セックスレスが不妊治療にもたらす影響|原因や対処方法を紹介
子供が欲しいと思っているにも関わらず、セックスレスで悩んでいる方はいませんか?セックスの機会が少なければ、妊娠につながる可能性も少なくなってしまいます。
また、タイミング療法などによる不妊治療がきっかけで、セックスレスになってしまう夫婦も少なくありません。
セックスレスになる原因は夫婦によってさまざまです。
この記事では、セックスレスが不妊治療にもたらす影響や、セックスレスになる原因を解説します。
また、合わせてセックスレスの対処方法もご紹介しますので、夫婦に合った対策を考えてみてください。
そもそもセックスレスとは?
セックスレスとは、カップルや夫婦の間で特に問題がないにも関わらず、合意のあるセックスが1ヵ月以上なく、さらにその状態が長期間続くと予想される場合のことを指します。もちろん、2ヵ月に1回セックスするペースが心地良いと感じる夫婦もいるため一概には断定できません。
しかし、キスや裸での触れ合いがなく、今後も期待できないとなればセックスレスの状態であるといえるでしょう。
セックスレスの夫婦は年々増加傾向にあります。「第4回【ジェクス】ジャパン・セックス・サーベイ2020」の調査では、20~49歳のうち51.9%がセックスレスであると結果がでています。つまり、夫婦2組のうち1組がセックスレスにあたる計算です。
男性の性欲は20代でピークを迎え、30代になるにつれて年々減少傾向となります。そのため、結婚してもセックスに積極的でなかったり、いざしようと思っても勃起しなかったりするケースが多いようです。
また、共働きの場合は残業や出張でタイミングが合わないことも多いでしょう。疲れから睡眠時間を優先する夫婦も多く、セックスレスが慢性化するケースも少なくありません。
セックスレスが不妊治療にもたらす影響
「なかなか子供を授かれない」「年齢に焦りを感じている」という人は、不妊治療を始めようと考えるでしょう。
不妊治療には、タイミング療法・人工授精・体外受精という大きく分けて3つの治療方法があります。一般的にはタイミング療法から開始していくのですが、セックスレスはタイミング療法に大きな影響を与えます。
女性に月1回排卵日があったとして、妊活に挑戦できるのは1年のうちに12回です。セックスの回数が半年に1回となれば年2回しかチャンスがないことになります。体調不良や予定が合わなければ確率はさらに低くなるでしょう。これは、不妊治療に踏み出したとしても同じといえます。
特に、男性は「排卵日に合わせてセックスしなければならない」というプレッシャーから思うようにセックスができず、セックスレスの悪循環に陥ってしまうケースもあります。
セックスレスになる原因はさまざま
セックスレスになる原因は、夫婦によってさまざまです。お互いの努力で解決できるものもあれば、そうでないものもあります。
なぜセックスレスになるのでしょうか。
忙しい・疲れている
普段の生活で疲れがたまっている場合は、性欲が湧かない可能性があります。仕事や残業、満員電車での通勤などで疲れてしまい、セックスどころではないと感じているのかもしれません。
また、共働きの場合は、お互いが仕事をこなしながら家事や食事の準備を行なう必要があります。そのため、疲れから性欲よりも眠気が勝ってしまいセックスレスになっていることもあります。
性的な魅力を感じない
お互いを性的な対象として見られないケースも少なくありません。一緒に暮らしている時間が長くなるほど、関係がマンネリ化するのは仕方のないことでもあります。カップルの恋愛から、家族としての家族愛にシフトすることで、お互いに性的魅力を感じにくくなるケースは少なくありません。
「普段から会話が多く仲が良い」「相手のことは大好きだけどセックスレス」という夫婦は、性的な魅力を感じないことが原因かもしれません。
子供がいる
すでに子供がいる場合は、パートナーよりも子供を優先してセックスレスになっている可能性があります。なかにはお互いにセックスしたいと思っているものの、時間や場所の関係でうまく調整できない夫婦もいます。
「もし子供が起きてきたら」「声が聞こえたらどうしよう」と、子供の目が気になることもあります。特に、子供と同じ部屋で寝ていると難しい問題です。
また、前述した「性的な魅力」は、すでに子供がいる家庭にもいえる問題です。「母親にしか見えない」などの理由から、性的な魅力を感じない男性も少なくないでしょう。女性としても母親の立場から切り替えることが難しく、セックスに気恥ずかしさを感じて集中できない問題があります。
強制感がある
子供を作るためのセックス」と思うと、義務のように感じて気が進まないケースも考えられます。妊活の焦りや不妊治療への不安から、純粋にセックスを楽しめないことが原因かもしれません。
