記事・コラム
1 - 10 件を表示 : 全 176 件
-
2026.06.20
体外受精は痛い?採卵・胚移植の痛みと対策を医師が解説
「体外受精って痛いの?」「痛みに弱くても大丈夫?」 体外受精を検討するとき、多くの方が最初に感じるのが「痛みへの不安」です。これは当然の疑問です。採卵は膣から針を刺しますし、卵巣刺激の注射も連日続くことがあります。 結論からお伝えすると、感じ方には個人差がありますが、現代の体外受精では、細い針や麻酔、鎮痛処置の進歩により、多くの方で痛みを大幅に軽減できるようになっています。 ただし、どの処置でどの程度の痛みがあるかを事前に知っておくことで、不安はぐっと和らぎます。 この記事では、体外受精の各ステップにおける痛み・麻酔の種類・当院の痛みへの取り組みを、正直に・具体的に解説します。 処置別・痛みレベル早見表(当院での目安) 処置・検査 痛みの目安 麻酔 感じ方の目安 採血・血液検査 ★☆☆☆☆ なし 一般的な採血 経腟超音波検査 ★☆☆☆☆ なし 軽い圧迫感のみ 自己注射(皮下注射) ★★☆☆☆ なし チクッとする程度。慣れると苦にならない 人工授精 ★★☆☆☆ なし チューブ挿入痛ではなくクスコに痛みを感じる場合がある 採卵(静脈麻酔下) ★☆☆☆☆ 静脈麻酔 眠っている間に終了。術後に鈍痛の場合は痛み止めを使用 採卵(局所麻酔下) ★★★☆☆ 局所麻酔 鋭い痛みを感じる場合も。短時間なら耐えられる 採卵(無麻酔) ★★★★☆ なし 強い痛みを伴うことがある。採卵数が少いとすぐ終われる 胚移植 ★☆☆☆☆ なし チューブ挿入痛ではなくクスコに痛みを感じる場合がある 子宮鏡検査 ★★☆☆☆ なし 痛み止め座薬を使用すれば多くが軽減できる 卵管造影検査 ★★★★☆ なし バルーン圧迫により強めの痛みを感じる場合がある ※痛みの感じ方には大きな個人差があります。上記はあくまでも目安です。※子宮の入口(子宮頸管)が強く曲がっている場合は、人工授精や胚移植でカテーテルが通りにくくなります。その際は、子宮頸部を引っ張って角度を調整するため、強い痛みを感じることがあります。しかし、精子や胚を適切な位置へ届
-
2026.06.20
不妊治療中のサプリメント|何を飲むべきか医師が解説
「不妊治療中にサプリメントを飲んだほうがいいと聞いたけど、何を選べばいい?」「ドラッグストアで売っている葉酸サプリで大丈夫?」「DHEAやメラトニンはどこで買えるの?」 サプリメントに関する疑問は、不妊治療中の患者さまから最も多くいただく質問のひとつです。インターネットで調べると情報があふれていて、何が正しいのかわからなくなりますよね。 大切なことをお伝えします。不妊治療中のサプリメントは、「みんなが飲むべきもの」ではありません。検査結果をもとに、本当に必要な方に必要なものをご案内することが、当院の方針です。 この記事では、不妊治療中のサプリメントについて種類・根拠・注意点をわかりやすく解説します。 はらメディカルクリニックのサプリメントの考え方 当院では、サプリメントを「全員に一律に勧めるもの」とは考えていません。不要な摂取や過剰摂取を避けるために検査を行い、その結果に基づいてご案内しています。 対象 サプリメント 判断の根拠 妊活中の女性 ビタミンD・亜鉛・葉酸 初診時に血液検査を実施し結果に応じて指導 AMH1未満の方 DHEA AMH検査値・医師の判断 体外受精中の方(希望者) レスベラトロール・メラトニン 過去の胚盤胞率が低いなどの場合 精子DNA断片化率が高い男性 SOサポート DFI(DNA断片化指数)検査結果 「とりあえず飲んでおけばいい」ではなく、「あなたに本当に必要かどうかを確認してから」がスタート地点です。現在すでにサプリメントを服用中の方は、初診時に必ず医師にお伝えください。 【妊活中の女性】基本の3つ:ビタミンD・亜鉛・葉酸 妊娠を計画するすべての女性に対して、当院では初診時にビタミンD・亜鉛・ホモシステイン(葉酸の代謝状態)の3項目を検査し、基準値を下回っている場合にサプリメントをご案内しています。 ビタミンD|着床率・妊娠率・出産率に関連 項目 内容 当院基準値 26pg/ml以上(検査費用:4,950円) ビタミンDとは カルシウムのバランスを整え骨の健康を保つ脂溶性ビタミン。紫外線を浴びることで皮膚でも生成される 妊娠との関係 ビタミン
- タイミング法
- 不妊治療
- 人工授精
- 体外受精
-
2026.06.20
ガイドライン改定予定と匿名AIDの今後について
