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お知らせ

重要:4月以降の保険適用に関する方針、PGTの先進医療承認は数か月先、凍結対象胚を個別確認、花粉症薬について No.135

【1】重要:4月以降の保険適用に関する方針
【2】PGTの先進医療認定は数か月先
【3】凍結対象胚を個別確認
【4】花粉症薬について
【5】AIDの方へ

【1】重要:4月以降の保険適用に関する方針
●保険適用で変わる不妊治療
来月より、不妊治療は保険適用になり費用負担は軽減されます。注意しなければいけないことは、これまで皆さまが受けてきた診療がすべて保険適用されるわけではないという点です。例えば、内科を受診した時に「保険でできる検査はこれだけ」とか「この薬は保険では出せない」と言われたことがあると思います。不妊治療も同様に保険適用のルールの中で実施することになります。特に体外受精に関しては、保険では使えない薬剤・検査・処置があることから、治療は簡素化されます。これまでの、少しずつの工夫の積み重ねで妊娠率を上げるということが出来なくなるため、残念ですが妊娠率は低下する見込みです。保険診療とは、「標準的な治療を費用負担を軽減して行える」というものです。これまでの妊娠率や効率を重視した治療ではなくなるという点をご理解ください。

●4月以降の当院の方針
当院は「保険診療だけ」「自費診療だけ」と制限をせず「保険と自費のハイブリッド」で最適な不妊治療を提供したいと考えています。なお、保険と自費を同じ日に混合する混合診療はできません。治療単位で患者背景により選択します。
①保険診療が基本
②保険診療では妊娠が難しい反復不成功、着床不全・不育症、最短での妊娠が(費用より)最優先の場合は自費診療の選択が可能
③保険適用外となる、43歳以上の体外受精・AID・IVF-D・卵子凍結は自費ですが、治療方法を自由に選択できるメリットがあります

●保険で当院の体外受精はどう変わる?
1.採卵周期における排卵誘発は、使用可能薬剤が制限されるため全体的に刺激量が減ります。そのため1回の採卵周期で得られる胚盤胞数は減ります。
2.胚移植周期に使用できる薬剤が制限されるため、併用できない薬剤が多くなりそうです。
薬剤の使用については、まだわからない部分も多くありますので、わかり次第ご案内いたします。現時点でわかっている最新の情報は以下の通りです。
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000906923.pdf

●保険で行う体外受精はいくら?
保険の体外受精については、採卵・受精・培養・凍結・胚移植などの「施術費用」は大きく軽減されます。ただ、周期の中で重要となる「採血とエコーの回数制限」「薬剤の使用可能量と投与回数制限」がまだわかりません。保険制限を超えた分は自費になり、自費があると保険分も自費になる(混合診療不可)ため、結局のところ周期全体の費用感もまだわからずにいます。わかり次第メール配信と資料配布をいたします。現時点でわかっている費用の最新情報は以下の通りです。
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000906924.pdf

●助成金は3月開始分まで
3月末までに開始する月経周期で採卵をする場合は、採卵日が4月にまたがってもその採卵と移植1回分は助成金の適用が可能です。採卵をしない、凍結胚移植だけの場合も1回分は助成金の適用が可能です。これまで通りの体外受精を希望する方はこの機会を活用してください。保険適用後は、助成金制度は一部の地域を除き廃止されます。

【2】PGTの先進医療認定は数か月先
●PGTとは
体外受精で得られた受精卵を移植する前に染色体の異常を調べることができる検査を着床前診断PGTと言います。

●PGTの先進医療認定は数か月先
着床前診断PGTの先進医療は届出が受理されたばかりです。これから審議となるため先進医療の認定には数か月かかる見込みです。先進医療に認定されるまでの間、PGTを行う採卵周期は混合診療不可のために自費になってしまいます。PGTを希望している方は3月末までに開始する採卵周期で行えば、体外受精分は助成金が適用できます。

【3】凍結対象胚を個別確認
4月以降、保険診療の場合、胚移植の保険適用回数は40歳未満で6回、40歳以上43歳未満で3回までです。現在、当院の胚凍結基準はグレード4BC以上ですが、4~6BCは他と比べると妊娠率が低く流産率が高いことから移植の反復に繋がりやすいです。限られた保険適用回数内で妊娠することを目標にする時、BC胚を凍結した方がよいかどうか迷うところです。今後、当院では、1採卵周期に胚盤胞の凍結が3個以上可能である場合にBC胚の凍結を希望するかどうかについて個別に確認させていただきます。

【4】花粉症の薬について
花粉が飛ぶ季節になりました。不妊治療中も妊娠中も、点眼薬・点鼻薬は安心してお使いいただけます。点眼薬・点鼻薬で症状改善がなければ内服薬の使用も可能です。内服薬については、特にクラリチン、デザレックスが安心です。他には、ザイザル、ジルテック、ポララミンも使用可能です。アレグラに関する問合せが多いですが、アレグラは国によって安全性分類が別れており、危険性が示されている国もありますので推奨薬ではありません。使用の際は医師にご確認ください。

【5】AIDの方へ
AIDの治療をしている方(倫理委員会承認済)に、別メールでお知らせ#3を配信しています。まだ倫理委員会申請前の方や結果待ちの方は、明日以降に当院HPのお知らせにてご確認いただけます。

(2022年3月6日)

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