不妊症・男性不妊・人工授精・体外受精・胚移植・AID・精子バンク等の不妊治療・不妊専門クリニック。

IVM-IVF

不妊症の検査・治療

※現在こちらの治療は当院で行っておりません

IVM-IVFとは

まだ成長過程の卵子を早めに採卵し、体外で成熟させる方法です。通常の体外受精では卵胞の直径が20ミリ前後の時期(右の①の頃)に採卵を行い、即日媒精した後、受精卵を培養します。 IVM-IVF(in vitro maturation-in vitro fertilization)というのは、卵胞の直径が7ミリ前後の早い時期(右の②の頃) に卵核期の未熟卵子を採卵し、その後24時間の卵子培養の後、体外受精または顕微授精する技術を言います。 受精後のプロセスは通常の体外受精と同様に胚移植します。
IVM-IVFのメリット
卵胞を成長させることなく採取することができるため排卵誘発に際しリスクが高い方や卵巣内の環境では卵子に悪影響を及ぼすリスクが高い場合は、 卵巣内ではなく外で卵子を成熟させる本方法が有効。
IVM-IVFのデメリット
通常の体外受精は採卵率が95%以上あるのに対し、IVMの採卵率は50%前後と非常に低い。 また、その後未熟卵子を培養し受精を試みてもその受精率は低く、胚盤胞達成率はさらに低い結果が予想される。
IVM-IVFが有効な場合
  • 多のう胞性卵巣症候群(PCO・PCOS)で排卵誘発をしなければ卵胞成長が認められないが、 排卵誘発を行うと卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になってしまう方。
  • 全ての検査に問題がないが、胚盤胞達成率が悪く、反復失敗例が多いなど卵巣内での卵胞成長では問題が考えられる場合。
人工授精は向いていないケース
  • 通常の体外受精で胚移植まで行える方。

IVMの進み方

治療方針の検討生理1日目~5日目

この時期に超音波で卵巣を検査すると前胞状卵胞(アントラルフォリクル)を確認できます。 その個数に応じて今周期IVMを行うかどうかを検討します。また、行う可能性が高い場合は血液検査でFSH・LHを測定します。

超音波検査生理5日目~7日目

IVMの場合主席卵胞形成前に採卵を行うため超音波検査も早い時期に行います。卵胞径7mm以上の卵胞が2個以上確認出来たら採卵を決定します。

排卵当日生理7日目~9日目

難関1:採卵

IVMの最初の難関は採卵です。発育過程で充分な成熟前のため卵子が顆粒膜から離れず採卵は容易ではありません。 ゲージの異なる2本の針を使用し1本で卵巣を固定しながらもう1本で採卵します。採卵率は50%前後であり一般の体外受精と比較して非常に低い成功率です。

難関2:検卵

IVMの次の難関は検卵です。一般の体外受精での採取卵のように顆粒膜が充分についているわけでもないので検卵に時間がかかります。 検卵時間を短縮するため専用のフィルターを用いて行います。

難関3:未熟卵子培養

IVMの3番目の難関は未熟卵培養です。一般の体外受精で採取した卵子に使用する培養液とは異なりIVM用の培養液を使用します。 他に患者の卵胞液や血清を使用する方法などいろいろ検討されています。

受精生理8日目~10日目

難関4:受精

前日に採卵した未熟卵子はその後24時間培養され、約50%前後の確率でMⅡ卵に成熟しています。そのMⅡ卵にICSIを実施します。 論理上はコンベンショナルIVFも可能ですが成功例は非常に少ないです。

受精卵培養生理10日目~(受精以降)

受精後の培養は一般の体外受精と同様です。胚盤胞までの達成率はIVMの場合は低いです。

新鮮胚移植 or 胚凍結受精以降

新鮮胚移植:IVMは成長過程の卵子を早めに採取するため子宮内膜が形成されませんので、新鮮胚移植を行う場合は外因性のホルモンを補充する必要があります。具体的にはエストロゲン製剤とプロゲステロン坐薬を使用します。 胚凍結:IVMのデメリットをリカバーできるのが胚凍結です。子宮内膜が形成されない採卵周期は胚移植をせず、次周期以降に胚移植を行います。

費用について

IVM採卵手術 ¥174,000 IVM未熟卵培養 ¥46,000 他は一般の体外受精同様です。詳細は料金表参照。
初診予約はこちら