不妊症・男性不妊・人工授精・体外受精・胚移植・AID・精子バンク等の不妊治療・不妊専門クリニック。

旧ページ:2022年1月16日までの非配偶者間人工授精(AID)

不妊症の検査・治療

*2022年1月16日まで適用。2022年1月17日以降はこちらをご覧ください。

非配偶者間人工授精(AID)とは

AIDとは無精子症など絶対的男性不妊の場合に適用される方法です。ご主人以外の男性ドナーの精液を使用し人工授精にて妊娠を試みます。 人工授精の流れは、人工授精(AIH)参照。 男性不妊に対するあらゆる治療を行ったにもかかわらず、 妊娠が成立せず、それでもどうしても子どもがほしいというときに選択されます。 この方法での妊娠希望者については、ご夫婦の意志を十分に確認したうえで、AID実施適応条件に適応しているかどうかを厳格に判定します。さらに、この方法は他人の精液を用いるという特殊な方法ですから、倫理や宗教、法的問題を含んでいます。

非配偶者間人工授精(AID)適用の条件

  • 無精子症
  • 精巣精子回収術(TESE)を行ったが精子が認められなかった方
  • 微量の精子は認められるものの妊娠のレベルにはなく主治医からAIDを提案された方。
  • 性同一性障害(FTM)の方への非配偶者間人工授精(AID)は実施することができません。

男性不妊についてはこちら

初診から非配偶者間人工授精(AID)実施までの流れと必要な手続き

1. AID適用条件の合致確認のため、戸籍謄本、診断書、身分証明書、非配偶者間人工授精(AID)実施希望申請書兼倫理委員会申請書の提出

AIDの初診申し込みを行ってから、下記書類4点をお送りください。

戸籍謄本 夫婦の戸籍謄本1通
身分証明書 夫婦それぞれの顔写真付き身分証明証のカラーコピー (夫婦それぞれ1枚、計2枚)
非配偶者間人工授精(AID)実施希望申請書 兼 倫理委員会申請書 当院HPの通院中の方へ>治療に必要な書類について>非配偶者間人工授精にご提出いただく書類 からダウンロードし、記入・署名したもの
診断書 診断書名は夫の氏名で作成し、無精子症の状況に合わせて以下の中から該当するものをご準備ください。

  1. 精巣内精子回収術(TESE)を行ったが精子を回収できなかった場合 ⇒TESEの結果が明記された診断書、もしくは紹介状
  2. 精巣内精子回収術(TESE)を行い、精子は回収できたがその精子では妊娠の可能性はないと診断された場合 ⇒TESEにて回収された精子では妊娠の可能性はなくAIDが必要であると明記された診断書、もしくは紹介状
  3. 事前の遺伝子検査などにより精巣内精子回収術(TESE)を行っても精子回収の見込みはないと診断されたためTESEを行っていない場合 ⇒根拠となった検査結果の添付と、精子回収見込みがないという判断説明が記載された診断書、もしくは紹介状

注意1:上記のいずれにも該当しない無精子症(=TESEにより精子回収の見込みがあるが希望によりTESEは行わない)の場合はAIDは行えません。

注意2:診断書として受領できる書式条件は、「診断書」もしくは「紹介状」のタイトルがあり、医療機関名と担当医名の記載があること。タイトルがない場合には、医療機関もしくは担当医の捺印があること。尚、紹介状は宛院宛であること。

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〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-8-10 はらメディカルクリニック 倫理委員会申請書類管理係 宛

お送りの際は、簡易書留や宅急便などの送付記録が残る方法をご利用ください。普通郵便などの記録が残らない方法で送付された場合には未着時の責任は負いかねますのでご了承ください。

AIDは日本産婦人科学会の会告に準じて行われますので、提出書類がその条件を満たしているかどうか確認させていただき、その結果を各自にメールにてお知らせいたします。 結果のお知らせまで2週間程度かかる場合があります。なお書類が当院に届いた際の受取完了のご連絡はいたしませんので、配達記録にてご確認ください。

※全てのご連絡は入力されたメールアドレスに送信されます。 迷惑メール設定などにより当院から送信したメールが受信エラーになった場合でも当院側では把握できておりません。 詳しくはこちらをご確認ください。

2. AIDに関する書籍・冊子のご購入

AIDに関する以下の書籍・冊子をご購入いただきます。当院より専用URLをメールにてお送りしますのでクレジットカードで決済してください。決済から1週間以内に書籍・資料をお送りします。これらは「AID勉強会」視聴までにご夫婦それぞれがお読みください。勉強会ではこれらの書籍を教科書として、皆さまそれぞれの家族について具体的に一緒に考えていきましょう。