特にタイミング療法は、セックスする日を他人に指定されているようなものです。「明日はセックスするから」「早く帰ってきて」と伝える必要もあり、ムードをうまく作れないのも問題です。その義務感がストレスとなり、セックスが事務的・強制的な行為になってしまうことがあります。
認識のズレ
「セックスは男性から誘ってくるもの」といった偏った考え方が原因となり、女性から言い出せない人もいます。いくら待っていても相手が誘ってこないとなれば、セックスレス解消の糸口が見つからず、ストレスがたまってしまいます。
逆に「女性は受け身であるもの」という考え方を持っている男性は、妊活のためにセックスを求めてくる女性に嫌悪感を抱いたり、面倒に感じたりすることもあるようです。
関係を改善しなければ子供は望めないとはいえ、積極的に誘うと煙たがられるとなると出口が見えないストレスに悩むことになります。デリケートな問題でうまく話し合えないことも多いため、認識のズレは難しい問題といえるでしょう。
夫が勃起障害(ED)
気持ちの問題ではなく、身体が思うようについていかないケースも考えられます。EDは、自分の力ですぐに改善できるものではありません。最近では、30代でEDに悩む男性も増えています。
また、EDであることを認めなかったり、隠そうとしたりする男性も少なくありません。男性としてうまくできない恥ずかしさもあり、セックスレスに陥りやすいといえるでしょう。
夫婦の関係は良好にも関わらず「なかなか触れてくれない」「挿入するまえにセックスが終わってしまう」という場合は、男性がEDで悩んでいる可能性があります。
セックスレス4つの対処方法
夫婦にはそれぞれの形があります。2人が信頼し合い、心地よい関係であることが何よりも大切です。その上で、セックスレスを改善したいと考える夫婦もあれば、セックスレスの状態でも子どもを授かる方法を選択する夫婦もいます。どちらも正解といえます。
ここからは、セックスレスの対処方法を4つ解説します。
仕事と生活のバランスを見直す
忙しさや疲労が原因でセックスレスに陥っている場合は、日々のストレスを減らして日常生活を充実させることが効果的です。仕事が忙しく残業が多いようであれば、仕事と生活のバランスを見直してみましょう。
家事代行を依頼したり、有給休暇を使って意識的に休息日を設けたりするのもおすすめです。仕事量や家事の負担などを調整すると、性欲に変化が生じることもあります。
夫婦で過ごす時間を増やす
2人はどのくらい会話をしていますか?なんとなく会話はあっても、何を話したか覚えていないということはないでしょうか。お互いに無関心になってしまうのは寂しいことですよね。その日の出来事や今感じていること、テレビ番組の話題でも構わないので、ささいなことでも夫婦で話すよう意識できるとよいでしょう。
夫婦でゆっくり話す時間を設けることで、お互いの考えや気持ちを理解しやすくなります。なんでも話せる関係になれば、セックスや妊活、不妊治療について話し合う機会も生まれやすくなるでしょう。
「セックスのときはもっとこうして欲しい」と、希望を伝えられるようになれば、夫婦でもっとセックスを楽しめるようになるのではないでしょうか。
気軽に薬を頼ってみる
セックスの時に、勃起を維持できなかったらどうしようと不安になり、セックスを避けている男性はとても多いです。これは男性にとってとても重大な問題です。軽症ED・中度EDであっても安心や自信を持つためにEDのお薬に頼ってみるのも一考です。EDのお薬にも種類がいくつかありますので、一度泌尿器科の医師と相談してみてはいかがでしょうか。
セックスと妊活をわけて考えてみる
「子どもを授かるためにセックスをしなくてはいけない」と考えると、ますますプレッシャーを感じることも多いです。色々なことを無理して進めるよりも、妊活は不妊治療を利用し、人工授精というセックスを必要としない方法を選択してみましょう。
人工授精は女性の排卵日に合わせて精子を子宮内に注入する方法で、それ以降の妊娠の過程は自然妊娠と全く同じです。不妊治療が保険適用になり、人工授精も手軽に行なえるようになったので、一度検討してみてはいかがでしょうか。
人工授精の詳しい説明は、以下の記事でも紹介していますので参考にしてください。
人工授精(AIH)|治療スケジュールや妊娠確率、費用などについて詳しく紹介
まとめ
妊活の入り口は、セックスが基本です。そのため、セックスレスの夫婦は妊娠するタイミングを逃してしまう可能性があります。排卵日に合わせたセックスを意識すると、義務感や強制感を感じて夫婦の間に嫌な雰囲気が流れることもあるでしょう。
セックスレスの原因は夫婦によってさまざまです。セックスする時間が取れなかったり、パートナーを性的対象として見られなかったりすることも原因と考えられます。
夫婦はそれぞれの形があります。2人が信頼し合い、心地よい関係であることが何よりも大切です。無理をしない2人らしい方法で、セックスレスの改善に取り組むのがおすすめです。
薬を頼ってみる方法や、人工授精という選択肢もありますので、頑張りすぎないでくださいね。