レーザー・アシステッドハッチング(LAH)とは
アシステッドハッチングとは胚(受精卵)が着床できるよう透明帯から脱出するのをアシストする方法で、具体的には透明帯の一部を薄くしたり切開したりする技術のことです。
胚は透明帯という膜に包まれています。分裂が進み、4~5日目で胚の内部に水分が蓄えられ胚盤胞へと発生します。胚盤胞は細胞の増殖とともに内腔が大きくなり、透明帯は薄くなっていきます(拡張胚盤胞)。それがさらに進むと透明帯に亀裂が生じて胚盤胞がハッチング(脱出)し、子宮に着床します。
アシステッドハッチング(AH)は大きく分けて3通りあり、その使用機器により「機械式アシステッドハッチング」 「化学式アシステッドハッチング」「レーザーアシステッドハッチング」と呼ばれています。当院では安全性と機能性を考慮しレーザーアシステッドハッチング(LAH)による完全(全周)菲薄化法を第一選択にしています。
なぜ、完全(全周)菲薄化なのか・・・?
透明帯開孔法(ZD法)では開口部が小さすぎ、ハッチングを起こす際に内細胞塊(ICM)が分断し一卵性双胎になる確率が上がってしまうリスクがあります。 透明帯菲薄化法(ZT法)では、実は菲薄化していないところからハッチングする卵もあり、アシステッドハッチングの効果が薄れてしまいます。 結論として手間や時間はかかりますがアシステッドハッチングの効果を最大限に引き出すためには完全菲薄化法(AZT法)が有用と判断し第一選択にしています。 ただし、胚(受精卵)の状態によっては他の方法を選択する場合もあり、アシステッドハッチングの選択もオーダーメイドで実施します。