不妊症・男性不妊・人工授精・体外受精・胚移植・AID・精子バンク等の不妊治療・不妊専門クリニック。
お知らせ

2022年妊娠実績報告書 No.172

2022年妊娠実績報告書の資料配布を来週中頃から行います。チェックイン機の横に用意しますので、ご自由にお取りください。

▼2022年妊娠実績報告書のPDFは以下のリンクよりご覧ください。
https://www.haramedical.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/03/result2022.pdf

表の背景がグレーになっている箇所が複数あります。これは、該当者が少ないため信頼度が低い数値です。

【体外受精の成績】
胚盤胞の妊娠率は、胚のグレードをExcellent、Good、Fairに分類し算出しています。
Excellent=4〜6AA、4〜6BA、4〜6AB
Good=4〜6AC、4〜6BB
Fair=4〜6BC
3以下や、4〜6CB、4〜6CCの胚も患者希望がある場合は移植していますが、実施数が非常に少ないため妊娠率は出していません。

今回は、2個移植の妊娠率・多胎率をはじめて掲載しました。当院は1個移植が80%、2個移植が20%と、2個移植の症例数が少ないため、2個移植のデータは2020年8月〜2022年12月までの合算です。2個移植は、多胎率リスクを最大限考慮の上で反復不成功などの状況に応じて検討しましょう。若い年齢層における良好胚の2個移植は、反復不成功が4回以上あっても多胎リスクがとても高いです。

【タイミングの成績】
タイミング療法は、タイミング指導後の来院がない場合もあり、統計処理ができないため妊娠率は算出できません。当院が把握している妊娠実績において、タイミングで妊娠する方の平均は2.2周期です。

【人工授精の成績】
人工授精は実施1回目の成績が高く、回数を重ねる度に確率は低下するため、3〜6回を目途に体外受精への移行が適切と考えられます。人工授精で妊娠する方の平均は2.2周期です。妊娠例における最低年齢は27歳、最高年齢は41歳です。保険適用開始となった2022年は、体外受精が保険適用となる42歳以下においては、人工授精から体外受精への移行が早まり、人工授精の周期数が減少しました。一方、43歳以上においては、体外受精は保険が適用されないため、保険適用となる人工授精の周期数が増加しました。

【AIDの成績】
AIDも実施1回目の成績が高く、回数を重ねる度に確率は低下します。しかし、ドナー精子は安定的に良好なため、反復不成功においても一定の妊娠が見込める点が夫婦間人工授精との違いです。AIDで妊娠する方の平均が8.2周期と、夫婦間人工授精2.2周期の4倍近く時間がかかるのは、AIDは7周期以上の実施者が多いため、妊娠例が分散するためです。2022年はAID51周期目で妊娠した方がいらっしゃいます。2022年8月よりIVF-Dがはじまり、AID回数が多い方はIVF-Dに移行したため、2022年の総AID周期数は2021年より減少しました。

(2023年12月10日)

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