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男性が妊活でするべき検査とは?心構えや精子の質を高めるポイントについて

「妊活のために、男性ができることはあまりないのではないか」このようにお考えの方も、多いのではないでしょうか?しかし、男性側が原因で妊娠が叶わないケースも決して珍しくはありません。そのため、妊活を行なう際には男性も検査を受け、必要に応じて精子の質を高める取り組みが必要です。 また、負担が女性側に偏ってしまいがちな不妊治療においては、男性側のサポートが重要な役割を担っています。 この記事ではどのような検査を受ける必要があるのか、どのような取り組みが必要か解説し、妊活を成功させる方法を示します。子どもが欲しいという方は、ぜひお読みください。

そもそも「妊活」とは?

妊活とは、妊娠に向けた活動を指します。妊娠には男性が持つ精子と女性が持つ卵子の受精が必要ですから、妊活は夫婦どちらともが当事者となります。 妊活には以下のとおり、幅広い活動が含まれます。
  • 医療機関を受診し、必要な検査や治療を受ける
  • 妊娠や子ども、出産後の人生設計について、夫婦でよく話し合い考えを共有する
  • 食事などの生活習慣を改善し、妊娠を実現しやすい体をつくる
  • 適切なタイミングで性交渉を行なう
なお、妊活については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひお読みください。 関連記事:妊活は何から始めたらいい?妊娠しやすいタイミングや体づくりのポイントを解説

男性が妊活を始める前の心構え

男性の妊活には、以下の3つの心構えが重要です。

妊活の方向性をパートナーとよく話し合う

妊活を妊娠、そして幸せな生活につなげるためには、夫婦の相互理解が不可欠です。妊娠についてパートナーとよく話し合い、お互いの考えを共有することが必要です。一例として、以下の項目が挙げられます。
  • 子どもの数や設けるタイミング
  • 不妊治療を行なう場合は、どのような治療を何歳まで続けるか
  • 出産後の仕事や住まい
妊活について夫婦で話し合うと、お互いの認識がずれていることに気付くかもしれません。早く結論を出したいばかりに自分の考えを押し付けると、パートナーは「納得いかない」という気持ちが強まります。納得して妊活を進めるためには時間をかけてじっくり話し合い、お互いが納得する案で進めることが重要です。

妊娠についての正しい知識を得る

正しい妊活には、正しい知識が不可欠です。以下の項目はぜひ理解しておきましょう。
  • 女性のからだの仕組み
  • 妊娠の仕組み
女性のからだの仕組みや妊娠の仕組みを知らなければ、妊娠に向けて何をしたらいいのか、今どのような状況なのかを把握することはできません。女性側に比べて男性側の知識が極端に少ないケースも多く見受けられ、その場合女性側の負担や孤独感が増してしまう恐れがありますので注意が必要です。 特に不妊治療では、男性に比べ女性の方が通院回数が多く、体への負担も大きくなります。仕事やプライベートでも忙しいのに、さらに通院・治療が加わると物理的にも精神的にも余裕がなくなってしまいます。そういった状況では、男性側の寄り添いやサポートが必要不可欠です。 妊活の知識を持ち、夫婦が同じ目線で妊娠を目指すことができれば妊活におけるストレスも軽減されるのではないでしょうか。 妊活の知識は書籍やWebサイトなど、さまざまな方法で入手できますが、すべてが正しいとは限りません。不妊治療に精通した医療機関や医師、妊娠や出産に関連する企業のサイトや公的機関など、信頼できる情報源を選んで学ぶことをおすすめします。

妊活がうまくいかない可能性も理解しておく

妊活は妊娠しやすい状況をつくる活動ですが、誰もが妊娠に結びつくとは限りません。思うように妊娠できないとき、女性ばかりに原因を求めることは早計です。不妊は男性による原因も多いため、男性も検査を受け不妊治療に取り組む姿勢が求められます。 世界保健機関(WHO)は不妊の原因について2017年に調査を行ない、結果を以下のとおり公表しました。
  • 女性のみに原因あり:41
  • 男性のみに原因あり:24
  • 男女ともに原因あり:24
このように男性が原因で妊娠しにくいケースも合計で半数近くあり、決して珍しくないことがデータでも見て取れます。そのため、妊活の成功には、男性の積極的な理解と協力が欠かせません。さらに詳しい情報は、以下のサイトをご覧ください。 関連記事:【不妊治療】男性側の原因や種類について|男性不妊になりやすい人の特徴や保険についても解説

男性が妊活準備でするべき検査

男性が妊活を準備するうえで受けるべき検査には、精子検査と風疹の抗体検査があります。それぞれの検査内容について、詳しく確認していきましょう。

精子検査(男性不妊検査)

精子検査は、男性側において自然妊娠が望めるかどうかを調べる検査です。正常で元気な精子がたくさんいれば、自然妊娠が望めるでしょう。一方で元気な精子の割合が少なく精子の数自体も少ない場合は、不妊治療を検討しなければなりません。 精子検査では以下のようなさまざまな観点から精子のチェックが行なわれます。
  • 精液量
  • 精子濃度
  • 精子運動率や高速運動率
  • 精子の正常形態率
  • 精子のDNA損傷率
どの項目も、妊活の方向性に重要な影響を与えます。しっかり検査して適切な方法を選ぶことで、妊娠や出産につなげることが可能です。精子検査については、以下の記事でも詳しく解説しています。 関連記事:精子検査は郵送でも可能!男性不妊検査の重要性について解説