ご購入書籍・冊子

  1. AID 家族になるということ
  2. 『婦人科公論』出典 取材記事 生殖医療をめぐる家族の葛藤 <上>
  3. 『婦人科公論』出典 取材記事 生殖医療をめぐる家族の葛藤 <下>
  4. 書籍『AIDで生まれるということ 精子提供で生まれた子どもたちの声』 非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ(DOG: DI Offspring Group)(著), 長沖 暁子(著)
  5. 書籍『大好きなあなただから、真実を話しておきたくて 精子・卵子・胚の提供により生まれたことを子どもに話すための親向けガイド』オリビア モンツチ(著),才村 眞理(翻訳)

その他同封資料

  1. 人工授精に関する説明書
  2. 「精子提供を用いた人工授精に関する見解」
  3. 非配偶者間人工授精(AID)に関する同意書
  4. 凍結精子の融解同意書
  5. AIDを開始するまでの流れ承諾書

決済が完了された方から順次、書籍・冊子・資料をお送りいたします。 書籍・冊子の購入まで完了された患者様には、AID勉強会についての情報をメールにてご連絡いたします。

※全てのご連絡は入力されたメールアドレスに送信されます。 迷惑メール設定などにより当院から送信したメールが受信エラーになった場合でも当院側では把握できておりません。 詳しくはこちらをご確認ください。

3. AID治療を考えているご夫婦とこれから授かる子供のためのAID勉強会動画の視聴

勉強会の動画を配信します。動画は夫婦で一緒にご視聴ください。

※全てのご連絡は入力されたメールアドレスに送信されます。 迷惑メール設定などにより当院から送信したメールが受信エラーになった場合でも当院側では把握できておりません。 詳しくはこちらをご確認ください。

勉強会の内容
1)AIDについて日本産科婦人科学会の会告説明(10分) 90分
2)勉強会後のAID実施までの手続きや流れの説明(10分)
3)AIDの治療方法について(30分)
4)当院でAID治療されたご家族からのお手紙紹介(10分)
5)講演 才村眞理先生(90分) ・帝塚山大学 元教授 ・武庫川女子大学 発達臨床心理学研究所 研究員 AIDで子どもを持ちたいと考えているご夫婦の皆さん、まず、なぜ子どもがほしいのでしょうか?そして、子どもさんとどんな家族を作りたいですか?新たに子どもを作るのですから、未来に向けて考えてみる機会を作りましょう!その子どももそして親になるあなたも、どうしたら幸せな家族になれるか、一歩踏み出して熟慮しましょう!そんなに難しいことではありません、私からのメッセージは、それをどれだけオープンにできるかです!
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4. 初診予約をお取りください

勉強会をご視聴いただいた後は、初診予約をお取りください。 初診予約の取り方は、勉強会動画のURLが記載されているメールと一緒にご案内させていただきます。

※全てのご連絡は入力されたメールアドレスに送信されます。 迷惑メール設定などにより当院から送信したメールが受信エラーになった場合でも当院側では把握できておりません。 詳しくはこちらをご確認ください。

5. 初診の日

必ずご夫婦お二人でご来院ください。

お持ち物 1.初診提出用ワークシート 夫婦各1枚 →無くした場合、書類はこちらからダウンロードしてください 2.婚姻関係申告書 →書類はこちらからダウンロードしてください。 3.ご夫婦の健康保険証 4.心理カウンセリング同意書 夫婦各1枚 →書類はこちらからダウンロードしてください。 5. AIDを開始するまでの流れ承諾書 →書籍に同封しますが、必要時はこちらからダウンロードしてください。
初診ガイダンス ご予約方法など通院に関する説明、妊娠率、必要な検査、AIDの治療の流れなど受付よりご案内いたします。
医師の問診 AID実施条件に適応しているかどうかを確認後、初診時に必要な提出書類について説明します。
妻の検査 感染症と甲状腺検査として、HBs抗原、HCV抗体、RPR、TP抗体、風疹HI抗体、クラミジアPCR、TSH、FT4、HIV、HTLV-1抗体(PA)、AMHの項目を検査
夫の検査 血液型検査のための採血 (AIDを実施する施設で血液型を検査する必要があるためです)
結果の郵送 *感染症・甲状腺の結果は、倫理委員会の申請結果と同じタイミングでメールにてお知らせします。 その中で、感染症検査に陽性があった場合は治療薬も同封いたしますのでご夫婦で薬を服用ください。なお、薬代は次回来院時にご請求いたします。
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6. カウンセリング実施