当院では、2026年8月1日より、提供精子による生殖補助医療のガイドライン第8版への改定を予定しています。 今回の改定は大幅な変更となるため、詳細は7月中旬頃に改めてご案内いたしますが、治療選択に大きく関わる内容について先にお知らせいたします。 先にお伝えする変更点 当院の提供精子による生殖補助医療は、完全非匿名へ移行するため、匿名AIDは現在保有している精子在庫をもって終了となります。匿名ドナー精子の新規受付は行わず、在庫がなくなり次第終了となります。 ガイドライン改定後に可能な治療と手続き 皆様の2026年7月31日時点での状況により、8月1日以降に選択できる治療や必要な手続きが異なります。 ご自身がどの治療を選択できるか・どのような手続きが必要なのかは、以下のセルフチェックフォームでご確認ください。 匿名AIDを継続する方へ 匿名AIDは現在保有している精子在庫限りで終了となります。匿名ドナー精子の新規追加は行わないため、今後は血液型による在庫の偏りが大きくなります。 そのため、匿名AIDを継続する方には、医師が匿名AID実施日を決定した後、「匿名AID|提供精子の血液型選択登録」を行っていただきます。 対象の方には、匿名AID実施日決定後に登録フォームをご案内します。他院で匿名AID実施日を決めている方には、匿名AID予約のお電話をいただいた時にご案内いたします。 なお、血液型選択登録は匿名AID実施日決定後にのみ可能です。周期開始時などの事前登録はできませんので、あらかじめご了承ください。早めに登録したいとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、正確で公平な在庫管理のため、ご理解とご協力をお願いいたします。 提供精子ストック状況 現在の在庫状況は以下よりご確認ください。 非匿名AIDの費用 AIDはIVF-Dの3倍の提供精子を使用 IVF-Dは顕微授精のため、卵子に直接精子を注入して授精させることで必要な精子量は少なくて済みます。一方、AIDは人工授精のため、子宮内に注入した精子が卵管まで到達する必要があり、多くの精子量が必要です。AID1回あたりに必要な精子量は、IVF-Dの3倍となり、提供精子を3本使用します。 非匿名AID費用の内
- AID・IVF-D
-
2026.06.06
【2026年8月改正】高額療養費制度の見直しで不妊治療の自己負担額はどう変わる?
2026年8月から、高額療養費制度が見直されます。 体外受精や顕微授精などの保険診療を受けている方の中には、「自己負担額は増えるの?」「不妊治療でも年間上限は使えるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。 今回の見直しでは、月ごとの自己負担上限額の引き上げに加え、新たに「年間上限」が導入されます。この記事では、高額療養費制度の見直し内容と、現時点で想定される不妊治療への影響についてまとめました。 高額療養費制度とは 高額療養費制度とは、1か月の医療費が高額になった場合に、自己負担額が一定の上限までに抑えられる制度です。 体外受精や顕微授精などの保険診療も対象となるため、多くの患者さんが利用している制度です。マイナ保険証を利用している場合は、原則として窓口で自動的に反映されます。 ただし、実際の自己負担額は、加入している健康保険によって異なる場合があります。 高額療養費制度の見直しはなぜ行われる? 高額療養費制度は、多くの方が安心して医療を受けられるよう設けられている制度です。一方で、高齢化や医療技術の進歩により医療費は年々増加しています。 今回の見直しは、制度を将来にわたって維持していくことを目的として行われるものです。そのため、自己負担上限額の引き上げとあわせて、長期間にわたり治療が必要な方への配慮として年間上限も新設されることになりました。 2026年8月改正で何が変わる? 今回の見直しでは、大きく2つの変更があります。 ① 月ごとの自己負担上限額が引き上げられる 所得区分がこれまでより細分化され、自己負担上限額が2026年8月以降、段階的に引き上げられます。最大で38%引き上げられる区分もあり、多くの方で、これまでより自己負担額が増える見込みです。 ② 年間上限が新設される 今回の改正では、新たに「年間上限」が導入されます。これは、1年間で支払った医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、その超過分が後から払い戻される仕組みです。長期間にわたり治療が必要な方への配慮として導入されます。 不妊治療で年間上限に達するのか? 年間上限は、高額療養費制度の対象となる保険診療に対して導入される制度です。そのため、保険適用で行う不妊治療も対象
