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妊活は何から始めたらいい?妊娠しやすいタイミングや体づくりのポイントを解説

妊活を始めたいけど、何から始めたらいいかわからない人も多いのではないでしょうか。夫婦で妊活をしようと決めたら、まず行なうべきことや、妊娠に向けてどのような工夫を取り入れていけばいいのかを確認しましょう。

この記事では、妊活の始め方やはじめる時期、妊娠しやすいタイミングのポイントにくわえて、不妊治療専門の医療機関で行なわれる治療について簡単に解説します。

妊活とは?

「赤ちゃんが欲しい」と考えたときに、まず「妊活」という言葉を思い浮かべる方は多いでしょう。しかし、いざ妊活しようと思っても何から始めればいいのか、具体的に何をすればいいかわからない方も多いはずです。

まずは妊活がどういうものなのかを紹介したうえで、妊活をはじめる時に一番大切なこと、そして妊活をはじめる時期について説明します。

妊活とは、妊娠に向けた活動のこと

妊活とは、妊娠に向けた活動のことです。カップル妊娠するための環境を整える準備をしていきます。

妊活で一番大切なこと

一番大切なのは、妊活はカップル二人で取り組むという意識を、最初にしっかりと確認し合うことです。妊活においては多くの選択があります。どの選択を選ぶか、1つの選択をどの程度続けるか、お金をどこまでかけるかなどの重要な決断は、カップルの妊娠率や妊娠するまでの時間を左右します。

これらの決断をカップルで共有することで、お互いが納得した上で進むことができますし、一緒にのり越えた経験は、その後の子育てにおいてもポジティブな影響をもたらすと思います。

妊活が上手くいかない時

下のグラフは、不妊の原因の割合を表したものです。グラフからわかるとおり、不妊の原因は男女どちらにも考えられます。また、不妊の原因を特定することはほとんどのケースで出来ません。だからこそ、妊活が上手くいかない時には、自分のせいとか、相手のせいと考えるのではなく、カップルが二人三脚で取り組んでいきましょう。

妊活をはじめる時期

妊活はカップルが避妊をせずに性交渉をするところからはじまることが多いと思います。一般的に、不妊ではない20代~30代の男女が妊娠を希望し、避妊せずに性交をした場合の妊娠確率は20~30%と考えられています。そのまま妊活を続けると、累積妊娠率は、約半年で約80%、約1年後には約90%という研究結果があります。

もし、1年以上妊活を続けても妊娠しない場合は、日本における不妊症という定義に当てはまりますので、妊活の方法をかえていきましょう。

妊娠にタイムリミットがあることはよく知られています。女性は加齢に伴い卵子の数と質が低下し、35歳以降は妊孕性(妊娠する力)が低下します。また男性も加齢によって精子の数や運動率などが低下することがわかっています。

妊活にもいろいろな方法がありますが、医療機関を受診して妊娠に関わるカップルの状態を把握することができます。前述のとおり不妊の原因は男女どちらにも考えられるので、女性側の検査(採血・超音波など)と男性側の検査(精子検査など)を同時に受けられる、不妊治療専門施設を受診するのがおすすめです。

専門施設で検査を受けることで、そもそも自然妊娠が可能かどうか、妊娠に影響をおよぼす病気にかかっていないかなどを調べることができます。「自分たちは不妊かもしれない」と感じたときは不妊治療専門施設を受診し、必要であれば不妊治療を行ないましょう。不妊治療の検査内容や検査の流れを詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。

関連記事:不妊治療の検査の流れや費用や検査項目について

妊活したい……何から始めたらいい?

妊活の基本的な流れを紹介します。

1.カップルで妊娠に向けて話し合う

妊活はカップルどちらかが頑張るのではなく、二人で取り組むものです。まずはカップルで妊娠に向けて話し合いましょう。

以下を参考に、お互いの気になる点や将来に向けた気持ちを共有しておきましょう。

  • いつ頃子どもが欲しいのか
  • 子どもは何人欲しいのか
  • 不妊治療についても考えているのか
  • 出産後のプラン(仕事、育休、マイホームの購入など)

