不妊症・男性不妊・人工授精・体外受精・胚移植・AID・精子バンク等の不妊治療・不妊専門クリニック。

胚移植

不妊症の検査・治療

胚移植の進め方

状態や希望に合わせて以下を選択しながら進めます。

選択1 A.新鮮胚移植? B.凍結胚移植?
選択2 胚移植は… A.4分割? B.8分割? C.胚盤胞?
選択3 胚移植数は… A.1個? B.2個? C.2段階移植?
選択4 凍結融解胚移植の方法は… A.自然周期移植? B.低刺激移植? C.ホルモン補充(調整)移植?
選択5 SEET法は実施希望?
選択6 ヒアルロン酸胚移植用培養液は希望?
選択7 レーザーアシステッドハッチング実施?
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新鮮胚移植と凍結胚移植の違い

新鮮胚移植

採卵の周期に胚移植を行う方法です。妊娠率が凍結融解胚移植に比べて低く、卵巣の腫れ、卵巣による黄体機能不全、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を発症のリスクなどが有るためにお勧めしておりません。

凍結融解胚移植

採卵で得られた受精卵(胚)を胚盤胞まで培養し、凍結保存します。胚移植日の朝に融解し、融解した胚を移植する方法です。子宮環境を整えることができるため、妊娠率が高く、流産率が低いのが特徴です。

融解胚移植の方法・解説

融解胚移植の方法には、1.自然排卵周期、2.低刺激周期(クロミフェン・hMG/rFSH)、3.ホルモン調整周期法の3方法があります。この3方法の違いは、胚移植の確実性の違いです。自然排卵周期<低刺激周期<ホルモン調整周期の順に確実性が高いのが特徴です。いずれの方法も妊娠率に差はありません。
また、胚移植予定日の1日~4日前に超音波による子宮内膜の計測か、採血によるプロゲステロン値の測定を行い着床環境に問題がない場合にのみ実施しますので最終的にこの時点で規定以下の場合は胚移植を実施しても妊娠する可能性は低いことから、移植をキャンセルします。

1.自然排卵周期 2.低刺激周期 3.ホルモン調整周期
移植の確実性 低い やや高
適応 月経周期が正常であること 排卵誘発により周期の安定化を図る どのような場合にも適応可能
移植までの通院回数 2~4回 3~5回 1~3回
胚移植までの金額 基本的に保険診療 基本的に保険診療 エストラーナ 1枚¥308 プロゲステロン坐薬1箱¥8,800〜
副作用 なし 卵巣過剰刺激症候群発症の可能性 局所皮膚反応、不正出血出現の可能性
SEET法の併用 可能 可能 可能
人工授精の併用 不可能 不可能 不可能
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1.自然排卵周期移植の流れ

超音波検査生理10日目~12日目

完全自然排卵周期の場合は排卵誘発剤を使用せず、自然に脳下垂体から分泌される内因性FSHホルモンによって卵胞が成長します。卵胞がどの程度まで発育しているかをこの時期に超音波にて検査することで、排卵日の予想特定を行います。もし、卵胞成長が遅い場合は採血を行いより正確に状態を把握します。

LHサージ誘起生理12日目~13日目(排卵36~40時間前)

卵胞がこの時期まで順調に成長してくると、エストロゲン(E2)ホルモンの上昇に伴い、排卵を促すLHホルモンが急激に上昇します。これをLHサージといい、この後に排卵がおこります。

自然にLHサージを起こす場合
この時期の来院は不要。
確実にLHサージを起こす場合
hCG注射か、点鼻薬(スプレキュア)を用いる。 詳細はLHサージ誘起参照。

生理16日目~22日目

排卵から2日後の場合4分割移植、3日後の場合8分割移植、5日後の場合胚盤胞移植

胚移植2日後~12日後

黄体補充(無または、ルトラール、hCG、プロゲ坐薬など)

2.低刺激周期(クロミフェン・hMG/rFSH)の流れ

排卵誘発剤の使用を検討生理1日目~5日目

この間に来院し排卵誘発剤の使用を検討します。

排卵誘発を実施生理5日目~14日目

経口薬の場合は服用開始後、超音波検査日まで来院の必要はありません。hMG/rFHS注射誘発の場合は注射回数分の来院が必要になります。来院が難しい場合は自己注射も可能です。

  • シクロフェニル(経口薬)
  • クロミフェン(経口薬)
  • アロマターゼ阻害剤(経口薬)
  • hMG/rFSH(注射薬)
  • rFSH(ペンタイプ自己注射)

超音波検査生理10日目~12日目

卵胞が順調に(正しく)成長しているかを超音波で確認し排卵日を予想特定することでタイミング指導を行います。超音波だけでは卵胞の成長が把握できない場合は採血検査によりエストロゲン(E2)を測定しより正確な排卵日を予測します。

LHサージ誘起生理12日目~13日目(排卵36~40時間前)

卵胞の成長に伴い分泌されるエストロゲン(E2)の上昇により、排卵を促すLH(黄体形成ホルモン)が急激に上昇することをLHサージといいます。このLHサージ後、排卵がおこります。

自然にLHサージを起こす場合
この時期の来院は不要。
確実にLHサージを起こす場合
hCG注射か、点鼻薬(スプレキュア)を用いる。 詳細はLHサージ誘起参照。

生理16日目~22日目

排卵から2日後の場合4分割移植、3日後の場合8分割移植、5日後の場合胚盤胞移植

胚移植2日後~12日後

黄体補充(無または、ルトラール、hCG、プロゲ坐薬など)

3.ホルモン調整周期の流れ

生理開始1日目~中止の指示があるまで

エストラーナ(エストロゲンを補充し子宮内膜を育てます。)
皮膚に直接貼って使用。入浴後に貼り替え、2日間使用したら新しいものと交換。

生理開始14日目~中止の指示があるまで

プロゲステロン膣坐薬(プロゲステロンを補充し着床を助けます。冷蔵庫にて保存してください。)
1日2回(朝・就寝前)「膣内」に注入します。
膣坐薬中にはプロゲステロンが222mgも含まれていますので使用時溶け残りがあっても心配いりません。

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