- 体外受精
- 手続・書類
- 費用・助成金
-
2026.05.22
顕微授精(ICSI)とは?体外受精との違いを解説
「顕微授精」と「体外受精」という言葉を聞いたことはあっても、その違いまで正確に理解している方は多くありません。実は、顕微授精(ICSI)は体外受精の中で行われる“受精方法”のひとつです。 不妊治療では、卵子や精子の状態、過去の治療歴によって適した受精方法が異なります。治療を主体的に選択していくためにも、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。 この記事では、顕微授精(ICSI)の仕組みや体外受精との違い、適応となるケース、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。 顕微授精(ICSI)とは? 顕微授精は体外受精の「受精方法」のひとつ 顕微授精(ICSI:Intracytoplasmic Sperm Injection)は、体外受精で行われる受精方法のひとつです。体外受精とは、採卵した卵子を体外で受精させ、培養した受精卵(胚)を子宮へ戻す治療全体を指します。その中で「卵子と精子をどのように受精させるか」によって、いくつかの方法に分かれます。 代表的な受精方法は以下の2つです。 コンベンショナルIVF(ふりかけ法) 顕微授精(ICSI) 顕微授精では、培養士が選んだ1つの精子を、細いガラス針を使って卵子へ直接注入します。 コンベンショナルIVF(ふりかけ法)との違い 一般的に「体外受精」と呼ばれることが多いコンベンショナルIVF(ふりかけ法)では、卵子の周囲に精子をふりかけ、精子自身の力で受精するのを待ちます。一方、顕微授精では、培養士が精子を1匹選び、卵子へ直接注入して受精を補助します。 つまり、 自然に近い形で受精を待つ方法=コンベンショナルIVF 人の手で受精を補助する方法=顕微授精 という違いがあります。 顕微授精はどのように行う? 顕微授精(ICSI)を理解するためには、一般的な体外受精である「コンベンショナルIVF(ふりかけ法)」との違いを知ることが大切です。 まずは、コンベンショナルIVF(ふりかけ法)の受精方法を確認してみましょう。 コンベンショナルIVF(ふりかけ法)とは コンベンショナルIVFでは、シャーレ内に卵子を置き、その周囲に一定濃度の精子を加えます。その後、精子自身の力で卵子へ到達・侵入し、自
- 体外受精
- 顕微授精
-
2026.05.18
SEET法とは?着床率向上が期待される理由と方法
SEET法とは 体外受精(IVF)において、良好な胚を移植しているにもかかわらず、妊娠に至らないケースがあります。その原因のひとつとして考えられているのが、受精卵と子宮内膜の相互作用が十分に起こらないことです。着床は、単に胚の質や子宮内膜の厚さだけで決まるものではなく、両者がタイミングよく“反応し合うこと”によって成立すると考えられています。近年の研究では、着床の準備段階において、受精卵から放出されるシグナル(胚因子)が重要な役割を果たし、それを受けて子宮内膜が着床に適した状態へと変化することが分かってきました。 しかし、通常の胚盤胞移植では、この胚からのシグナルが子宮内膜に十分に伝わるタイミングが限られるため、着床の準備が整わないまま移植が行われてしまう可能性があります。 SEET法(シート法)は、こうした課題に対して考えられた方法です。胚移植の数日前に、胚を培養した際の培養液を子宮内に注入することで、胚由来のシグナルをあらかじめ子宮内膜に届け、着床に向けた環境づくりを行います。現在、SEET法は、保険診療の胚移植と併用可能な「先進医療」として認められています。 SEET法の効果と適応 SEET法は、胚移植に先立って子宮内膜の環境を整えることで、着床しやすい状態をつくることを目的とした治療法です。胚培養液に含まれる胚由来因子(シグナル)によって子宮内膜が刺激されることで、着床に適した状態(受容性の高い状態)へ変化すると考えられています。 アメリカ生殖医学会(ASRM)のFertility and Sterilityに掲載された比較研究では、SEET法を実施した群において、通常の胚盤胞移植群と比較して、妊娠率および着床率が有意に高かったことが報告されています。同論文では、胚移植あたりの妊娠率は87.0%(対照群48.0%)、胚あたりの着床率は71.9%(対照群37.8%)でした。*1 ただし、これらの結果はすべての症例に当てはまるものではなく、年齢や胚の状態、子宮内膜の条件などによって個人差があります。 SEET法が検討されるケース SEET法は、以下のような方に対して検討されることがあります。 良好な胚を移植しても妊娠に至らない 着床率を高めたい 二段階移植を検討している。*2