2.排卵日をセルフチェック

妊活するには、妊娠しやすい時期である排卵日のチェックが欠かせません。まずはセルフチェックできる方法からご説明します。

アプリを活用

月経周期(月経がきてから次の月経がくるまでの日数)
が26日~35日くらいの女性ならば、アプリを活用して排卵日予想をするという方法があります。この方法はサンプル例をもとに排卵日を算出しているため個人の排卵日を予想する正確さには欠けますが参考にはなります。

排卵検査薬を活用

排卵検査薬とは、排卵に関係する黄体形成ホルモンの変化を測定するキットで、これから排卵が起こることを事前に把握することができます。薬局やインターネットで購入することができます。排卵日をセルフチェックする方法としては、排卵検査薬の活用が最も正確だと思います。

ただし、恒常的に黄体形成ホルモンが高い体質の方や、排卵障害がある場合は排卵検査薬が正しく機能しないことがあります。

基礎体温をつける

基礎体温とは安静時の体温のことを指し、自分で測る場合は起床後すぐに測る方法が基本です。女性は排卵するとプロゲステロンというホルモンが卵巣から分泌します。

このホルモンは体温を上昇させる作用があるため、基礎体温を記録していくと体の変化や排卵日など妊活に重要な要素を知ることができます。基礎体温は毎日決まった時間に測り、続けやすい方法で記録をつけましょう。

今は、衣類につけて寝るだけで自動的に測定されるものなど、便利な基礎体温計がたくさん販売されています。基礎体温から排卵日を予想することは正確ではないため、あくまで参考程度としてださい。

3.不妊治療専門施設で子宮や卵巣、精子の状態を確認

しっかりと妊活を行なう際は、不妊治療専門のクリニックを受診してください。不妊治療専門施設で検査を受けると、妊活に欠かせない以下のようなことを確認できます。

  • 女性側(子宮、卵巣、卵管、感染症、甲状腺)の状態
  • 男性側(精子、感染症)の状態
  • 疾患の有無

受診の際は、複数回の通院で医師による問診と検査が行なわれます。

初診の問診時は妊娠を望んでからの不妊期間、月経周期、生理痛の有無、既往歴など、今後の治療で留意しておくべき情報を確認します。問診後の検査では超音波検査や内診、血液検査などから体の状態を確認しましょう。

【(例)当院の初診の流れ】]
1.Web問診で必要事項を入力・送信
2.初診日、事前に答えた問診内容と今後希望する治療の流れを確認
3.その後、超音波検査による内診で子宮と卵巣の状態を確認
4.診察後、採血と精子検査を実施

不妊治療専門施設では、医師による検査や治療だけでなく不妊カウンセラーや生殖心理カウンセラーによる相談ができるところもあります。妊活や妊娠に関する悩みや疑問がある場合は、そのようなサービスも活用しながらカップルに合った妊活プランを計画していきましょう。

一口に妊活といっても、カップルだけでできるものもあれば、医師の指示を仰ぐものまでさまざまです。「早く子どもが欲しい」「自分たちに合った方法が知りたい」という方は、一度不妊治療専門施設へ来院することをおすすめします。

女性側だけでなく男性側も検査を忘れずに

妊活を始める際は女性だけでなく男性も検査を受け、男性不妊でないことを確認しましょう。

女性側で基礎体温や生理周期の管理を行ない、妊娠にベストなタイミングを計っていても、精子や精巣機能に問題があれば妊娠の確率は低くなります。

男性側の検査を行なっている医療機関では精子の数や運動量を検査し、自然妊娠が可能な精子か、または人工授精や体外受精を必要とするのかどうかを調べることができます。

医療機関によっては男性側の精密な検査がない場合もあるため、妊活に向けた検査は生殖医療専門医がいる不妊治療専門施設がおすすめです。

関連記事:【不妊治療】病院の選び方のポイント7つ|治療を始めるタイミングは?

