こんにちは。培養部です。
本日はDHA不足と男性不妊について最新の知見をご紹介したいと思います。
サバやイワシなどに豊富に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)。これまで、中性脂肪を下げたり動脈硬化を予防するなどの効果が分かっていましたが、新たにDHAの不足が男性不妊と関係している可能性があると報告されました。
私たちの体をつくる細胞には細胞膜という膜が存在し、その膜はリン脂質という脂質が集まってできています。リン脂質は各組織の役割によって種類が異なっているのですが、精子の細胞膜はDHAを含んだリン脂質が豊富に存在していることがわかっています。マウスを対象とした今回の研究で、細胞膜に存在するDHA含有リン脂質が、精子の形成過程に必須であり、正常な形態の精子を作るために大切な役割を担っていることが発見されたそうです。ヒトでも同様のことが起こると考えられ、体内でDHAが不足することで精子形態異常が生じ、男性不妊の原因になる可能性があるかもしれないと指摘しています。
DHAは体内で作りだすことができないため、食事などから摂取する必要があります。青魚に多く含まれている栄養素なので、意識的に食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。