- 体外受精
- 先進医療・オプショナル治療
-
2026.04.28
はらメディカルクリニックの精子提供について
精子提供とは 精子提供とは、無精子のご夫婦がお子さんを授かるための不妊治療に使用する精子を、第三者が提供することを指します。精子を提供する人のことを、精子ドナー(精子提供者)といいます。 精子バンクについて 精子バンクとは、精子ドナー(精子提供者)から提供された精子を凍結保存し、適切に保管・管理する仕組みです。 日本では、学会の見解により、民間の精子バンクを使用した治療は認められておらず、学会に登録された医療機関のみが実施できます。当院は、日本産科婦人科学会に登録された、国内でも数少ない精子バンクを院内に有する医療機関の一つです。 当院の精子バンクの特徴は、ドナー精子の凍結保存・管理・治療での使用までを院内で一貫して行っている点です。提供された精子はすべて当院の治療にのみ使用され、外部への提供は行いません。これにより、安全性とドナーの権利保護を両立した管理体制を確保しています。 提供精子が必要な夫婦 ドナーから提供された精子は、法律上、「提供精子がなければ妊娠できない無精子の夫をもつ法律婚のご夫婦」にのみ使用されます。無精子症は日本人男性の約1%にみられます。中でも、もともと精子をつくる機能自体が著しく低下している非閉塞性無精子症が多いとされています。 精子提供者の条件 精子提供は、医療の安全性と、提供から生まれる人の福祉を尊重するため、以下の基準を満たす方にお願いしています。 基本条件 20歳から38歳までにドナー登録し、提供は40歳未満まで 日本国籍を有する者*1 適正身長・体重 専門学校生・大学生、あるいはこれを卒業した者*2 生活習慣 喫煙していない、または過去の喫煙歴が1年以内で、直近3か月間は禁煙している 麻薬や覚せい剤などの使用歴がない 犯罪歴がない 精子所見 WHOの基準を満たす良好精子 DNA断片化率が低い 感染症検査 以下の感染症がすべて陰性であること(定期的な再検査あり) B型肝炎 C型肝炎 HIV 梅毒 HTLV-1 クラミジア 遺伝的リスク 家族歴に重大な遺伝性疾患がない 染色体(Gバンド)が正常型である その
- AID・IVF-D
-
2026.04.28
子宮内膜スクラッチとは?不妊治療で行う目的、効果を解説
子宮内膜スクラッチ(子宮内膜擦過術)とは 子宮内膜スクラッチ(子宮内膜擦過術)とは、子宮内膜にあえて小さな刺激(軽い傷)を与えることで、着床しやすい子宮内環境を整えることを目的とした不妊治療の一つです。先進医療として位置づけられており、主に体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)における胚移植前に検討されることがあります。 良好な胚を移植しても妊娠に至らない場合、子宮内膜の状態が影響している可能性があり、そのようなケースに対する選択肢の一つとして用いられることがあります。 子宮内膜スクラッチ(子宮内膜擦過術)の基本と仕組み 通常、受精卵(胚)は子宮内膜に着床することで妊娠が成立します。子宮内膜スクラッチは、この着床の成立に関わる子宮内の環境に着目し、意図的に子宮内膜に刺激を加えることで着床しやすい状態を目指す処置です。 子宮内膜に小さな傷がつくと、体はそれを修復しようとして、インターロイキンなどのサイトカインと呼ばれるたんぱく質を分泌します。これらは炎症や組織修復に関与する物質ですが、同時に胚の着床過程にも関わっていると考えられています。 そのため、子宮内膜スクラッチによってこうした物質の分泌が促されることで、胚が着床しやすい環境に近づく可能性があるとされています。 どのようなケースで検討されるか 子宮内膜スクラッチは、着床しやすい環境を整えることを目的として行われる処置であり、特に体外受精において複数回の胚移植を行っても妊娠に至らない場合(反復着床不全)に検討されることがあります。 一部の研究では、着床率や妊娠率の向上が示唆されていますが、結果にはばらつきがあり、すべての方に同様の効果が認められるわけではありません。そのため、治療の適応については、これまでの経過や検査結果を踏まえて医師と相談のうえ判断することが重要です。 子宮内膜スクラッチの方法 先端がやわらかい細い棒状の器具を子宮内に挿入し、子宮内膜の表面をやさしくこすることで、ごく小さな刺激を加えます。外来で短時間で行うことができる処置です。 処置の流れ 処置は以下のような流れで行われます。 処置自体はシンプルで、特別な麻酔を必要としないケースが一般的です。 所要時間と痛みの目安 処置にかかる時間は5