妊娠しやすいタイミングについて

妊活をするとなったとき、手軽に始められることは妊娠しやすいタイミングで性交渉の機会をもつことです。妊娠の可能性が高まる時期になるべく多くトライできるように、ベストなタイミングをカップルで把握しておきましょう。

妊娠の確率が高くなるのは排卵の1~2日前

妊娠の確率が高くなるのは、排卵日4日前~排卵日当日までの5日間といわれています。なかでも排卵日2日前と排卵日前日の2日間は妊娠の可能性が高いです。

自己流でタイミングを取るときは、排卵日が予想よりズレる可能性がありますので、排卵予想の2日前に性交渉をもってください。あるいは、医療機関でタイミング法をする場合は、超音波検査で排卵日を予想しているためズレは起こりにくいことから、ベストなタイミングとして「排卵日前日」をお伝えしています。

<妊娠の確率が高くなる時期>

排卵期
排卵日3日前排卵日2日前排卵日前日排卵日排卵日翌日
×

表中の記号が表す意味は、それぞれ以下のとおりです。
★:妊娠の確率がかなり高い
○:妊娠の確率が比較的高い
△:妊娠の確率は比較的高くない
✕:妊娠の確率が低い

自己流でタイミングを取るとき、排卵日の予想として最も信頼性が高いのは「排卵検査薬」の使用です。薬局で販売しているのでこれを上手に取り入れましょう。

最近はスマートフォンアプリで排卵日予想をしている方も多いです。

また、排卵日が訪れると以下のような体の変化が見られる場合があります。性交渉のタイミングを計る際の参考にしてみましょう。

  • 基礎体温が低温期から高温期に移行してくる
  • おりものの質感が滑らかになり、量が増える
  • 排卵痛による腹痛や腰痛がある

また、自己流でタイミングをとる場合は、排卵日を正確に予想することはできません。多少のずれをカバーするためには、排卵予想日の3~4日日前から排卵日当日まで連日性交渉をトライしてみましょう。

関連記事:セックスレスが不妊治療にもたらす影響|原因や対処方法を紹介

タイミング法も視野に

生理周期や基礎体温をもとにした排卵日の予測はあくまで目安であり、狙ったタイミングに必ず排卵日が来るとは限りません。排卵日をより正確に狙うには、医療機関の検査をもとにしたタイミング法を検討しましょう。

タイミング法とは、超音波検査やホルモン検査の結果から排卵日の予測を行ない、医師の指示で性交渉のタイミングを持つ不妊治療の方法です。

タイミング法の具体的な流れや費用など詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。

関連記事:【不妊治療】タイミング療法について|全体の流れや費用、成功率を少しでも上げる方法を紹介

妊活中の過ごし方

妊活中は〇〇しなくてはいけない、〇〇してはいけないというように、カップルの行動を制限するような情報も時々目にします。ですが、科学的な根拠のない情報に振り回されるよりも、性交渉などカップルの愛情のスキンシップを楽しんでほしいと思います。

そして、妊活中にどのような生活を送ると良いのか、妊娠するうえで関係すると考えられていることをお伝えします。

ストレスを溜め込まない方がよい

ストレスが強いと女性ホルモンバランスが崩れ排卵に影響を及ぼすことがあります。男性は慢性疲労によるストレスが精子をつくる能力に悪影響を与えることがわかっているため、疲労を溜めこまないように心がけましょう。

ただし、現代においてストレスをゼロにすることなどできません。また、ストレスが不妊の唯一の原因になるということはとても考えにくいことです。ストレスは溜め込まないように気を配り、趣味や運動、人と話すなど、自分に合った方法でストレスを発散する時間を作ることが大切です。

強い生理痛を放置しない

月経痛が年々ひどくなっている、月経の時鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらない、月経量が増えている場合は、子宮内膜症の可能性があります。痛みを放置せずに婦人科を受診しましょう。子宮内膜症は、女性の10人に1人が発症すると言われており婦人科系で多い病気の1つです。

ある文献では子宮内膜症の方の30~50%が妊娠への影響があると指摘しています。ただし、子宮内膜症の診断は難しく、超音波検査やMRI検査でも重症化の確定診断はしにくいです。受診する際にはなるべく子宮内膜症に詳しい医療機関を選びましょう。

適正体重を維持する

妊娠に適したBMIは20~24です。特に肥満(BMI25以上)は不妊の原因となることが知られています。脂肪からエストロゲンが産生されることで排卵障害を引き起こしたり、薬剤への反応が悪くなることもあります。

