不妊治療中の花粉症薬、流産絨毛染色体検査、不妊治療におけるカウンセリングの役割、妊娠体験記の更新No.179
【1】不妊治療中の花粉症薬について
【2】流産絨毛染色体検査
【3】不妊治療におけるカウンセリングの役割
【4】妊娠体験記の更新
【1】不妊治療中の花粉症薬について
花粉が気になる季節になりました。不妊治療中や、妊娠中の場合でも、点眼薬と点鼻薬は安心してお使いいただけます。点眼薬や点鼻薬で症状の改善がなければ内服薬の使用も可能です。内服薬については、特にクラリチン、デザレックスが安心です。他には、ザイザル、ジルテック、ポララミンも使用可能です。それ以外の内服薬を使用する場合は、診察にて医師にご確認ください。
【2】流産絨毛染色体検査
超音波検査で胎嚢(赤ちゃんを包む袋)が確認できたあと、早い時期に赤ちゃんが亡くなってしまうことを流産といいます。流産すると、「子宮の内容物が自然にでてくるのを待つ場合」と「手術で内容物を取り除く場合」があり、状態や希望により判断します。手術をする場合には、取り出した流産組織を検査することができます。その検査の1つに『流産絨毛染色体検査』があり、流産の原因が胎児の染色体異常かどうかを調べることができます。
_『流産絨毛染色体検査』は流産手術の際に選択できる任意の検査です。当院は保険でも行うこともできます。保険の場合は国内の検査施設を利用でき3割負担のため約8,000円でできます。一方、自費は海外の検査施設に依頼するため約93,500円かかります。
_保険と自費の区別は、治療や年齢ではなく、「その流産が生涯何回目なのか?」によって決まります。胎嚢確認後の流産が生涯において2回目以降の場合は保険での検査が可能です。
_流産手術を予定していても、その前に子宮の内容物が自然に排出されることもあります。自然に排出された流産組織は、基本的には『絨毛染色体検査』はできないのですが、絨毛組織が付着し、かつ組織の保管状態がよい場合には、自然排出であっても検査ができたケースもあります。自然流出でも検査を希望する方は、排出された組織(内容物)をジップロックなど空気を遮断する袋に入れ、冷蔵庫で保管し、当院までお電話にてご連絡ください。ナプキンの上に排出された場合は、ナプキンが組織の水分を吸収してしまわないように、ナプキンから組織を外して密封できるビニール袋に入れて冷蔵保管してください。組織を検査会社に提出後、検査の可否が判断されます。検査できなかった場合には料金は返金されます。
_流産された方には、心理士・看護師とお話いただける時間をご用意しています。利用に際して治療や年齢の制限はなく費用はかかりません。診療予約システムの「心理カウンセリング→無料オンラインカウンセリング永森」または「相談→無料看護師相談」よりお申し込みください。
【3】不妊治療におけるカウンセリングの役割
「カウンセリングを受けたところで、妊娠や出産に直接つながるわけではないでしょ?」とよく耳にします。しかし、実際にはカウンセリングが不妊治療の成功率を向上させると示す論文が、国内外で増えているんです。このトピックについて、看護師長の外塚が進行役を務めるインスタライブで、臨床心理士の戸田をゲストに迎え、わかりやすく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
https://www.instagram.com/reel/C4fR2jEv_dQ/?igsh=MzRlODBiNWFlZA==
【4】妊娠体験記の更新
2023年7月~12月の「妊娠体験記!やって良かったこと。悪かったこと。」を更新しました。
https://www.haramedical.or.jp/category/column/voice
(2024年3月17日)