- 体外受精
- 先進医療・オプショナル治療
-
2026.04.23
人工授精の費用はいくら?保険適用・回数別シミュレーション【医師監修】
人工授精の費用は、保険適用の場合1回あたり約5,500円前後です。2022年4月の保険適用拡大により、以前(1〜3万円)と比べて自己負担が大幅に軽減されました。 この記事では、保険適用時の費用内訳、回数別の累計費用シミュレーション、費用を抑えるための制度活用まで医師が解説します。 人工授精の費用:保険適用で1周期いくらかかるか? 人工授精は2022年4月から保険適用となり、窓口負担は3割になりました。「処置代だけ」が保険の対象ではなく、同じ周期中の診察・検査・薬代も保険診療の範囲内で計算されます。 保険適用時の費用内訳 はらメディカルクリニックにおける1周期の費用シミュレーションは以下のとおりです。 項目 保険診療(3割負担) 一般不妊治療管理料(3か月ごと) 750円 診察・検査・薬(超音波検査など) 約3,680円 人工授精(処置料) 5,460円 精子調整費用(当日) 210円 1周期合計(目安) 約9,890円 人工授精の保険適用条件は? 保険が使えるケース・使えないケース 2022年4月以降、一般不妊治療(タイミング法・人工授精)は以下の条件を満たすカップルであれば保険適用の対象です。 条件 人工授精の保険適用 婚姻状況 法律婚または事実婚 年齢制限 なし(体外受精は年齢制限あり) 回数制限 なし(体外受精は回数制限あり) 治療計画 医師による治療計画の作成・同意が必要 一方、保険が適用されないケースは主に以下のとおりです。 保険適用外の排卵誘発剤を使用する場合 保険適用外の検査や処置を同月に受ける場合(混合診療の禁止により、保険診療と保険外診療の同月併用は原則不可) AID(提供精子を用いた人工授精)は全額自費 年齢制限・回数制限はある?体外受精との違いも解説 人工授精(AIH)には、保険適用における回数制限も年齢制限もありません。 これは、回数・年齢の両方に上限が設定されている体外受精・顕微授精とは大きく異なる点です。 人工授精 体外受精・顕微授精 年齢制限 なし 治療開始時4
- 人工授精
-
2026.04.19
体外受精の妊娠率は? 年齢別データと当院実績を解説【医師監修】
体外受精を検討するにあたって、「自分の年齢でどのくらい妊娠できるのか」は、多くの方が最初に気になることのひとつではないでしょうか。 この記事では、日本産科婦人科学会(または、日産婦)の2023年全国データをもとに、年齢別の妊娠率・生産率を解説します。また、当院であるはらメディカルクリニックの実績についても詳しくご紹介します。 体外受精の妊娠率を左右する「年齢」 体外受精の妊娠率に最も大きく影響するのは、女性の年齢です。 女性は生まれた時点で一生分の卵子を持っており、その数は年齢とともに減少し続けます。同時に、卵子の質も加齢によって低下するため、受精や着床に至りにくくなります。このことは体外受精においても同様で、治療法が同じであっても、年齢が高いほど妊娠率は下がり、流産率は上がります。 「治療を始めるタイミングが早いほど、より多くの選択肢がある」という点を、まず念頭に置いておくことが大切です。 年齢別体外受精妊娠率・生産率(日産婦データ) 日本産科婦人科学会の「2023年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績」では、全国の体外受精・顕微授精のデータが年齢別に公開されています。胚移植あたりの、妊娠率と生産率は以下の通りです。 年齢 妊娠率 生産率 30歳まで 52.0% 41.4% 31~33歳 49.2% 38.6% 34~36歳 46.0% 34.6% 37~39歳 39.7% 27.4% 40~42歳 29.3% 17.0% 43~49歳 15.2% 7.1% 「妊娠率」と「生産率」の違いに注目 「妊娠率」とは、一般的に超音波検査で胎嚢が確認された割合です。一方「生産率」は、妊娠後に赤ちゃんが無事に生まれた割合を指します。妊娠しても流産となる場合があるため、特に年齢が高い方は生産率にも注目することが大切です。 日本産科婦人科学会のデータによると、37歳から流産率は25%を超え、40歳を過ぎると急激に高まります(40歳35.6%、43歳48.5%)。妊娠率と生産率の差が大きくなる年齢帯であることを、ぜひ念頭に置いておいてください。 当院の累積妊娠率(2023〜2024年)
- 体外受精