~妊活中の方々が直面する問題点と当院の今後の取り組み~ 「妊活中のチクチク言葉に関するアンケート」結果を公表
はらメディカルクリニック(院長:宮崎 薫、東京都渋谷区千駄ヶ谷)は、妊活中の人とその周りの方々のより温かい関係づくりを目的に「妊活中のチクチク言葉に関するアンケート」を実施しました。本プレスリリースでは、アンケート結果と妊活中の方々が直面する問題点、特にパートナーとのコミュニケーションに焦点を当てた分析を報告いたします。
アンケート概要
調査方法 :インターネット調査
実施時期 :2023年8月6日~2023年8月29日
有効回答者数:不妊治療経験のある759名(女性675名、男性84名)
アンケート結果
「妊活中に他者からの言動に傷ついたことがあるか」
78.3%が「ある」と回答しました。
「誰からの言動に傷ついたか」
-友人・知人から 48.3%(268名)
-職場の上司・先輩から 32.1%(178名)
-親から 30.1%(167名)
(自由記述抜粋)
・(友人から)子供ができた友人に、出来なくて可哀想だと泣かれた。哀れまれてることが辛かった。
・(友人から)病院通ってるの?など言いたくないことを聞かれる。
・(職場から)まだ若いのに、と言われたこと。若い若くないは関係なく、体に原因があることを伝えてもピンときていないようだった。責めるような調子は一切なく、心配してくれていることはわかったが、それでも悔しくてつらいと感じた。
・(職場から)妊娠できないことを憐れむような言葉をかけられた。受診の際に仕事を休みたいことを伝えたら、自分勝手と言われた。
・(親族から)早く産まないと自分も歳をとるから手伝えなくなると言われた。
・(親族から)不妊治療を受けないと授かれない事に対して「残念」と言われた。
「妊活中に他者からの言動が嬉しかったことがあるか」
69.09%が「ある」と回答しました。
「誰からの言動が嬉しかったか」
-パートナー(夫)から 32.7%(160名)
-友人・知人から 44.9%(220名)
-親から 31.2%(153名)
(自由記述抜粋)
・(パートナーから)もしも子供ができなくても二人で仲良く暮らせれば幸せであること、私の後悔する姿は見たくないから、納得するまで妊活をしてほしいこと、逆に妊活が辛くなったらいつ辞めてもいいことを常に言ってくれていてありがたいです。
・(パートナーから)1人で抱え込まなくて大丈夫だよ。
・(友人・知人から)じっと話を聞いてくれた。息抜きに付き合ってくれた。治療している友達は大変さを分かり合えた。
・(友人・知人から)同じように体外受精の経験があり、話や気持ちを受け止めてくれた。
・(親から)自分たちの好きなようにしなさい。私達はそれをサポートするだけ。
・(親から)母親に今日不妊治療の病院行ってきたよとメールすると、大変だったね疲れたでしょ、ゆっくり休みなと毎回返信をくれて嬉しいです。暖かい言葉をかけてくれるだけで疲れがなくなります。親が不妊治療していることを知ってくれているだけで、心が軽くなります。
パートナーとのコミュニケーションに焦点を当てた分析
「妊活中に相手に求めること」
・80%以上がパートナーに対して「話を聞いてほしい」「不妊治療の知識をもってほしい」「自身の不妊治療の状況を知ってほしい」「優しい言葉をかけてほしい」と回答しました。
・一方で親族、友人、職場に望むことでは「今まで通り接してほしい」「放っておいてほしい」という回答が多くを占めました。
「パートナーからの嬉しかった言動(自由記述)」の頻出単語を調査
・「一緒+頑張る」が14回で最多、「言葉+かける」が6回、「一緒+いる」が5回と続きました。
・「一緒に頑張る」という内容の言葉が多くの人にポジティブな影響を与えていることがわかります。
・前向きな言葉がけや励ましの言葉も、ポジティブな感情を生む要因となっています。
「パートナーからのチクチク言葉(自由記述)」の頻出単語を調査
・「夫+言う」が4回で最多、「採卵+移植」が3回、「仕事+休む」が3回、「病院+行く」が3回と続きました。
・否定的なメッセージや治療の大変さへの理解不足が反映されています。
自由記述の分析:2回以上の頻度で出現した話題一般(名詞+形容詞・形容動詞・動詞・サ変名詞(する・した))をグラフにまとめました。なお、言葉の組み合わせについて、それに該当する文章がどのようなカテゴリーに分類されているのかを色で示しました。
男女の回答割合とその意味
アンケートの回答者は女性が675名、男性が84名でした。この結果は、男性が不妊治療に対して当事者意識を持ちづらいことを示していると考えられます。妊活、とりわけ不妊治療のメインは女性が行うため、男性側が治療に関わりづらく、当事者意識を持つのは難しい状況が見受けられます。このため、治療に対する知識不足やコミュニケーションの不足が生じ、夫婦間のチクチク言葉につながるのではないかと推測します。
まとめ
今回のアンケート結果から、妊活中の方が他者からの言動に深く影響を受けることが明らかになりました。具体的には、78.3%が「他者からの言動に傷ついたことがある」と回答した一方で、69.09%が「他者からの言動に嬉しかったことがある」と回答しています。これらの結果は、良くも悪くも他者からの言動が妊活中の人々にとって深く影響を与えることを示しています。傷ついた言動は発言者本位な言動が多かった一方、嬉しかった言動には気持ちに寄り添った言葉が多くみられたのが特徴的でした。
チクチク言葉の相手として上位に挙げられた友人・知人、職場の人、親に対しては「今まで通り接してほしい」「放っておいてほしい」という要望が多く寄せられていました。このことは、周囲の人々が適切な距離感を持ちつつ、支えになるような関わり方が求められていることを示唆しています。
さらに、パートナーとの良好なコミュニケーションは、妊活を支える重要な要素であることがわかりました。パートナーからの嬉しい言葉やパートナーに求めることの多くに「一緒に頑張る」という姿勢が見受けられ、夫婦が一体となって治療に取り組むことの重要性が浮き彫りになりました。
当院は、これらの結果を受けて、妊活中の方々がより良い環境で治療に臨めるよう、夫婦間の理解と協力を促進するための取り組みを強化してまいります。