に活用できる絵本は数多くありますので、ご夫婦に合うものをお探しください。利用者が多い絵本として「わたしのものがたり」というすまいる親の会が作成した絵本があります。この絵本は、そのまま読むだけでなく、ご夫婦の温かい語りかけや、家族それぞれの具体的な物語を付け加えてお話しすることで子どもの理解はより深まります。こちらから購入できます。
- AIDの当事者団体で話しを聞いてみる方法 当事者団体の中で、親への支援を活発にしている団体が3つあります。 ①すまいる親の会 ②一般社団法人AID当事者支援会 ③ふぁみいろネットワーク *一般社団法人AID当事者支援会と、ふぁみいろネットワークは、告知をしながら子育てをしている先輩パパママが相談役となる個別相談も行っています。
- 当院心理カウンセラーに相談する方法 当院の心理カウンセラーも個別の告知支援ができます。ご希望の場合は、診療予約システムの【心理カウンセリング】→【心理カウンセリング(戸田)】からご予約ください。対面かオンラインを選択できます。費用は70分3,850円(税込)です。