2018年を迎えたと思ったら、あっという間に1ヵ月が過ぎてしまいましたね。
記録的に寒い日が続いていますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
今回のコラムは培養部から《 葉酸 》についてお話をさせていただきます。
最近では、不妊治療が一般的に知られるようになり、実際に治療されている患者様以外にも理解されるようになってきたように思います。不妊治療を特集する番組や本も見かけるようになりましたし、現在では、某テレビ局で、不妊治療を受ける夫婦をテーマにした連続ドラマも放送されています。
また、赤ちゃんを授かるママへ~と、葉酸を含んだ事を謳ったサプリメントのCMも見かけるようになりました。
サプリメントを試している患者様の中には、
「妊娠するように葉酸を飲んでいます」という方がいらっしゃいます。
葉酸はビタミンBの一種で、健康的な生活を送る為に必要な栄養の1つですが、実は、「妊娠の初期に特に必要である」と言われています。
卵子は受精後、蓄えられた栄養で発育を続け、約5~7日後に子宮に着床し、着床後は子宮からも栄養を得て成長していきます。その後、受精をしてから約2週間後に赤ちゃんにとって大切な神経系が形成されますが、まさに、この神経系の形成に葉酸が必須とされており、この時期に葉酸が不足すると神経管閉鎖障害のリスクが高くなると言われています。
神経管閉鎖障害は主に、先天性の脳や脊髄の癒合不全のことをいいます。
これらの発生は、葉酸の摂取により必ずしも防ぐことができるわけではありませんが、適正量を摂取することにより、リスクを2.5倍も低減できるそうです。
厚生労働省では、18歳以上の女性は1日あたり0.24mg、妊娠の可能性のある女性に対してはプラス0.4mgの葉酸を摂取することを推奨しています。
逆に、過剰の摂取は不眠症、むくみ、吐き気、食欲不振、アレルギーなどを起こす危険性もありますので、1日当たり1mgを越えるべきではないとも発表されています。
また、この先天異常の多くは、妊娠直後から妊娠10週以前に発生しており、特に中枢神経系は妊娠7週未満に発生することから、少なくとも妊娠の1ヶ月以上前から妊娠後3ヶ月の間、推奨量を摂取することが望ましいとされています。
妊娠を1ヶ月以上前から予想するのは難しいことですよね。葉酸には造血作用やそれによる貧血予防、血行促進の効果もあると言われているので、赤ちゃんの為だけではなくご自身の為にも日頃から意識して摂取していただくことが大切だと思います。
また、妊娠したから と、すぐに止めてしまうと、1番大切な時期に不足してしまう可能性がある為、妊娠判明後も意識して継続していただく事が大切です。
葉酸に限らず、ご自身がサプリメントを適切に摂取しているか見直してみてはいかがでしょうか。