不妊症・男性不妊・人工授精・体外受精・胚移植・AID・精子バンク等の不妊治療・不妊専門クリニック。

不妊治療の終結を一緒に考える会

説明会・相談会

不妊治療の終結を一緒に考える会について

「不妊治療の終結を一緒に考える会」は、2013年から開催しており、不妊治療を続けるか終わりにするかで迷う方々が、気持ちや選択肢を整理し、自分にとって大切なことを見つめ直すための場です。

この会の目的は、特定の「答え」を出すことではなく、今の迷いや葛藤をそのまま持ち寄り、安心して自分の気持ちと向き合える機会を提供することにあります。他の人の経験やワークを通じて視野を広げ、自分らしい答えを少しずつ見つけていく場です。

プログラム

1.はじめに
参加者がリラックスできるよう、会の目的を説明します。

2.体験談と知識の共有
不妊治療を終えた方の体験談や臨床心理士からの事例を紹介し、客観的な情報を提供します。

3.選択肢と気持ちを整理するワーク
ワークシートに自分の選択肢を書き出し、それぞれの選択肢への気持ちを整理します。心理士がサポートしながら進めます。
(↑zoom参加者はここまで)
(↓来場参加者のみ)
4.座談会
ワークシートで整理したことを基に、グループに分かれて話します。体験や気持ちを他の参加者と自由に共有することで、孤独感や不安を和らげる時間です。安心して話せる場を用意しています。
  • 参加方法:座談会まで参加される方は「来場:1部と2部両方参加」にてお申込みください。ワークまでの参加を希望される方は、「zoom:1部のみ参加」にてお申込みください。zoomはカメラとマイクがOFFの設定になっています。
  • 対象者:不妊治療を現在行っている方や過去に行っていた方は、治療施設に関わらずどなたでもご参加いただけます。また、医療機関や支援団体の方は、zoomにてワークまでご見学いただけます。
  • 費用:無料です。

説明会のお申込みはこちら

2024年12月14日(土)

16:00 〜 18:40
はらメディカルクリニック内またはZoom

不妊治療の終結を一緒に考える会の心理的効果

参加者127名のアンケートを分析対象とし、度数分布による単純集計および、自由記述への記載をKJ法によって分析しました。

参加者の約80%が、少なからず終結を考えたことがあると回答しました。参加前後の心の状態として、41.7%が、参加前より不安や混乱が減ったと回答。参加者は、不妊治療を終えた経験者という【ロールモデルとの出会い】によって、<視野の広がり><経験者に自己を投影する><経験者と自己の差異を感じる>という体験します。
更に、終結の意思決定に必要なことや価値の【気づき】を得て、前向き、あるいは不安・恐怖といった【治療終結へのイメージを抱く】。これらから、具体的な<行動への意欲>が喚起されます。また、ロールモデルとの出会いは<心の反応>を引き出すこともあれば、<抑制>させることもありました。
疎外感や孤立感を深めてしまいがちな不妊治療当事者が、経験者の治療終結の体験談を聞くことは、ロールモデルと出会う例外的な体験であり、新たな気づきや、未来へのイメージを得られる機会です。診察やカウンセリングとは異なる文脈での支援が可能です。

*第19回 日本生殖心理学会・学術集会一般演題:戸田さやか (公認心理師・臨床心理士)抄録抜粋

開催の背景

不妊治療の終結の会は、技術が進めば進むほど、治療終結の決断が難しくなるという患者さんの困惑を、はらメディカルクリニック故前院長の原利夫先生が感じたことに端を発します。原先生は当会にて、以下のように説明をしていました。

「私が開業した1993年頃は、40歳以上の女性は治療しないという暗黙のルールがあり、患者さんもご自身で同様に判断し、自主的に治療を終わらせるという時代でした。このような流れが変わってきたのは、2006年の顕微授精の出現でしょうか。ART技術の進歩が、あきらめざるを得なかった患者さんに、妊娠の万能薬として受け入れられました。そしてここ数年でさらに技術が進歩し、より患者さんが諦める決断をつけられない状況を作り出していると思います。」

「治療を終結するという事は、残酷な決断である事は承知しています。皆さんの努力は私が一番受け止めています。そこで一度、考えるのではなく、皆さんで対話する時間を作ってみたいと思いました。それが終結の会を始めたきっかけであります。終結の会とは過去にとらわれず、今のご自身のありのままを受け入れる事を目的としています。悩みを分かち合うことで見えてくるものがあり、そこには必ず答えがあると思います。」

故原先生の意志を引き継ぎ、本会は回を重ねていきます。

FAQ

これは不妊治療を諦めるための会ですか?

いいえ。終結の会は「諦め」や「継続」を決定する場ではありません。気持ちと向き合う場です。

どのような方が参加しますか?

年齢、性別、治療している医療機関は問いません(申し込み多数の場合は当院患者様優先)ので過去、色々な方が参加されています。治療の背景も体外受精の方だけではなく、タイミング療法や人工授精の方もいらっしゃいます。また、妻や夫の一方だけ参加する方もいれば、ご夫婦で参加する方もいます。

終結の会以外にこのことについて相談する方法はありますか?

はい。個別の心理カウンセリングがあります。当院以外の患者様でもお受けいただけます。方法は対面とオンラインの2種類です。

次回の開催は決まっていますか?

年1回開催していますが、次の開催は決まっていません。開催時期は本サイトでご確認ください。

初診予約はこちら