風疹(ふうしん)の抗体検査

風疹の抗体検査も、妊活をするならぜひ行なっておきたい検査です。妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児は先天性風疹症候群になる可能性があります。先天性風疹症候群は、赤ちゃんに白内障や難聴、先天性心疾患などの悪影響をおよぼす疾患です。 風疹のウイルスは、強い感染力を持っています。また、風疹に感染しても無症状だったために感染に気付けないというケースも珍しい話ではありません。そのため、風疹のウイルスを自宅に持ち込まないことが重要です。パートナーである男性も風疹にかからない取り組みが必要となります。 過去に風疹の予防接種を受けた方でも、何らかの理由で抗体が下がってしまう場合があります。妊活を始める前には男性も風疹の抗体をチェックし、抗体が低い場合は予防接種を受けましょう。

感染症の検査

最近、梅毒の感染者の増加がニュースになっていますが、男性の性感染症の検査は妊活をする上で重要です。梅毒の他に、クラミジア、HIVB型肝炎、C型肝炎などは、先に検査しておきましょう。これらの感染症が性交渉によって女性に移ってしまうと、女性側では妊娠の機能に影響が生じ、不妊の原因となる場合がありからです。

男性の妊活では精子の質を高めることが大切

男性が妊活に取り組むうえで、精子の質は大切です。ここからは精子の質を高めることについて、3つの観点から解説していきます。

「質の良い精子」の条件とは?

質の良い精子は、妊娠の可能性を上げます。ではどのような特徴があれば、質の良い精子と言えるのでしょうか?条件を以下にまとめました。
  • 精子の数が多い
  • 活発に動いている
  • DNAが損傷した精子の割合が少ない
これらの条件は精液量や精子濃度、精子運動率、高速運動率、正常形態率などの項目でチェックされます。はらメディカルクリニックの精液検査では、以下の基準値を設けています。
  • 精液量:2ミリリットル以上
  • 精子濃度:1ミリリットル当たり2,000万以上
  • 精子運動率:50%以上
  • 高速運動率:25%以上
  • 正常形態率:4%以上
なお、はらメディカルクリニックでは、精液検査と並行しオプションの「DFI検査」の受検もおすすめしています。 DFI検査は、採取した精子からDNAが損傷した精子の割合を調べる検査です。精液検査でわかるデータなどに問題が見られない場合でも、損傷したDNAを持つ精子が高い割合で含まれていれば、妊娠率や流産率に影響をおよぼすことが懸念されています。 活発に動く精子の割合が多く、精子そのものの数も多い、そして精子の損傷も少なければ妊娠につながりやすくなるわけです。妊活をするなら、少しでも精子の質を高める工夫が求められます。

精子の質を高める生活習慣について

精子の質を高めるためには、生活習慣の見直しも重要です。日々の生活では、以下の項目に注意して過ごしましょう。
  1. 運動する(筋トレ、有酸素運動など。ただし過度な運動は避ける)
  2. 栄養バランスの良い食事を摂る
  3. 禁煙する
  4. 飲酒は少なめにする
  5. ストレスをうまく発散する
  6. 衣類は身体に密着しないものを選ぶ
  7. サウナや長風呂を避ける
  8. 自転車は長時間乗らないようにする
  9. 数日おきに射精する
1番から5番は、健康的な生活を送るために広く呼びかけられている項目です。精子の質を高めるうえでも欠かせません。 6番から9番は、精子の特徴に基づいた項目です。精子は体温とほぼ同じ37度になると、運動率が低下します。そのため体温が上がる長風呂、サウナを避けることは有効です。また股間の血流を傷めないよう、自転車に乗る際は注意しましょう。一方で精子は日々作られており、古くなると精子の質が下がります。最低でも1週間に1回は射精しましょう。

妊活中の男性におすすめの栄養素・食材

妊活中の男性は、栄養バランスの良い食事も重要です。必ず摂らなければならない食材はありませんが、以下に挙げる栄養素は積極的に取ると良いでしょう。
  • 亜鉛:精子の量の増加や運動率の向上が期待できる
  • 葉酸:精子のDNAの損傷を防ぐ
  • オメガ3脂肪酸、ビタミンB12:精子をつくるうえで重要な栄養素
亜鉛は牡蠣や牛肉、納豆、卵黄などに、葉酸はほうれん草や枝豆、焼き海苔などに多く含まれています。またオメガ3脂肪酸はくるみやさば、いわしなどに、ビタミンB12はしじみやさんま、焼き海苔などに多く含まれる栄養素です。

まとめ

男性は妊娠できませんが、パートナーの妊娠を成功させるうえでできることは多くあります。パートナーとの相互理解を深め、二人三脚で妊活を進めることで、子どもをもうけやすくなるでしょう。 はらメディカルクリニックで精子検査を行なった方には、詳細な診断レポートを発行いたします。妊活の方針づくりにお役立ていただけます。妊娠が難しい方向けの体外受精の説明会や相談会も開催しておりますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。
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