不妊症・男性不妊・人工授精・体外受精・胚移植・AID・精子バンク等の不妊治療・不妊専門クリニック。

不妊治療の終結を一緒に考える会

説明会・相談会

不妊治療の終結を一緒に考える会について

はらメディカルクリニックでは、下の図のように「生殖医療」と「多様な家族形成支援」の間において、お考えを深める機会として【不妊治療の終結を一緒に考える会】を開催しています。

「不妊治療の終結を一緒に考える会」は、不妊治療を終わりにする・お休みするなどの選択肢や気持を整理する場所です。終結するための会ではありません。この会は答えを出すことを目的とせず、不妊治療を終えた経験者の体験談や対話を通じて、視野を広げ、悩みを分かち合い、自分の気持ちと向き合うための会です。本会は2013年から開催しています。
不妊治療の終結を一緒に考える会は2部構成です1部だけ参加するか、1部2部とも参加するかを選択することができます。

プログラム

1部
100分
講演
「不妊治療終結の体験談と支援」
一般社団法人MoLive代表永森咲希

「さまざまな選択肢を知る」
はらメディカルクリニック臨床心理士 戸田さやか

ワーク
講演を聞いた後は、あなたにはどんな選択肢があるのか、それぞれの長所と短所を可視化し気持ちや考えを整理するためのワークをします。またあなたがこれから先のことを考える上で、あなたの決定に関わる人についても整理します。このワークは臨床心理士のリードのもとで一緒に行います。

※ZOOM参加の方はここまで
2部55分グループ座談会
2部は来場参加の方に限定したグループ座談会です。各グループにはファシリテーターがいます。ここまでのワークにより、あなたにとって何が一番重要かなのかが少し見えてきています。そのことについて他の人に話してみましょう。また、他の人の話も聞いてみましょう。誰の考えも否定されない安全な場所です。
  • 参加方法:ご来場又はzoom
  • 対象者:不妊治療をしている方、または過去にしていた方。どの医療機関で治療した人でも参加できます。また、医療機関や支援団体の方も1部のみzoomにてご参加いただくことができます。
  • 費用:無料

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不妊治療の終結を一緒に考える会の意義

参加者127名のアンケートを分析対象とし、度数分布による単純集計および、自由記述への記載をKJ法によって分析しました。

参加者の約80%が、少なからず終結を考えたことがあると回答しました。参加前後の心の状態として、41.7%が、参加前より不安や混乱が減ったと回答。参加者は、不妊治療を終えた経験者という【ロールモデルとの出会い】によって、<視野の広がり><経験者に自己を投影する><経験者と自己の差異を感じる>という体験します。
更に、終結の意思決定に必要なことや価値の【気づき】を得て、前向き、あるいは不安・恐怖といった【治療終結へのイメージを抱く】。これらから、具体的な<行動への意欲>が喚起されます。また、ロールモデルとの出会いは<心の反応>を引き出すこともあれば、<抑制>させることもありました。
疎外感や孤立感を深めてしまいがちな不妊治療当事者が、経験者の治療終結の体験談を聞くことは、ロールモデルと出会う例外的な体験であり、新たな気づきや、未来へのイメージを得られる機会です。診察やカウンセリングとは異なる文脈での支援が可能です。

*第19回 日本生殖心理学会・学術集会一般演題:戸田さやか (公認心理師・臨床心理士)抄録抜粋

開催の背景

不妊治療の終結の会は、技術が進めば進むほど、治療終結の決断が難しくなるという患者さんの困惑を、はらメディカルクリニック故前院長の原利夫が感じたことに端を発します。原は当会にて、以下のように説明をしておりました。

「私が開業した1993年頃は、40歳以上の女性は治療しないという暗黙のルールがあり、患者さんもご自身で同様に判断し、自主的に治療を終わらせるという時代でした。このような流れが変わってきたのは、2006年の顕微授精の出現でしょうか。ART技術の進歩が、あきらめざるを得なかった患者さんに、妊娠の万能薬として受け入れられました。そしてここ数年でさらに技術が進歩し、より患者さんが諦める決断をつけられない状況を作り出していると思います」。

「治療を終結するという事は、残酷な決断である事は承知しています。皆さんの努力は私が一番受け止めています。そこで一度、考えるのではなく、皆さんで対話する時間を作ってみたいと思いました。それが終結の会を始めたきっかけであります。終結の会とは過去にとらわれず、今のご自身のありのままを受け入れる事を目的としています。悩みを分かち合うことで見えてくるものがあり、そこには必ず答えがあると思います」。

原の意志を引き継ぎ、本会は回を重ねていきます。

FAQ

これは不妊治療を諦めるための会ですか?

いいえ。終結の会は「諦め」や「継続」を決定する場ではありません。気持ちと向き合う場です。

どのような方が参加しますか?

年齢、性別、治療している医療機関は問いません(申し込み多数の場合は当院患者様優先)ので過去、色々な方が参加されています。治療の背景も体外受精の方だけではなく、タイミング療法や人工授精の方もいらっしゃいます。また、妻や夫の一方だけ参加する方もいれば、ご夫婦で参加する方もいます。

終結の会以外にこのことについて相談する方法はありますか?

はい。個別の心理カウンセリングがあります。当院以外の患者様でもお受けいただけます。方法は対面とオンラインの2種類です。

次回の開催は決まっていますか?

いいえ、決まっていません。今回のお申込者数やコロナの状況をみて次の開催時期を決めたいと考えています。

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