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妊娠反応が陰性の方へ

不妊症の検査・治療

移植周期のホルモン数値も良いし、良好胚を移植しているのにどうして妊娠しないの??

妊娠しない原因の大部分は胚の質にあると考えられています。 グレードが良い良好胚であってもそれは形態評価(見た目の評価)にすぎず、構造評価ではありません。妊娠に最も重要なのは胚の染色体であり、構造異常や染色体数に異常があると着床はしません。国外では「着床前診断」と言って事前に染色体異常があるかどうかの検査をして正常な胚だけを移植することができるのですが、日本では着床前診断は特定の人しか認められておらず、そのため妊娠しない原因を特定しにくいのです。また、妊娠しない原因は子宮や免疫などに原因がある場合もあります。

はらメディカルクリニックでは、体外受精に関しての説明会を開催しています。
体外受精が初めての方はもちろん、体外受精の経験がある方にとっても、
より良い知識を体得できるような内容をお伝えいたします。

一般的に胚移植不成功時の原因と考えられているもの

胚移植不成功時の原因の表

①卵子の異常

(1)卵子の染色体異常

卵子の染色体異常の割合は34歳以下で約40%、36歳以上で約60%、40歳以上で約96%と考えられています。この卵子が精子と受精するため、受精卵には卵子由来の染色体異常が持ち込まれます。染色体に異常のある受精卵は自然淘汰され発育を停止しますので、胚盤胞まで達成できる受精卵の染色体異常率は約25%まで低下しています。しかし逆に言うと、見た目が5AAのようにグレードの良い胚(受精卵)でもそれは見た目の形態評価であり染色体の構造上は約25%の異常を有しているということになりますので妊娠は成立しない、もしくは流産に繋がります。では、なぜ染色体に異常が発現するかというと、その原因は、女性の老化=卵子の老化現象です。卵子は生まれた時から卵巣内に保存されていて、新しく作られることはありません。さらに、35歳を過ぎますと、卵子の中にある分裂や発育に携わる器官などに異常があらわれやすくなり、分割率、着床率、妊娠率は低下し、流産率は上昇します。この現象は、40歳を過ぎますとさらに加速します。女性の年齢が妊娠成績を左右する最も重要な因子と言われるのはこのようなことからです。

(2)エネルギーを生む機能であるミトコンドリアの低下

卵子の細胞質内にあるミトコンドリアは分裂のエネルギーとして重要な役割を果たしています。加齢によるミトコンドリアの減少・機能低下が核の分裂を阻害し染色体の異常を起こします。また、肥満や高血圧などの酸化ストレスもミトコンドリアの機能障害をおこすことが確認されています。

(3)顆粒膜細胞の体積が減り生物活性物質の低下

(4)小胞体の質の低下

検査

受精卵の染色体異常の検査として、着床前診断(PGD,PGS)がありますが、現在その実施には制約があり当院を含め多くの施設で行うことができません。

治療

治療はありませんが、女性の年齢に関係するため、年齢の若いうちに受精卵を凍結保存し貯めておくという方法があります。

②子宮内膜機能不全

■内膜の厚さ

子宮内膜細胞はエストロゲン、プロゲステロンなどの卵巣性ステロイドホルモンの影響を直接受け胚(受精卵)を受け入れる体制を整えます。妊娠(着床)には、8mm以上の内膜厚が必要であり、6mm以下の厚さでは妊娠率は8.3%と低い値が報告されています。また、移植前のプロゲステロン値の基準は8.1pg/ml以上となります。

検査

ホルモン採血
超音波

治療

ERP
凍結胚盤胞移植
ホルモン補充移植

■レセプター(受容体)

着床には、子宮内膜の胚受容能発現が必要ですが、内膜の受容能の発現は一過性であり、受容能の発現には胚と内膜の相互作用が重要な役割を果たしています。体外受精では、移植まで胚は子宮から隔離されているためこの相互作用が起きにくい場合があります。

検査

ERA

治療

ERP
SEET法
子宮内膜スクラッチ
ヒアルロン酸
GM-CSF含有培養液

③子宮筋腫、腺筋症、内膜症、ポリープ

■子宮筋腫

子宮筋腫とは子宮を構成する筋肉から出来る良性の腫瘍のことです。子宮筋腫は33歳以上の女性には比較的多く散見され、そのほとんどが妊娠に影響の少ない子宮の外側に出来る「漿膜下筋腫」です。しかし、子宮筋腫ができると子宮は内腔の拡大、蠕動運動の低下などのため受精卵が着床しにくくなります。

検査

MRI

治療

ホルモン療法
子宮動脈塞栓術
子宮鏡下筋腫核出術

■子宮腺筋症

子宮腺筋症とは、子宮の筋肉になんらかの原因で子宮内膜(月経時に出血する部分)が入り込むことで、子宮内膜が子宮の筋肉の中にできる状態のことであり、子宮が腫大してしまう病気です。

検査

AMH
MRI
CA125

治療

正確な進行期分類により、薬物療法、手術、などを単独あるいは組合わせて行います。治療には6か月ー24か月を要します。

■子宮内膜症

子宮内膜症は不妊症患者の30%~38%にみられ、さらに近年は増加傾向にあります。内膜症では、卵管の癒着や炎症などから自然妊娠は困難になるだけではなく、胚の分割・発育を阻害することも報告されています。

検査

AMH
MRI
CA125

治療

正確な進行期分類により、薬物療法、手術、などを単独あるいは組合わせて行います。治療には6か月ー24か月を要します。

■内膜ポリープ

子宮内膜ポリープとは粘膜から発育したイボ状の突起です。子宮内膜ポリープがあると受精卵が子宮内膜にたどり着いたときにポリープによる炎症やポリープの存在が邪魔をして着床できないことがあります。

検査

子宮鏡
超音波

治療

子宮内膜
ポリープソウハ術
子宮鏡下
ポリープ切除術

④卵管因子(水腫)

卵管水腫がある場合には、子宮内膜の炎症の併発、内膜感染の原因となります。卵管水腫が出来る原因として、虫垂炎後遺症、クラミジア感染などがあります。

検査

MRI
子宮鏡下通水
卵管造影
超音波

治療

子宮内洗浄
卵管除去手術
卵管のクリッピング手術

⑤免疫異常、ホルモン異常

同種免疫異常、自己免疫異常、染色体異常、内分泌代謝異常などがあり、ご妊娠されても流産を繰り返す原因になります。

検査

着床不全外来にて相談

⑥精子の異常

精子染色体の構造異常は40歳で約30%、60歳で約50%以上と報告されています。

検査

なし

治療

なし

はらメディカルクリニックについて

はらメディカルクリニックでは、採卵、受精、培養、胚移植における医療を提供することにより、最短妊娠をサポートします。

はらメディカルクリニックでは、体外受精に関しての説明会を開催しています。
体外受精が初めての方はもちろん、体外受精の経験がある方にとっても、
より良い知識を体得できるような内容をお伝えいたします。

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