①カウンセリングの内容
AID前心理カウンセリングでは、非配偶者間人工授精という治療を通して授るお子様と家族になるということについて、ご夫婦がこれまでにどのような話し合いをされてきたのかについてお聞かせください。事前にお読みいただいた書籍や資料や、AID勉強会動画の才村眞理先生のご講義に対する具体的なお気持ちなども聞かせていただければと思います。また、それ以外にもご不安な点など何でも自由にお話しいただけます。お話しされる内容は倫理委員会の審査には関係ありません。
②カウンセリングの回数
カウンセリングは原則1回を予定しています。しかし、ご夫婦が充分な話し合いをされていないと判断した場合は、カウンセラーより2回目のカウンセリングをご案内いたします。話し合いが不足 している部分についてお伝えしますのでご夫婦で改めて話し合いをした上で2回目のカウンセリングにお越しください。倫理委員会の申請はカウンセリング完了後となります。また、患者様のご希望がある場合のカウンセリングは何回でもお受けいただけます。

7. 当院から倫理委員会へ申請を行います

倫理委員会へ、以下の書類を提出し、AID適用の申請を行います。申請費用は33,000円(税込)です。倫理委員会からの結果通知までには2週間程度お時間をいただきます。

2.でご提出いただいた資料一式
戸籍謄本、身分証明書、非配偶者間人工授精(AID)実施希望申請書兼倫理委員会申請書、診断書

3.でお配りしたワークシート(ご自宅で完成させてきてください)
倫理委員会への申請結果を個別にメールにてお知らせします。残念ながら倫理委員会の承認が下りなかった場合は、申請費用から1,000円の手数料と振込手数料を引いた分をご返金いたします。診察・検査・カウンセリング料のご返金は出来ませんのでご了承下さい。なお、倫理委員会の申請は1回しか行えません。

※全てのご連絡は入力されたメールアドレスに送信されます。 迷惑メール設定などにより当院から送信したメールが受信エラーになった場合でも当院側では把握できておりません。 詳しくはこちらをご確認ください。

8. AIDのための治療を開始

8-(1). すべての治療を当院でされる方

初診時に、次回の来院日についてご説明いたしますので、その日程の診察予約をWEBにてお取りください。排卵に問題がなければ初診の次の周期からAIDが行えます。

8-(2). 他院でAID実施日の診断をする方

かかりつけの婦人科にてAID実施日(排卵日の前日~当日)が決定しましたら、お電話にてAID 実施のご予約をお取りください。(03-3356-4211) *AID実施のWEB予約はできません。

予約締切 1営業日前の15時まで ※日曜日は休診日ですので、月曜日のご予約は土曜日の15時までにご予約ください。
予約電話時確認事項 ① ご予約時は「AID実施の予約」と明確にお伝えください。 ② ご本人様確認をさせていただきます。(診察券番号、氏名 他) ③ AIDの実施希望時間 *下記「実施予約時間と来院時間早見表」をご覧ください
キャンセル料 当日のAIDキャンセルは、キャンセル料¥31,130(税込)が発生します。
実施日当日のお持ち物 ① 非配偶者人工授精(AID)に関する同意書(ご夫婦のご署名を記入したもの) ② 凍結精子の融解同意書(ご夫婦のご署名を記入したもの) ③ 人工授精実施日が記載された、かかりつけの婦人科からの紹介状
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必要な費用について

ご請求時期 決済方法 費用
2. AIDに関する書籍・資料のご購入時 クレジット決済* *1. の書類審査結果と同時に決済URLをお送りします。なお決済完了のご連絡は致しませんのでご了承ください。 6,600円(税込)
5. 初診時 *他院で人工授精日の特定をされる場合は妻の検査費用は当院ではかかりません 当院にて 現金又はクレジット決済 ・夫 血液型検査:3,630円(税込) ・妻 感染症・甲状腺検査・AMH:23,100円(税込) ・初診料:2,880円(税込) 合計:29,610円(税込)
6. カウンセリング受診時 当院にて 現金又はクレジット決済 14,300円(税込)
7. 倫理委員会への申請時 ◆初診時に申請書類がすべてそろっている場合 ⇒当院にて現金又はクレジット決済◆初診時に申請書類がそろっていない場合 ⇒クレジット決済 *申請書類が全てそろった段階で決済URLをお送りいたします。なお決済完了のご連絡は致しませんのでご了承ください。 33,000円(税込)
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※全てのご連絡は入力されたメールアドレスに送信されます。 迷惑メール設定などにより当院から送信したメールが受信エラーになった場合でも当院側では把握できておりません。 詳しくはこちらをご確認ください。

AID承認・治療開始後、2年以上治療中断される方へ

当院でAIDの治療をされ、再来院まで期間が空く場合には書類の再提出・再検査等の手続きが必要となる場合があります。 以下のPDFデータでご自身のご状況をご確認頂き、PDFの該当ページをご参照ください。