また、妊娠したとしても妊娠糖尿や妊娠高血圧症候群、血栓症を引き起こす可能性は高くなり、分娩時には母体や胎児の健康に影響を及ぼすこともあります。

妊娠、そして健康な体で健康な赤ちゃんを産むために適正体重を維持するよう心がけましょう。

女性は葉酸を摂取する

葉酸は、細胞の生産や再生、分裂や成熟に大きく関わり、赤ちゃんの脳や神経の発育にも影響をおよぼす栄養素です。妊娠初期に葉酸が不足していると赤ちゃんの脳や脊髄の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクが高まります。そのため、妊活中から、意識して摂るようにしてください。

葉酸が多く含まれる食材としては、ブロッコリーやアボカド、大豆、ホウレンソウ、レバーなどが挙げられます。毎日の食事でこれらの食材をバランスよく摂ると良いでしょう。

食事で十分な量を摂取できない場合は、栄養機能食品(サプリメント)を取り入れるのもおすすめです。

禁煙

喫煙すると男女ともに生殖機能が低下し、不妊の要因となります。妊娠後の喫煙は流産や早産のリスクを高め、出産後は赤ちゃんに受動喫煙の影響があります。妊活をする場合、男女ともにタバコの喫煙は避けましょう。

適度に運動をする

適度な運動を行なうと全身の血行が良くなり、肥満や生活習慣病の予防につながります。肥満や生活習慣病はホルモンバランスを乱すため、不妊の要因となります。

妊娠後は母体に負担がかかるため、運動で筋肉と体力をつけ、健康な体づくりを目指しましょう。運動はストレスの発散や気分のリフレッシュにも効果的です。
ウォーキングやストレッチ、家事の合間のスクワットなど、無理なく続けられる簡単な運動から始めてみましょう。

不妊治療について

前述のとおり、妊娠を希望して性交渉をもっても1年以上妊娠できない場合は、不妊に当てはまります。ここまで紹介した体づくりや妊娠しやすいタイミングでの性交渉などを意識してもなかなか妊娠しない場合は、不妊治療専門の医療機関の受診を検討するのがおすすめです。

多くの不妊治療専門の医療機関では、複数の検査を行なって原因を追究し、その原因に合わせた治療をしていきます。一般の婦人科クリニックでも診療を受けることは可能ですが、対応できる範囲に大きな違いがあるため、初めから不妊治療専門の医療機関を受診して効率的に治療をすすめるのがおすすめです。

不妊治療に取り組むべき具体的なタイミングに悩んでいる方や治療にかかる費用が知りたい方、病院選びに迷っている方は以下の記事を参考にしてください。

関連記事:【不妊治療】病院の選び方のポイント7つ|治療をはじめるタイミングは?
関連記事:不妊治療の流れとは|不妊治療をはじめるタイミングや費用についても解説
関連記事:不妊治療に初めて行くタイミングとは?不妊の原因や知っておきたい基礎知識について

また、不妊治療といえば費用が高額だというイメージがあるでしょう。実際、治療内容がステップアップするごとに費用は高くなります。

ただし、2022年4月からは保険が適用されるようになり、費用を大きく抑えられるようになりました。そのため、費用が気になっていた方もチャレンジしやすいでしょう。

関連記事:【保険適用後】不妊治療の費用はどれくらい?妊娠の確率を少しでも上げる方法についても紹介
関連記事:【不妊治療】2022年4月から保険適用に|適用条件やメリットについて解説

まとめ

不妊は決して他人事ではありません。また、妊娠にはタイムリミットがあるため、赤ちゃんを望むのであればカップル二人で協力して妊活に取り組むことが大切です。まずはカップルでしっかり話し合い、妊娠に対する共通意識を持ちましょう。

妊娠しやすいタイミングでの性交渉や健康的な体づくりを意識するなど、自分たちでできる活動もたくさんありますが、より妊活の成功率を高めたいのであればカップルで不妊治療専門の医療機関に相談することをおすすめします。一般の婦人科よりも広い範囲に対応でき、効率的な不妊治療が可能です。

はらメディカルクリニックでは、タイミング指導はもちろん人工授精、体外受精など、高度生殖医療技術による治療も提供しています。豊富な臨床実績と妊娠率を誇り、「心理カウンセリング」「IVF振り返り相談」「看護師10分相談」など充実なサポート体制も用意しているので、初めての妊活の方もどうぞ気軽に当院にご相談ください。

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