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卵子凍結のデメリット

不妊症の検査・治療

卵子凍結という方法は、体外受精のプロセスの一部なので、体外受精と同等のリスクがあります。例えば、排卵誘発剤を使用することで卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といって卵巣が腫れてしまうことや採卵による腹腔内出血などがあります。ただ、これらはある程度予防できるため発生頻度は高くありません。卵子凍結のデメリットで大きいのは次の3つです。

デメリット1卵子は凍結することで質が低下する

卵子は受精卵に比べて水分量が多いため凍結時の水分膨張により組織破壊が起こり、融解時の卵子の質の低下に繋がります。卵子の質の低下はその後の受精や受精卵の発育に悪影響します。「凍結していない卵子」と「凍結した卵子」で比較すると、凍結した卵子の成績は約半分になります。しかし、このデメリットは卵子を多く凍結保存しておくことで最小限にできます。

デメリット2将来の妊娠を保証できないこと

多くの方のデータを元に、将来の妊娠成績をシミュレーションした上で卵子凍結を行いますが、これらはあくまでも確率論です。個体差が予想以上であったり、将来のパートナーが男性不妊であったりなど、今はわからないことがあります。そのため、卵子凍結は将来の妊娠を保証するものではないことをご理解ください。将来の妊娠の可能性を高めるための方法です。

デメリット3費用がかかる

同じ年齢で体外受精と卵子凍結をした場合、体外受精は妊娠への最短ルートをとれますが、卵子凍結は遠回りすることになります。この遠回り分だけ費用がかかります。

大事なことはデメリットをしっかり理解して事前に対策を立てておくこと

卵子凍結は、凍結して終わりではありません。むしろはじまりにすぎないのです。将来、卵子を融解していざ授精させる時のことを事前にシミュレーションしておきましょう。卵子(未受精卵)説明会では、個別のシミュレーションを行い、「期待できる妊娠率」「卵子凍結から妊娠まで必要な費用」についてしっかり検討します。

受精卵凍結も未受精卵凍結と同じく、排卵誘発剤を使用することで卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といって卵巣が腫れてしまうことや採卵による腹腔内出血などが起こる可能性があります。ただ、これらはある程度予防できるため発生頻度は高くありません。
また、未受精卵凍結と同じく受精卵凍結も将来の妊娠を保証するものではありませんが、未受精卵凍結に比べ受精卵は凍結融解の過程において質が低下することは少なく、生殖医療において凍結受精卵を用いた胚移植は高い妊娠率が報告されていますので、卵子凍結と比較した場合のデメリットは特にありません。

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