AIDのための精子提供者(ドナー)の条件

  • 健康青年男子であること。
    • 未婚であること。
    • 年齢は20歳から27歳まで。
    • 適正身長、適正体重。
    • たばこを吸わない。麻薬等の経験がない。
    • 輸血を伴う手術を受けたことがない。
    • 感染症、性病の既往症がない。
  • 医学部在学中であること。
    • 遺伝に伴う疾患に関し充分な知識があること。
    • 倫理的、社会的配慮に関してしっかりとした意見がある。
  • 精神的に安定していること。
    • 規定の心理テストを受けること。
    • 院長の面接を受けること。
  • 次の検査がすべて陰性であること。
    • B型肝炎
    • C型肝炎
    • エイズ検査(HIV1/2)
    • 梅毒
    • HTLV1
    • ATL
    • クラミジア検査

    ※上記の検査は6カ月毎に継続的に実施しています。

  • 将来のお子様の安全のために癌遺伝子に異常のないこと。
    • α1一アンチトリプシン
  • 精子所見が良好であること。
    • 精子所見がWHOの基準を満たしていること。

補足説明

上記条件を満たすため、HIVを含む感染症の検査、および心理テストを実施しています。 健康男子青年で精子数はWHOの基準を満たしております。 但し、近親者の疾患、遺伝的問診票及び面接による申告の為、調査はしておりません。 提供された精子については6ヶ月間凍結保存し、再度精子提供者のHIVの抗体検査を実施し、陰性であった場合に限り当該精子をAIDに用います。

選択方法

現在の段階では、御主人の血液型(ABO、Rh型)と同型の提供者を選択しております。 その他条件(身長、肌の色など)は、選択できません。

精子提供者を知ることはできません

日本産科婦人科学会の規定により、AIDに使用する、精子の提供者を知ることはできません。 また、提供者も自身の精子がどのご夫婦に用いられたかを知ることはできません。

この規定により、AID実施者の知人・近親者を精子提供者とすることは出来ません。

夫婦の話し合いこそが、いちばん大切

AIDによって生まれてきた子どもは、 法的にもそのご夫婦の正式な子どもです。 しかし、実際はご主人の子どもではないわけですから、精神的な問題が残ります。 “養子よりも、妻の血を受けている子供だから…”という理由で、この方法を希望されるご夫婦が多いのですが、大切なことは、くり返しになりますが、ご夫婦の子どもとして最後まで育てるという確固たる意志です。 生まれてきた子どもは、どんなことがあっても自分たちの子供です。話し合いには十分時間をかけて、ご夫婦の意志を決定してください。

性同一性障害(FTM)の方へ

当院で行われるすべての治療は、日本産科婦人科学会の会告あるいは見解を遵守し、さらに厚労省見解、医師法を始めとする関係法律を厳守し慎重な検討を加え行っております。精子の 非配偶者間人工授精に関しましては、日本産科婦人科学会の会告のもと、特例法、戸籍法、医師法などに検討を加え適応を厳守しております。 「性同一性障害の方で戸籍変更後に生殖補助医療を受けられるか」ということですが、特例法では、「現に子がいないこと」という要件があり、その後に子供を持つことを禁止しているわけではありません。ただ、『生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること』という要件もあります(いずれも特例法第三条)。結局、特例法は第三者の精子を使って生まれた子の親子関係に関する生殖補助医療の状況を想定していないため結論は出ていません。 FTMの方が戸籍変更し男性になり、女性と結婚し、第三者の精子を利用して子供を持つことに国内の関係機関は提言という形では表明しておりますが、それ以上の議論はされておらず、肝心の法整備がありません。 法律婚であれば、戸籍法上の制限はないという見解もありますが、特例法で子の法的な位置づけがないのが現状です。このような関係する法整備が不備な現状では、FTM,MTFの方々に安心して生殖補助医療を提供することが困難な現状をご理解ください。 なお、日本産科婦人科学会の会告、日本生殖医療学会の提言には、法的根拠がありません。 参考・・ 民法では、「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」(772条)と規定。 法的に結婚した夫婦の間に生まれた子を摘出子と定義しているので、AIDは夫の同意があれば摘出子として扱われています。 日本産科婦人科学会・倫理委員会は、特例法により女性から男性に性別変更した人と妻がAIDを受けることについて「ガイドラインに抵触しない」という見解を2007年に示しました。 しかし、一方、民法は夫婦間の自然生殖を前提としており、生来の男性が夫である場合の人工授精と違い、FTMでは夫の子でないというのが客観的に明らかなので民法772条の摘出子とみる『推定』は働かず、摘出子と認定されない、と学習院大学の野村教授(民法学)は指摘しています。

はらメディカルクリニックについて

はらメディカルクリニックでは、採卵、受精、培養、胚移植における医療を提供することにより、最短妊娠をサポートします。

関連リンク

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